ヒッグス粒子発見!

〜 宇宙の真理に一歩近づいた 〜



遂にヒッグス粒子が発見された!
まだ確実とは言えないけど、かなりの確かさで発見されたと言える状況だ。

(幹事長)「めっちゃすごい話だよなあ。感激して涙が出てきちゃう!」
(石材店)「少なくとも国民の99%は興味ない、て言うか、何のこっちゃら分からんと思いますが」


99%が無関心でも、もし残り1%もの人が理解してるんなら、それだけですごいぞ。国民の1%と言えば100万人以上だ。香川県の人口が理解しているってことだ。

(石材店)「じゃ99.99%にしときますわ」
(幹事長)「全国で1万人か。そんなとこかもしれんな」


興味ない人には、全く興味のわかない話題だろうとは思う。あまりに画期的な発見なので、テレビや新聞も一応は大きく報道しているけど、テレビのアナウンサーなんか、全く理解していないってのがありありと分かる。驚いたフリをして報道してるけど、全く理解していないから、全く興味も抱いてないのがありありと分かる。

でも、これは本当に画期的な発見なのだ。ヒッグス粒子は、宇宙の成り立ちを説明する理論の中で、ヒッグス氏が1964年に存在を予言した素粒子なんだけど、科学技術が高度に発達するまで発見できなかったのだ。50年もの間、大半の物理学者が存在を確信してきたとは言え、実際に発見されないと、やっぱり落ち着かないわな。

ヒッグス粒子とはなにか、と言うと、この宇宙は真空であってもヒッグス場で満たされていて、そのために質量というものが生まれ、その作用を媒介するのがヒッグス粒子だ。つまり、物質の質量を生み出しているものと言える。

もうちょっと詳しく言えば、宇宙が誕生したビックバン直後の超高温状態においては、全ての物質(素粒子)は質量がゼロだった。空間を移動するのに何の抵抗も無かったということだ。なので、全ての素粒子は光と同じ速度で飛び回ることができた。しかし、宇宙が膨張を始めて少し冷えた時、空間に相転移が起きてヒッグス場が空間を満たすようになった。その結果、通常の素粒子はヒッグス場と相互作用して動きにくくなり、それが質量という性質を持つことになったのだ。そのため、もう光と同じ速度では動けなくなったのだ。ちなみに光の素粒子である光子は、ヒッグス場と相互作用がなくて質量がゼロだから、今でも光速で動ける。
これが物質の質量を説明する理論だが、このヒッグス場の存在を証明するためにはヒッグス粒子の発見が不可欠だったのだ。なので、ヒッグス粒子が発見されたとなると、ヒッグス場による質量の理論が正しかった事が証明されるのだ。

ただし、テレビや新聞なんか見てると、記者ってバカだから根本的に理解していないのか、あるいは分かってはいるけど一般の人には分かりにくいから、わざと誤魔化しているのか不明だが、明らかな誤りがある。
まず、あたかもこの宇宙にはヒッグス粒子がギュウギュウに詰まっていて、そこを通る素粒子が邪魔されて動きにくくなるから質量が生まれる、という説明だ。これは、いくらなんでもおかしい。宇宙に隙間無くヒッグス粒子がギュウギュウに詰まっているんなら、もっと簡単に発見できる。宇宙空間を満たしているのはヒッグス粒子じゃなくて、ヒッグス場だ。そのヒッグス場と素粒子の作用を媒介するのがヒッグス粒子だ。なかなか捕まえられないものなのだ。

それから、ヒッグス場の中を動くときに素粒子は邪魔されて動きにくくなる、つまりヒッグス粒子は真空中における糊のようなものだ、というのも誤解のもとだ。正しくは加速度運動をするときに邪魔されて動きにくくなるのだ。加速度運動ではない運動の場合、つまり慣性の法則に従って等速直線運動をしている物体はヒッグス場との作用は無い。そうでなければ、星の重力の影響を受けない宇宙空間を漂っている物体は、ヒッグス場に邪魔されて、そのうち止まってしまうことになるが、そんなことはなくて、力を加えない限り永遠に動き続ける。ヒッグス場の影響が現れるのは加速度運動をするとき、すなわち物体に力を及ぼして動かそうとする時だ。

(石材店)「どっちにしても、ほとんどの人は興味ないし、分かってないから、どうでもええんですよ」
(幹事長)「そうかもしれんけど、マスコミはすぐ嘘をつくから許せないんよなあ」


さて、このヒッグス粒子を発見したらしいのは、スイスにあるCERN(欧州合同原子核研究機関)のLHC(大型ハドロン衝突型加速器)を使った国際的な研究グループだ。日本の研究者も加わっている。ほぼ光速まで加速した陽子同士を正面衝突させ、生じた素粒子を分析したところ、どうやらヒッグス粒子らしいと分かったのだ。今のところ、その確かさは98.9%ということで、もう確信してもいいようなものだけど、素粒子物理学での発見は99・9999%以上の正確さが必要だ。幻の動物を捕まえた、みたいな分かりやすい話じゃなくて、陽子同士を正面衝突させても1兆回に1回くらいしかヒッグス粒子は生まれないし、しかも生まれてもすぐに消滅して捕まえるわけにはいかないから、その時に出る光なんかの痕跡を分析してデータを解析しての推測だから、それくらいの確度が求められるのだ。てことで、今後も追試が行われる予定だが、たぶん間違いはないだろう。

そもそも、このCERNのLHCはヒッグス粒子を見つけるために作ったようなものだから、発見は時間の問題とは言われていた。て言うか、もし発見されなかったら、大変なことだった。なんちゅうでも建設費が5000億円もかかっているのだ。そのため、どこか1国で建設することは難しくなり、日本も含む各国が金と人を出し合って研究しているのだ。

それにしても、最近のCERNの成果は素晴らしい。つい先日も、ニュートリノが光よりも速く飛んだ、なんていうトンデモない実験結果を発表している。これには、あちこちから批判や疑問が噴出しており、僕も個人的には眉唾だと思っている。だとしても、話題性は十分だ。高い金出して作っただけの成果は上げていると言えよう。

(2011.12.14)



〜おしまい〜





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