大阪府の君が代強制条例

〜 教員の服務管理正常化 〜



大阪府橋下知事が代表を務める地域政党大阪維新の会、公立学校の教職員に入学式や卒業式といった学校行事で君が代を起立して斉唱することや、府立施設で日の丸を掲揚することを義務付ける条例案をまとめ、府議会に提出した。維新の会は府議会で過半数を占めるため、可決される見通しだ。この条例自体には罰則はないが、複数回違反した教職員を懲戒免職にすることなどをルール化した条例の成立も今後、目指すということだ。日の丸・君が代の強制については、東京都の石原知事なんかも強力に進めてきたが、今回の大阪の動きは、さらに強烈なものだ。

(石材店)「利己的で愛国心に乏しい幹事長のご感想は?」
(幹事長)「何を言うか。わしはサッカーの試合になると愛国心の固まりになるんだぞ!」


まあ、個人的には日の丸や君が代に特別の思い入れも無いから、どうでもいいんだけど、学校行事で教師が率先して日の丸・君が代を無視するというのも規律上よろしくないので、取り締まる必要はあると思う。ただ、条例まで作って命令するほどの大袈裟な事なのかなあ、という素朴な疑問は残る。今どき軍国主義でもあるまいし。おそらく全国でも初めての条例だろう。て言うか、そんなん条例にするまでもなく、校長が命令すればいいじゃん、って思う。

ところが、実際は、校長が命令しても、言うことをきかない教員が多いらしい。橋下知事の狙いは、決して軍国主義的な意味合いでの日の丸・君が代強制ではなくて、教員の服務規律の厳格化が目的らしい。今でこそ日本国内の大半の学校で卒業式に君が代が歌われているが、東京や大阪では、ほんの10数年前まで大半の高校で君が代斉唱が無かったらしい。田舎の学校で育った僕なんか、想像もできない状況だ。都会は、そんなにひどかったのか。今では大半の学校で歌われているとは言え、たぶん教員の中では、まだまだ反君が代的な雰囲気というか風潮なんだろうなあ。何も、日の丸を掲揚して君が代を歌ったからといって軍国主義的な思想が形成される訳でもなんでもなく、単なる形式的な儀式に過ぎないんだけどなあ。

て言うか、そもそも今回の条例は、日の丸・君が代だけに的を絞ったものではなく、教員の服務規律全般の問題らしい。教員って、普通の会社員や公務員とかと違って、結構、個人勝手な事が許されるようだ。組織として体をなしていないというか、指揮命令系統が弱いというか、自営業者の集団というか。上からの押し付けじゃなくて、教員の個人的な良心に従って教育するんだ、みたいな。普通の会社で、式典とかで起立しない社員がいれば、即、左遷か降格かクビだろう。学校では、校長の権限というか力が弱いようだ。

例えば軍国主義教育のように、もし政府が国民を間違った方向に強引に導こうとして偏向教育を施そうと画策しているのなら、確かに教員は良心に従って反対すべきかもしれない。だが、その政府が国民によって民主的に選ばれた政府なら、その方針に対しては、いくら教員は気に食わなくても、従うべきではないか。これは軍隊も同じだ。いくら今の民主党のようなアホな無茶苦茶な政府であっても、だからと言って自衛隊が政府を無視して行動することは文民統制上許されない。
ましてや、今の民主党政権は、アホの集団ではあるが、だからと言って教員が良心に従って反対しなければならないようなおかしな事をしようとしている状況でもないので、教員は独自の判断で勝手なことをすべきではない。単なる儀式なのに、自分勝手に大袈裟に捉えて、自分勝手な行動を取る事が許される教育現場をそのまま放任していると、子供の教育上、絶対に良くない。
て事で、教員の服務規律を厳格化、というか、正常化するのが目的であれば、今回の大阪府の条例は正しい道と言えよう。

(2011.5.26)



〜おしまい〜





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