ホメオパシー

〜 悪どい新興宗教を撲滅せよ! 〜



ホメオパシーという民間療法について、日本学術会議が「科学的な根拠が明確に否定された荒唐無稽ものであり、医療従事者が治療で使わないよう求める」という会長談話を発表した

(石材店)「ホメオパシーて何?」
(幹事長)「知らん」


なんでも、ホメオパシーとは
ある病状を引き起こす成分(毒成分で、具体的には植物や昆虫、鉱物などの成分)を、そのままでは有毒なので、限りなく薄めた水にして砂糖玉に染み込ませた「レメディー」を、飲み薬のようにして使う民間療法。
最もよく用いられるのは10の60乗倍も希釈したものであり、あまりにも薄すぎるため元の毒成分は1分子も残っておらず、単なる水というか砂糖玉であるが、元となる物質のオーラや波動、パターンが染みこんでいて(「物質が存在した記憶を水が持っている」と言うらしい)、そのパターンや波動に対する体の抵抗力を引き出すことにより、自己治癒力などが高まり、がんや皮膚病、精神疾患などほぼすべての病気を治療できる、と普及団体は主張している。
というものらしい。

(幹事長)「こなな噴飯ものの治療があるんや!」
(石材店)「聞いただけで怪しすぎますね。こんなん信じる人がおるんですか?」
(幹事長)「新興宗教みたいなもんやね」


水が記憶を持っている」だなんて、まともに義務教育を終えた者なら、誰が考えても明らかな嘘だと分かると思うのだが、これが、なんと、ヨーロッパでは200年の歴史があり、一部の国では公的医療保険も適用されてきたというから驚愕!ま、200年も前なら、まだ錬金術師や魔女狩りが全盛期だった頃だから仕方ないかもしれん。

(石材店)「そこまで古くありません!」

ま、一般的に「何にでも効く」というのは「何にも効かない」と同義語なんだけど、治療上の効果は無いっていう研究が相次いで発表されたことから、ドイツでは2004年から保険適用をやめたらしいが、それでも6年前までこななあり得ないバカ話に保険が適用されてたってんだから、ドイツもこいつも、まったく。

(幹事長)「ま、“信じる者は救われる効果”はあるけどね」
(石材店)「プラシーボ(偽薬)効果と言ってください」


小麦粉でも薬だと信じ込ませて飲ませれば病気に効く場合も多い。これがプラシーボ効果だ。信じ込むことにより、もともと体が持つ自然治癒力が出てくるわけだ。無知というかアホな人が、ホメオパシーなんていうバカげた迷信を信じて病気が治るのなら、100%存在を否定する訳ではない。

(石材店)「宗教なら大目に見る、と?」
(幹事長)「もし無害なら、ね」


ところが、最近、問題になっているのは、無害どころか、百害があるからだ。
この怪しくて危険な新興宗教が日本に入ってきたのは比較的最近で、そのため、今までは大きな問題にはなってなかったんだけど、1990年代後半頃から、日本ホメオパシー医学協会なんていう団体が実践と普及を進めてて、この療法を指導、指示するホメオパシー療法家の養成学校も北海道から沖縄まで全国7カ所に設置している。
そして、その普及と共に、問題が顕在化しつつある。ホメオパシーを受けている人の中で、通常の医療を拒否して、死亡したり症状が悪化している例が相次いで表面化しているのだ。
・例えば、今年5月にガンで死んだ東京の女性のケースは、3年前、離婚直後で精神的に不安定な時に友人にホメオパシーを紹介され、実践し始めた。昨春から体調を崩し、全身の痛みや強い肌荒れが出たため、周囲から病院受診を勧められたんだけど、「今までのホメオパシーの努力が無駄になる」なんて言って拒み続け、母親が救急車を呼ぼうとしても「西洋医学はダメ」と最後まで拒んだ。最後は、気を失ったすきに母親が救急車を呼んで受診させた結果、悪性リンパ腫と診断され、入院から11日後に死んだのだ。
ホメオパシーでは、病気の症状が重くなっても、それは自然治癒力が増した証拠の「好転反応」だとしており、これが患者を病院から遠ざけている要因になっている。こんなこともあり、この女性の遺族らは「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。

・また去年5月には、さいたま市で生後6ヵ月の男児が体重5000グラム前後の低体重のまま死亡した。両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒してて、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していた。市の児童相談所は、病院の受診拒否などを虐待と判断し、保健師の指導で男児が入院した際には、両親が連れ戻さないよう病院に要請してたんだけど、結局、男児は死亡した。

・そして、山口市では、ホメオパシーを実践する助産師が、新生児が一般に投与されるビタミンK2を与えなかったために女児が死亡したとして、女児の親が、ホメオパシー療法を行った助産師を相手取って山口地裁に損害賠償を求める裁判を起こした。
日本学術会議が注意を呼びかける談話を発表したのは、この危険な宗教が一般に広まる前に、医療現場から排除する必要があると判断したからだ。

「ホメオパシーは治療効果は明確に否定されているが、医療関係者の間で急速に広がり、養成学校まで出来ていることに強い戸惑いを感じる。今のうちに、医療現場から排除されないと、深刻な事態に陥ることが懸念される。科学的に全否定されているものを医療従事者が使えば、患者を通常の医療から遠ざけかねず危険だ。『ホメオパシーは効かない』というメッセージを伝えることが重要だ。医療関係者が治療に使うことは厳に慎むように求める」

なぜこんな新興宗教が流行るのかと言えば、根拠の無い盲目的な自然志向にあると言えよう。何でもかんでも人工のものは駄目で自然のものが良いと信じる風潮だ。「自然に近い安全で有効な治療」という誤解が広がっているのだ。西洋医学を否定し、漢方を全面的に信じるのも同じようなものだが、漢方にしても何にしても、自然のものは無害だなんて無邪気に信じるのはアホだ。アホです。そんなアホは自然の毒キノコやフグでも食べて死んだらいいと思うのだが、アホは自分が信じるだけでなく、むやみに周囲にも勧めて被害を拡大させる。そのため、食品添加物や農薬など化学物質を避けようという自然派志向の女性らの間で急速に広がっているらしいのだ。

一方、推進団体は、なぜこんな新興宗教を流行らそうとしているかと言えば、新興宗教の常であるが、金儲けのためだ。壺や掛け軸を法外な値段で売るのと同じだ。レメディーはかなり高価なものだし、ホメオパシー療法家の養成学校なんかは法外な授業料を取られる。雑誌なんかで効果をPRする著名なタレントや歌手、俳優もいるが、彼らは騙されたアホか、そうでなければ、金をもらっているからだ。
さらに、PRだけならいいけど(良くないか)、なんと治療に導入している大学病院もあるらしい。アホな医者なのか、それとも金をもらっているのか知らないが、かなり問題だ。

とにかく、こんな百害あって一利なしの悪徳新興宗教は、日本学術会議が言うとおり、日本では、まだそんなに広まっていない今のうちに、完膚無きまで根絶しなければならない。

(2010.8.25)



〜おしまい〜





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