スピードスケート進路妨

〜 失格はあんまりじゃないの? 〜



バンクーバー冬季オリンピックショートトラック女子3000mリレーで、1位でゴールした韓国チームが中国チームへの進路妨害をしたということで失格になり、中国チームが優勝した。韓国チームは1994年のリレハンメルオリンピックからの5連覇を目指していた最強チームだっただけに、その失望は大きい。

て言うか、テレビで見る限り、とても微妙な状況だった。韓国チームの進路妨害のようにも見えるけど、見方を変えれば外から仕掛けた中国チームにも非があるようにも思える。

ゴール後、韓国チームが何の疑問も抱かずに喜びを爆発させていたのに対し、中国チームは当然ながらがっかりしていたけど、特に大げさに抗議しているようにも見えなかった。たぶん、中国チームだって、絶対に韓国チームが悪い、とは自信を持って言えなかったんじゃないかなあ。
ところが審判団の4人の副審のうちの中国人審判が問題提議し、結局、主審が韓国チームの失格を宣言したもんだから、大騒ぎになった。太極旗を振ってウイニングランしていた韓国チームは凍り付き、コーチは怒り爆発だ。一方、中国チームは思ってもみなかった大どんでん返しの優勝に、歓喜の嵐だ。

韓国のスケートは、オリンピックでは苦い思い出がある。2002年のソルトレークオリンピックの1500m決勝で、日系アメリカ人のオーノが派手なアクションで転倒し、韓国人選手を失格にさせて金メダルを獲得したことがある。そして、今回のショートトラック女子3000mリレーで韓国チームを失格にした主審が、なんと、そのソルトレークオリンピックの1500m決勝で韓国人選手を失格にした同じ審判だったのだ。当然ながら、韓国では、このオーストラリア人審判員への抗議の声が殺到している。

もちろん、この主審が、基本的に韓国人嫌いなのか、それとも、基本的に進路妨害に厳しい態度を公平に取り続けているのかは知らない。なので、審判が誤審と言えるのかどうかは分からない。
ただ、韓国チームが意図的に進路妨害をしたのでないことは間違いないだろう。そななリスクを犯さなくても、韓国チームは十分強いチームだ。結果的に優勝となった中国チームは、ゴールした時点で韓国チームよりだいぶ遅れていたにもかかわらず、世界新記録だった。いかに韓国チームが速かったかが分かる。
また、韓国チームのコーチは、審判陣のメンバーの性向を把握して対策を立てており、選手たちに「ちょっと触れても不利な判定が出ることもあるから気をつけろ」と注意していたとのことだ。だから、接触は故意ではなくて自然な動きの中でぶつかったという韓国側の主張どおりだろう。
もちろん、故意でなければ良いという問題ではないから、進路妨害と判定されれば仕方ない。仕方はないけど、それにしても一気に「失格」てのは、どうかと思うんだけどなあ。せめて1位と2位の順位を入れ替えるくらいで許してあげられないのかなあ。もちろん、5連覇を狙っていた韓国チームとしては、2位では許せないかもしれないけど、どちらが悪いとも言い切れない微妙な判定で、一気に失格というのは気の毒だよなあ。

(石材店)「日頃、韓国に対して敵対しているように見える幹事長とは思えないお言葉。まさか相手が中国チームだったから?」
(幹事長)「中国が憎いから韓国の肩を持つ、って訳でもないよ。どっちもどっちだから、その点は中立だな」


韓国や中国に対する好き嫌いは別として、純粋にテレビを見てて、あの微妙な判定で天と地がひっくり返るシステムに疑問を感じたのでした
もちろん、日本も順位が1つ繰り上がって8位から7位になったけど、全然喜ぶような状況でないのは言うまでもない。

(2010.2.25)



〜おしまい〜





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