教員採用汚職

〜 みんな知ってる教員の素敵な世界 〜



大分県の教員採用試験を巡って、県教育委員会の上層部まで巻き込んだ贈収賄事件が騒ぎになっている。現職の校長や教頭らが、自分たちの子供も教員に採用してもらうために、教委幹部に賄賂を贈っていたというのだ。

(石材店)「驚きましたねえ」
(幹事長)「いや、ほんとにびっくり。こんな事、全国で大昔からやられていたのは常識であり、
       今さら騒ぎになるなんて、ほんとびっくり」
(石材店)「そういう驚き方ですかっ!?」


教員採用試験がコネの世界だってのは、誰でも知ってる国民の常識だろう。昔から、特に地方では、教員の子供は教員と決まっている。僕の知人でも、いくら優秀でもコネが無い奴は、いつまで経っても不安定な講師のままなのに、コネがある奴はさっさと正規の教員に採用される。とってもとってもグレーな、というかブラックな世界だ。

今回の大分の事件では、現役の校長や教頭が、自分の子供を教員に採用してもらうために教委の幹部に現金や金券を数百万円も贈っていたのだが、大分県では、以前から「教員採用はカネとコネ次第」とのうわさが絶えなかったらしい。
収賄で捕まった教委の幹部は、ここ2年間だけでも少なくとも40人以上の受験者について合格させるように口利きを受け、合格させるため点数を加点し、逆に合格点に達していたコネの無い受験者を減点させたりして改竄していた。年間の採用人数は両年ともに41人だったので、この幹部だけで半分の採用をごまかしていたってことになるが、どうせ残りの合格者だって、別のコネがあったのは間違いない。
マスコミは裏採用ルートでの不正が常態化していたと書き立てるが、むしろ表採用なんて無きに等しい。今回、明るみになって騒いでいるのは教員だけど、地方の場合、一般公務員の採用だって似たようなものだ。議員や役所の幹部のコネとカネが物を言う世界だ。

ところで、こんな悪い事までして採用させるなんて、教員の仕事って、そんなに美味しいのだろうか。そんなに美味しいのだろうなあ。うちの子供の学校の先生を見ていると、ほんとにのん気でお気楽な商売だと思う。自分たちは「先生だって、色々と苦労があるんだ」なんて言ってるけど、我々から見れば甘えでしかない。あんな楽な仕事で安定して高い給料もらって、そら賄賂を贈ってでも子供に跡を継がせたいだろうなあ。
大分県では、2007年度採用試験は489人が受験し41人が採用され、競争率は11・9倍だ。2008年度は472人が受験し41人が採用され、競争率は11・5倍だった。いずれも10倍を超える難関だ。コネが無ければ話にならないってのは常識だから、誰でもが何らかのコネはあるんだろうけど、コネの強さとカネの多さが物を言うのだろう。現役の校長や教頭の子供が数百万円を持ってくれば強力だわな。

それにしても、贈賄で捕まった校長の子供は、教員採用試験の点数が合格点に達していなかったのだが、そななバカ息子バカ娘を金で教員にさせるなんて、教育者として恥ずかしくないのだろうか。全く恥ずかしくないのだろうなあ。バカ息子やバカ娘が賄賂で採用されたおかげで、もっと優秀な人間が不採用になってるんだから、やりきれないよねえ。これじゃあ、まるで共産党幹部の子供ばかりが優遇される中国と同じだよ。
今回逮捕された親は、当然、校長や教頭を辞めるんだろうけど、大分県内の学校で教員をやっている彼らの子供も、さすがこのまま続けていくのは無理だろうなあ。(まさか、世間の常識が通用しない教員の世界では、これくらいの不祥事は辞めないのかも?)
でも、全国で何十万人という教員がコネとカネで採用されて、そのまま明るみに出ないまま、のうのうと教員を続けていると思うと、暗澹たる気持ちになる。

ところで、今回の事件の余波で、教職員の昇進にからんでも金が飛び交っている現実が明るみになった。今回、贈賄で逮捕された教委の職員は、自分が昇進する際に、県教委の現職幹部に金券20万円を贈っていたらしい。趣旨はあいさつ名目だと言い張っているらしいが、あいさつで金券20万円という感覚はおかし過ぎる。もちろん、これは、この職員に限ったことではなく、「人事の前後には、モノ、金が動く」というのが常識らしい。教員の採用試験がコネ100%ってのは昔から知ってたけど、昇進までカネまみれってのは知らなかったなああ。
う〜ん、教員の世界って、素敵だけど、なんとなく恐いな。

(2008.7.7)



〜おしまい〜





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