中国の幼稚園送迎車事故

〜 あり得ない世界 〜



またまた中国でトンデモナイ事故が起きた。なんと、9人乗りの車幼児ら64人を押し込んで走っていた幼稚園の送迎車が事故を起こして、20人が死亡したというのだ。

(幹事長)「さすがは中国。やることが想像を絶するよなあ」
(中山)「8人乗りの幹事長の車に10人乗って小豆島オリーブマラソンに行ったことありましたよねえ。あれ違反ですよ」
(幹事長)「僕の車、広いから、まだまだ乗れるぞ」


まあ、定員8人に10人なら、たった1.25倍だ。9人乗りに64人なんて7倍だ。車内は改造されて座席は取り除かれ、幼児たちはこの中にすし詰め状態で乗せられていた。よく海外で、1台の車に何人乗れるかの競争とかやってるけど、こらどう考えてもダントツで世界一じゃないか。

ただ、これが大人の中国人なら、どうせ中国人なんて13億人もいて、しかも悪い奴ばっかりだから、どうでもいいんだけど、幼稚園の子供達となると、さすがに怒りと悲しみがこみ上げてくる。本当に可哀想な痛ましい事故だ。

今回の惨劇の原因は、もちろんサーカス並みに詰め込んだ定員オーバーだけど、車の運転も乱暴だったらしく、制限速度が時速60kmの道路を時速80kmでガンガン走っていて、しかも事故当時は霧で視界が悪かったため対向車線を走ってしまい、石炭を運ぶトラックと正面衝突したらしい。つまり、運転手の乱暴な運転も大きな原因だ。あるいは、現場周辺は近年、石炭鉱山の開発が進んで重い運搬車の走行により路面劣化が問題になっていたらしいから、悪い路面を避けるために、わざと反対車線を走っていたのかも知れない。運転手も死んでしまったから、真相は分からないが。

子供の親は、子供達がすし詰めで乗せられていることは知っていたが、日本と違って「じゃあ自分で送っていくわ」なんて気軽にできる社会ではないから、幼稚園に通わせるには乗せるしか仕方なかった。事故が起きた地方では、90%以上の幼児が幼稚園に通っておらず、むしろ経済的に恵まれた家庭の幼児が犠牲になったわけで、そう聞くと、同情の念も少し薄らぐ気もしないでもないが、実は、比較的裕福とは言っても、両親が出稼ぎなどで家を空けている家の留守児童が多く、それだからこそ子供に少しでも良い教育を受けさそうと幼稚園に通わせたりしていたものであり、やはり可哀想な子供達だ。

実は中国では、同様な送迎車の事故が頻発している
 ・2006年11月 26人乗りの車に小学生約50人を乗せて横転し、8人が死亡。
 ・2009年10月 11人乗りの車に幼稚園児30人余りを乗せて池に落下し、4人が死亡。
 ・2011年7月 7席の椅子に17人が乗った車が事故を起こし、幼稚園児4人が負傷。
 ・2011年9月 子供20人以上が乗った車が横転し、約20人が負傷。

つまり、中国では普通の事のようなのだ。中国では、なんと農業用の三輪車なんかも送迎車に使われているらしいのだ。
これらの事故を受けて送迎車の安全基準が制定され、乗車定員を上回らないよう呼びかけられていたらしいが、そもそも、中国でそななお達しを聞くわけないわな。どうしようもないんだもんな。今回の事故発生を受けて、地元政府は幹部4人を停職処分とし、教育省は安全確保を徹底させる通知を出したらしいが、いくらお達しを出しても、大きい送迎車を買って運転手を雇う金が無ければ、どうしようもない。幼稚園の保育料を上げれば困るのは庶民だし。

中国国内でも「宇宙船を飛ばす研究をするなら、時間と資金を送迎車の安全対策に回したらどうか」とか「共産党幹部の公用車を廃止し、送迎車を配ろう」なんて批判も出ているらしいが、それよりも周辺各国にどんどん侵略を続ける軍備を削減すれば、幼稚園の送迎車くらい、いくらでも整備できるだろう。そうなりゃ一石二鳥だ。

(幹事長)「中国は侵略をやめろ!」
(中山)「いつの間にか論点が・・・」


(2011.11.20)



〜おしまい〜





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