東北大地震

〜 とりあえず冷静になろう 〜



あり得ないほどの超巨大地震東北地方を襲った。自身の瞬間、僕は青森の会社の事務所にいたんだけど、あんなに揺れたのは初めての経験だ。阪神大震災の時、高松で震度4を経験したけど、それより激しかった。正直言って、会社の建物が壊れるのかと思った。よく、まあ、事務所も工場もビクともしないで持ちこたえたものだ。

建物は壊れなかったけど、その直後に停電になったのが痛かった。暗くなると仕事にならないから、単身赴任者の寮に帰ったけど、照明が切れて真っ暗。懐中電灯だけが頼りだ。それに寒い。四国ならいいけど、東北はまだ外は雪だ。暖房が無いと無茶苦茶寒くなる。そして寮みたいな建物だと停電になると水も止まる。そして食事も無くなる。それから電話も通じなくなる。つまり、電気が止まると、全てが止まるのだ。

取りあえず、その夜は、もう手の施しようが無いので、みんな空きっ腹を抱えて布団に潜り込んで寝た。翌朝、みんなでサバイバル作戦を立てる。いつ水が復旧するか分からないので、取りあえず貯水タンクに溜まっている水をチビチビ使いながら、地元のおばちゃんに湧き水が出る場所を教えてもらい、いざという時はポリバケツで水を汲んでくることにする。食料としては、米が数十キロあったので、一人一日おにぎり1個で生き延びるのを原則とする。ただ、米を炊くガスや油はないので、バーベキュー用の炭を使って米を炊くことにして、初日の分を炊いた。近くで開いているコンビニがあるという情報が入ったので、飛んでいくと、厳しい入場制限がされていて、雪の降る屋外で長時間待ったあげく、ほとんど空っぽの店内で菓子類を手当たり次第購入。水や弁当なんかは、とうの昔に売り切れだった。
50kmくらい離れた八戸市は壊滅的な被害を受けたという噂が飛び交っており、100kmほど離れた青森市まで行けば何かあるかもしれないけど、ガソリンだって、どうせ売ってないだろうから、無計画に走り回ってガソリンが無くなったらおしまいだから、遠出は控えることにする。

そんなこんなで悲壮な気持ちになっていたけど、東北電力の必死の頑張りのおかげで、停電は予想外に早く復旧して、生活自体はなんとか正常に戻った。ヘタしたら何週間も停電が続くかと思ったけど、素晴らしい手際だ。ただ、会社の方は大口電力なので、まだ停電したままだ。電気は民生用が優先だから、これは仕方ない。とは言え、会社に出てもロクに仕事にならないので、若い人達は自宅待機にしている。僕等は寮にいても仕方ないし、出社しているけど、暖房が無くて寒い。

(石材店)「大変ですねえ」
(幹事長)「なんで水不足以外の天災に無縁の四国の人間が、こんな時に東北にいるんだろう、って不思議な運命すら感じたぞ」


とは言え、直撃された宮城や岩手の方々に比べれば、こんな個人的な苦労話は取るに足りない。それにしても、マグニチュード9.0、震度7という超巨大地震の割には、揺れによって倒壊した建物が少ない。青森に限らず、もっと震源地に近い宮城や岩手だって、地震の揺れ自体で倒壊した建物は設備は、意外に少ない。て言うか、ほとんど無いに等しい。これは、すごい事だと思う。なんやかんや言っても、日本の建物の耐震性は素晴らしいレベルに達していると思う。

それなのに、ああ、それなのに、津波であんなに被害を被るなんて、あまりにも悲惨だ。津波の恐ろしさはスマトラ島沖地震の時の映像を見て知ってるつもりだったけど、外国のことなので、どうしても他人事のイメージだった。それが、日本で、しかも地震対策が万全な現代日本で、あんなひどい状況になるなんて、想像をはるかに超えている。どの映像を見ても、もう信じられない津波の破壊力だ。
だが、しかし、津波の威力はどうしようもないかもしれないけど、逃げられなかったのか、という悔いが残ってしまう。震源地に近い場所では、地震発生から津波が押し寄せるまで時間が短かったのは事実だろうけど、それでも少しは時間があったはずだ。あれだけの強い揺れがあったんだから、震源地がどこなのかはっきりしなくても、とりあえず海から離れて、高台に避難していれば、大半の人の命は助かったはずだ。実際に、同じ集落の人でも、近くの高台に避難した人は助かり、逃げなかった人が亡くなっている。
三陸沖は昔から大地震が頻発している地域であり、過去にも大津波が何度も押し寄せている。その記録も残っているし、教訓も残っている。それなのに、何十年も経つと危機意識が薄れてしまい、とっさに逃げる反応が遅くなってしまったのだろう。本当に残念だ。
あれだけ強い揺れに持ちこたえておきながら、逃げ遅れたという理由で何千何万もの方々が命を落としたのが、残念で悔しい限りだ。
これは、今後の課題として大いに反省せねばならない教訓だ。

それに引き換え、原子力発電所は、よく持ちこたえている。あれだけの超巨大地震に襲われて、何千何万という人が亡くなっているというのに、原子力発電所では、直接的な被害は生じていないほんのごく微量の放射性物質が漏れだだけでマスコミは大喜びして大騒ぎだが、国民はマスコミなんか相手にせず、冷静になって欲しい。ほんのごく微量の放射性物質が漏れたと言ったって、ラジウム温泉に入って浴びる放射線量に比べれば取るに足りないレベルだ。今のところ、誰も亡くなっていないどころか、怪我してるのだって作業員であり、一般の人に危害は及んでいない。あれだけの超巨大地震があったのに、このような状況に抑えられているって事は素晴らしいことだ。普通ならあり得ないことじゃないか?日本の原子力技術の高さが照明された訳だ。これは世界に向かって自信を持って誇れる技術だ。
それなのに、売国奴集団のマスコミどもは、何千何万という方々が亡くなっている事を放っておいて、原子力発電所の事ばかり書き立てて、いたずらに国民を不安に陥れている。マスコミって、ほんとに中国の手先なのかも。

(石材店)「原子力の安全神話が崩れたって書いてますねえ」
(幹事長)「今でも絶対安全だぞ!」


津波で何千何万もの方々が亡くなった責任の方が、よっぽど重い。絶対に反省すべき人がいるはずだ。なんでマスコミは追求しないんだ!?絶対におかしい。素早く逃げていれば死なずに済んだ方々が何千何万人もいるんだぞ。絶対に責任を追及すべきだ。「予想外の大地震だったから」なんて言い訳するんなら、原子力発電所のちょっとしたトラブルを大げさに喚き立てるのも止めて欲しい。原子力発電所なんて、予想外の大地震だったにもかかわらず十分に持ち堪えているではないか!

それから、東京じゃあ輪番停電への苦情も多い。直前にならないと、実際に停電になるのかどうか分からないからだ。でも、その苦情はおかしい。それじゃあ、電気が足りそうだったとしても、計画通り杓子定規に停電させろ、と言うのだろうか。東電は、電気が足りなさそうだったら、この順番で停電させていきます、と言ってるのであり、電気が足りて停電しなくて済むのだったら、それにこしたことはないだろう。それなのに、「停電すると言っておいて停電しなかったのはけしからん」なんて文句を言うのは、理解できない!

て言うか、輪番停電くらいで文句言うな!
宮城や岩手じゃ、ずうっと停電が続き、水も食料も暖房も何もかも無い状況が延々と続いている被災地が多い。それに比べたら、日中の数時間の計画的な停電なんか、屁でもないだろ!我慢しろ!

(2011.3.16)



〜おしまい〜





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