居酒屋タクシー

〜 国民の知らない役人の素敵な世界 〜



いやあ、ほんと、びっくりしちゃって、怒る気にもならない。中央官庁の役人が利用していた居酒屋タクシーの件だ。なんと役人どもは、国民の税金でタクシーに乗り、しかも運転手から見返りの接待を受けているというのだ。

(幹事長)「こんなサービス知ってた?」
(石材店)「そんなん知るはずないでしょう。そうすらした事ないですよ」


いちばん一般的なのは、缶ビールのサービスだと言う。ま、確かに、言われてみれば、仕事に疲れて夜中にタクシーに乗ってビールが出てきたら、そら嬉しいわな。とても素晴らしいサービスだと思うよ。でも、我々はそんな素晴らしいサービスを受けた経験は無い。っていうか、そんな素晴らしいサービスがこの世に存在する事すら思いもよらなかったぞ
タクシーの運転手の言い分としては、「タクシーの量的規制が緩和されてからこの業界は大変だ。ビールやおつまみでくつろいでもらい、仲良くなって次にまた呼んでもらえるなら、そのぐらいのことはするよ」てなもんであり、それはそれで納得できる言い分だ。僕がタクシーの運転手なら、それくらいしちゃうだろう。
ただし、それが自己負担でタクシーに乗ったときのサービスなら、好きにやってくれたらいいけど、なんと言っても我々国民の税金から出ているタクシー代の見返りだ。なんで役人だけが税金で乗ったタクシーでビールのサービスを受けるんだ?そんなサービスするくらいなら、少しでも料金を安くして税金の無駄遣いを減らして欲しいぞ

まあ、しかし、税金の無駄遣いという視点では腹立つが、ビールくらいなら我々の想像の範疇にある。理解できる。素晴らしいサービスだな、と。しかし、それがクオカードや図書カードなんかの金券になると、これは限りなく賄賂だぞ。いかんじゃないか?限りなく犯罪だぞ
さらにさらに、中には現金をもらっているアホもいたらしい。ここまでくると、完全な犯罪だ。サービスなんかじゃいぞ。税金のネコババだ。泥棒だ。うそつきだ。恥知らずだ。変態だ。

一体、これはどういう神経をしているのかなあ。国民の税金でタクシーに乗って、現金のリベートをもらうなんて、ごく普通に考えたら、それが犯罪だと気がつくと思うんだけどなあ。頭が悪いのかなあ、お役人って。
財務省の幹部は「正規料金を払っており、架空の料金を設定して差額をペイバックしていることが明らかでない限りは、横領ということは起こらないと思う」と話しているけど、そなな言い訳が国民に通用すると思っているのかなあ。ほんとに頭が悪いなあ。

このような、ケチな、せこい、みじめったらしい犯罪を犯していた役人は、圧倒的に財務省が多い。2000〜3000円の現金やクオカードを約150回にわたって受け取っていた職員を筆頭に、自主申告しただけで600人もいる。財務省が多いのは、財務省の役人が、ことさらアホばかりというだけではなく、財務省では深夜残業が多いのも理由だ。財務省の本省の年間タクシー利用額は5億円にもなるのだ。
ほかにも、農林水産省や国土交通省では200人近くが申告している。たぶん、この何十倍もの嘘つき職員がいるんだろうなあ。
また、文部科学省では米や食パンを受け取った職員もいた。役人って、そこまで貧しいのか?米やパンを買う金も無いのか?それとも、単に心が貧しいだけか?

こういう犯罪がはびこる根本的な原因は、深夜まで及ぶ残業体質だ。どこの業界でも同じだと思うけど、アホな役人の都合で、こっちまで深夜まで仕事をつき合わさせられることは多い。あいつら、深夜まで仕事するのが当たり前だと思っている。むしろ、それが偉いと思っている。単に非効率な仕事をしているだけなのに。
ただし、一番悪いのは、国会議員とも言える。役所に対し、夜になって「明日の朝までに回答するように」なんて調子で平気で質問をぶつけてきたり、国会での質問内容を、前夜になってようやく役所に伝えたり。わざと意地悪でやっているのか、それとも、国会議員も出来が悪いから非効率な仕事のせいで時間が足りなくなっているのか知らないけど、自分たちは偉いんだから真夜中になろうが役所をこき使うのは権利だと思っている。
今回の信じられない犯罪行為が明らかになったのは、民主党の議員による追求によるものなので、よくやったと褒めたいけど、議員の方も体質を変える必要がある。

さて、今回の破廉恥な犯罪の解決策は簡単だ。いくつか考えられる。議員からの問い合わせ等は夕方以降は受け付けない、とか、夜になったら電気を消して強制的に全員帰宅させるとか、好きなだけ残業はしてもいいけどタクシーは一切認めないとか。何も特別なことではない。民間企業なら当たり前のことだ。
国土交通省は、とりあえず2ヵ月間、本省職員4000人のタクシーチケット使用を中止したけど、2ヵ月なんて言わず、永久に禁止してほしい。

(2008.7.6)



〜おしまい〜





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