中国人にもノーベル賞

〜 中国の民主化は進めるべきか? 〜



今年も日本人がノーベル賞を受賞したが、日本を侵略しようとして鵜の目鷹の目で狙っている中国は、恥ずかしながら、これまでノーベル賞受賞者はいなかった

(幹事長)「ほんまに恥ずかしい話よなあ」
(石材店)「戦争で国が滅茶苦茶になってましたからね」
(幹事長)「それを言えば日本だって滅茶苦茶になってたけど、湯川博士は紙と鉛筆だけでノーベル賞を取ったぞ」

まあ、中国は戦争前からヨーロッパ列強や日本の侵略を受けて学問どころではなかったのだろう。日本の植民地だった朝鮮や台湾には日本の帝国大学が設立され、優秀な学者を輩出し、台湾からはノーベル賞受賞者も出ているけど、中国ではそういう事もしなかったし。米国籍の中国系アメリカ人ではノーベル賞受賞者もいるから、中国人が生物学的にアホという訳では、もちろん、ない。残念ながら。

もちろん、中国人もノーベル賞が欲しくてたまらないのだが、受賞者が出ない理由として「欧米国家が中国を敵視しているので、あえて賞を与えない」とか「ノーベル賞には西側諸国の価値観にもとづく」なんていうひねくれた意見が多いようだ。言語の問題や情報交流の問題から、欧米諸国の学者が有利でアジア諸国が不利なのは間違いない。これは日本人のノーベル賞受賞者が欧米に比べて少なかった理由でもある。しかし、それは西側の価値観というのとは違うだろう。もちろん、欧米諸国が中国を敵視しているから、なんてのは的はずれもいいとこだ。

そして、アジアの中では日本にノーベル賞受賞者が多いことに対しては、「過去の侵略で得た財産を、科学技術や経済発展に投資したから」なんていう無茶苦茶な意見が多い。過去の侵略で得た財産なんて微々たるもんだぞ。「日本は米国の従順な弟分なので優遇されているから」とか「日本人は自分の業績を世界に向けて宣伝することが上手だから」なんて言う意見も的はずれで、それなら、もっともっと多くのノーベル賞受賞者が出ているはずだ。日本も宣伝が下手だから、日本の実力からすれば、どう考えても少なすぎるのが実態だもんな。

こういう屈折した中国人の中には、悔し紛れに、ノーベル賞の価値そのものを否定する意見も目立つ。本音では喉から手が出るほど欲しいんだけどね。

そういう中国人にとって、今年、なんと、初めてノーベル賞が贈られた。それが、なんとまあ皮肉にもノーベル平和賞だ。受賞者の劉暁波氏は、共産党の一党独裁体制の撤廃を求める活動家で、国家政権転覆煽動罪で懲役刑を言い渡されて服役中の人だ。ただでさえノーベル賞が欲しいのに貰えないから屈折している中国人に対し、よりによって投獄している活動家に平和賞が与えられるなんて、こんなに痛快な事は無い、って感じですよね。中国人にとっては「バカにするにもほどがあるよ〜」って感じだろう。

当然ながら、この大ニュースは、中国内では徹底的に隠され、多くの国民は知るすべもない。さらに中国政府は、ノーベル平和賞を送ったのがノルウェーのノーベル賞委員会なので、ノルウェーとの交流を取りやめるなど、ノルウェー政府に対して圧力をかけ始めた。こういうアホな行動を取るから、ますます中国は異端視されるのに、それが分かってないのか、それとも分かってはいるものの経済力に物を言わせて押さえつけようとしているのか、ガキ大将みたいな乱暴狼藉振りだ。尖閣諸島侵略問題での日本に対する対応と同じだ。もちろん、ノルウェーのノーベル賞委員会は毅然とした態度をとり続けており、中国の卑劣な圧力には屈していないが、ノルウェー国内では悪影響を懸念する声も出ている。ここはノルウェーを始め、ヨーロッパ諸国には筋を通してもらいたいところだ。

また、欧米諸国は、ノーベル平和賞の受賞者である劉暁波氏の釈放も求めている。彼に限らず、中国では投獄されている政治犯が多いが、欧米諸国は以前から彼らの釈放を求めていた。ただし、強大な経済力を持ち始めた中国との実利を優先するあまり、口では民主化を要望しながら、それは自国内の選挙民に向けたポーズだけであり、実際には中国との癒着を高めてきた

(石材店)「やはり中国の民主化は進めるべきですかね?」
(幹事長)「いや、それは難しい問題だよなあ」


もちろん、一般的には民主化は進めるべきだ。中国に限らず、北朝鮮もミャンマーも同様だ。しかし、日本や欧米諸国のように成熟した国民なら民主化しても大丈夫だろうけど、今、中国が民主化したら、一体どうなる?尖閣諸島問題に対する中国内のインターネット世論を見てると、あの国が民主化したら、愚かな13億人の人民が集団ヒステリー状態になり、何をしでかすか分からないぞ。それは脅威以外の何物でもないぞ。共産党が、一応は、それなりに国際情勢も考えた上で強権的にコントロールしているから爆発しないけど、民主化して集団発狂したら、周囲の国はことごとく侵略されてしまうぞ。

(石材店)「じゃ、今のような一党独裁体制の方がマシだ、と?」
(幹事長)「すごく長期的には民主化した方がいいとは思うけど、今は怖すぎ」


て事で、実は、僕は、今回のノーベル平和賞受賞者を直ちに釈放せよ、とは言わない。投獄されている中国人の活動家が日本に対してどういうスタンスなのか分からないからだ。真に世界平和を求めて、近隣諸国とも仲良くやっていこうという人なら大歓迎だが、彼らが要求しているのは中国内での民主化であって、周辺諸国に対してどういう態度を取るかは分からないからだ。

て言うか、そもそも僕はノーベル賞の中でも、平和賞って、存在自体がすごく疑問。自然科学系の賞のような業績がある訳でも無いし、受賞者の選択が余りにも政治的だ。ま、平和賞なんて政治的なものだから仕方ないんだろうけど。
僕がノーベル平和賞に対して最初に面食らったのは、我が日本の佐藤栄作の受賞だった。あのおっさんが、一体、どこでどういう風に平和に貢献したの?信じられない。これは僕だけじゃなくて日本国民の99.999%が同意見だっただろう。その後も、少数の例外を除いて、歴代のノーベル平和賞の受賞者はひどい顔ぶれだ。ゴルバチョフとか、アラファトとか、金大中とか、およそ平和とはほど遠い人たちが受賞してきた。あまりにも政治的な選考は、ノーベル賞の価値を貶める以外の何物でもない。 ノーベル平和賞の歴史は、疑問と欺瞞の歴史と言ってもいい。
最近で一番ひどかったのは、2007年に受賞したゴアだ。豪邸に住んで資源を大浪費しながら環境問題を語る詐欺師に対して、なんでノーベル平和賞なんだ?大統領選挙に落ちたから環境問題に活路を見いだして良い格好しようとしているだけだ。それに、あいつ原子燃料関係の会社を経営していたから、地球環境問題で化石燃料を攻撃して原子燃料を広めて会社を儲けさせようとしていただけだ。
そして、去年のオバマ大統領の受賞にもボーゼンとした。もちろん、偽善者のゴアと違ってオバマは素晴らしい大統領だと思う。少なくとも世界平和の実現に対して今後に大いに期待したい大統領だ。しかし、それは、あくまでも今後の可能性であって、実績はまだ何も無い。それなのに、なぜこのタイミングでオバマにノーベル平和賞なんだ?明からに政治的な意図が感じられる。オバマが推し進めようとしている政策を、ノーベル平和賞を受賞させる事によって、後押ししようという意図が見え見えである。
こんな欺瞞に満ちた平和賞をノーベル賞だなんて呼ぶのは、他の自然科学系のノーベル賞の価値を汚すものだ。

まあ、さらに言えば、文学賞も、何よ?文学にノーベル賞って、どういう意味があるのよ、と言いたい。文学のように、完全に読者個人個人の好みの問題の分野で冷静に客観的にノーベル賞なんて授与できるのだろうか。

(石材店)「最近は村上春樹の受賞を期待するファンも多いですよ」
(幹事長)「個人的には村上龍の方が、はるかに好きなんだけど」


経済学賞だって、ちょっと疑問だ。経済学は、サミュエルソンのようなシンプルな数式やグラフを使った理論は美しくて面白いけど、現実とはかなり乖離してる。ブラックショールズモデルのような理論は、ほとんど自然科学のようなもんだから鮮やかできれいだけど、それが通用するのはオプション取引などの限られた世界だけだ。現実の経済社会は、そんな理想的な動きはしない。なので、大半のノーベル経済学賞受賞者の受賞理由の業績は、なんだかぱっとしない。分かり切った事とか、的はずれな事とか、自然科学のような真理の探究とはほど遠いような気がするなあ。

(石材店)「自然科学を諦めて経済学に転向した幹事長なのに、経済学に否定的ですねえ」
(幹事長)「やっぱり、憧れは物理学だよなあ」


(2010.10.13)



〜おしまい〜





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