アメリカ高官のトンデモ発言

〜 政治家なら言ってはいけない 〜



アメリカ国務省のメア日本部長(前駐沖縄総領事)が「沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人」なーんてトンデモない発言したとて大問題になっている。

(石材店)「ほんとに呆れますね」
(幹事長)「思うのは勝手だが、政治家なら口に出して言っちゃあいかんわなあ」
(石材店)「え?思うのは、いいんですか?」
(幹事長)「え?みんな、思ってるんじゃないの?」


メア日本部長の発言は、昨年末にアメリカの大学生らを相手に講義を行った際に出たもので、学生がメモを残していたために明るみになったものだ。それによると、


私は2009年まで駐沖縄総領事だった。在日米軍基地の半分が沖縄にあるといわれているが、この統計は米軍専用基地だけ勘定している。もし、米軍基地と米軍と自衛隊が共用している基地のすべてを考慮に入れれば、沖縄の基地の割合はもっと小さくなる。沖縄で問題になっている基地はもともと水田地帯にあったが、沖縄が米施設を囲むように都市化と人口増を許したために今は市街地の中にある。

沖縄の米軍基地は地域の安全保障のために存在する。基地のために土地を提供するのが日米安保条約に基づく日本の責務だ。日米安全保障条約に基づく日米関係は非対称で、日本は米国の犠牲によって利益を得る。米国が攻撃されても日本は米国を守る責務はないが、米国は日本を守らなければならず、日本の人々と財産を保護する。

1万8千人の米海兵隊と航空部隊が沖縄に駐留している。米国が沖縄に基地を必要とする理由は二つある。既にそこに基地があることと、沖縄は地理的に重要な位置にあることだ。在日米軍の本部は東京にあり、そこは危機において、補給と部隊を調整する兵たん上の中心に位置する。冷戦時に重要な基地だった三沢はロシアに最も近い米軍基地であり、岩国基地は朝鮮半島からわずか30分だ。さらに、沖縄の地理的位置は地域の安全保障にとって重要だ。

沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄とのコミュニケーションのパイプを持っていない。私が沖縄の人と接触しようと提案すると、民主党の関係者は「はい!はい、お願いします」という。自民党の方が現在の民主党政権よりも、沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解している。

2009年の選挙が民主党に政権をもたらした。これは日本では初の政権交代だ。鳩山首相は左派の政治家だ。民主党政権下で、しかも鳩山首相だったにもかかわらず、米国と日本は2+2(外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会)の声明を(昨年)5月に発表することができた。

米国は普天間飛行場から海兵隊8千人をグアムに移し、米軍の存在感を減らすが、軍事的プレゼンスは維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。

米軍再編のロードマップのもとで日本は移転費を払う。これは日本による実体的な努力のしるしだ。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。日本の民主党は日本本土への施設移設も言ってきているが、日本本土には米軍のための場所はない。

日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。
しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。

沖縄の主産業は観光だ。農業もあるが、主産業は観光だ。沖縄ではゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。

沖縄は離婚率、出生率、特に婚外子の出生率、飲酒運転率が最も高い。飲酒運転はアルコール度の高い酒を飲む文化に由来する。

日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。

沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ。

日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。

私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている。憲法9条が変わるとは思えない。日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。もし日本の憲法が変わると、米国は国益を増進するために日本の土地を使うことができなくなってしまう。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常に得な取り引きをしている。


どうだろう?アメリカの高官の見解としては、特に驚くような内容ではない。ごく平均的なところだろう。て言うか、日本の政治家だって、考えてる事はほとんど同じじゃないか?違うのは、それを口に出して大っぴらに言うかどうかの違いだ。

メア日本部長が自分で言ってるように、まさに日本では本音と建前について気を付けなければならないのだ。言葉と本当の考えが違うということだ。よく分かってるじゃないの。それなのに、ちょっと油断してしまったわけだ。みんな思っている事であっても、口に出して言っちゃあ、おしまいなのよ
て言うか、アメリカ国内で、大学生を相手にした内輪の講義の中で発言したものであり、油断したわけだろうが、そもそも公衆の面前で発言した訳ではない。こういう発言を、ことさら大きく騒ぎ立てたって、何も生産的な事はないんじゃないか?

これまで、日本の政治家でも、不用意な失言で失職した人はワンサカいる。たいていは自分の後援会の会合での発言などで、内輪の会合で気が緩んでいたというか、本音で話してしまったものだ。て言うか、そういう内輪の話を公にして責任追及したって仕方ないだろう、と思うのだが。

それに比べて、東北地方を襲った超巨大地震に対して石原東京都知事が発した天罰発言の方が大問題だ。石原知事は、「この津波をうまく利用して、日本人の我欲を1回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のアカをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ」とか「日本に対する天罰だ。大きな反省の一つのよすがになるんじゃないですか。それしなかったら犠牲者たちは浮かばれない」なんて発言している。

(石材店)「幹事長は石原知事は好きでしたっけ?タカ派だし」
(幹事長)「タカ派なら誰でも好きって訳じゃないぞ。僕は石原知事は大嫌いだ!」


石原知事は大嫌いだけど、彼の発言は共感できるものが非常に多い。

(石材店)「つまり考えてる事は同じってこと?」
(幹事長)「だからこそ嫌いなのかも。僕みたいな奴がいたら、僕は嫌だもんな」


石原知事の発言は大いに共感できるものが多いけど、今回の発言は、ちょっと問題だ。彼が言いたいことは分かる。今の日本人の倫理観の欠如、だらしなさ、情けなさ、ふがいなさ、やる気のなさ、自信のなさ、等など、活を入れたい気持ちは分かる。そして、今回の悲惨な大地震をショック療法として活かして復活しよう、という気持ちだろう。それは分かる。

でも、それは、相手が違う。はっきり言って、今、倫理観が欠如して、だらしなくて、情けなくて、ふがいなくて、やる気がなくて、自信がないのは、大半が都市部の人間だ。まさに東京都民なんかが中心だ。東京が輪番停電になると「子供をお風呂に入れてやれなくなるから困るわ〜」なんてテレビカメラの前でほざいているバカ母親がいたけど、首を締めて津波に放り込んでやりたいわ。だから石原知事は頭にきてるんだと思う。
ところが、今回の大地震で亡くなったのは、東北の漁村の人々だ。相手が違うじゃないか。彼らには何の罪も無かったぞ経済的に疲弊が進む地方において、必死に生きていた人々が犠牲になったんだぞ。東京で安穏と暮らしている人たちじゃないんだぞ。そこをごっちゃにして発言したのが失敗だった。て言うか、石原知事にとっては、今回の大地震は、亡くなった何千何万の地方の人々の出来事じゃなくて、東京への経済的な影響しか頭に無いんだろうなあ。東京都知事だし。根っからの都会っ子だし。

さすがに、石原知事も、この発言はまずかったと思ったのか、非常に珍しく、「撤回し、深くおわびします」と陳謝している。普段なら、どんなに非難されても撤回しないんだけど、さすがに今回は、そらそうだわな。

一方、沖縄に対する差別発言が問題となってアメリカ国務省日本部長を更迭されたメア氏は、なんと今度は打って変わって、東北大地震の支援活動などを行う特別作業班の調整役として活躍しているらしい。アメリカ国務省は、24時間態勢で大地震の被災情報を収集し、関係省庁の支援活動を調整するために特別作業班を編成したんだけど、メア氏は日本での勤務経験が長く、日本語が得意で、在日米軍や日本の原発事情にも詳しいことから、地震発生直後から特別班で調整作業に当たっているとのことだ。ここで活躍すれば汚名挽回だ!頑張れ!

(2011.3.14)



〜おしまい〜





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