なでしこ銀メダル

〜 素晴らしい活躍 〜



佳境に入ったロンドンオリンピックサッカー女子の決勝が行われた。去年のワールドカップと同じ日本対アメリカの戦いとなったが、なでしこジャパンは惜しくもアメリカに敗れ銀メダルにとどまった。しかし、本当によくやった。素晴らしい!

(石材店)「柔道に対する厳しい姿勢と正反対ですね」
(幹事長)「そらそうや。サッカー女子の銀メダルは柔道の金メダル14個に匹敵するぞ」


柔道は日本固有のスポーツだ。金メダル14個を独占したって不思議じゃない。しかしサッカーは違う。柔道みたいに体重別でないから、体格で大きなハンディがある中で、ブラジルやフランスを破っての決勝進出で、アメリカにだって互角の戦いだった。

去年のワールドカップでアメリカに勝ったから、日本の実力は世界一だって思ってる人もいるが、冷静に見れば、それは間違いだ。どう見ても、明らかにアメリカの方が実力は上だ。個々人の力から言えば、アメリカだけでなく、ブラジルやフランスだって日本より上だ。その個々の力の劣勢を組織で補ってなんとか勝ち進んだのが日本だ。本当に素晴らしい戦いぶりだった。涙が出ちゃう。

ブラジル戦やフランス戦は、日本の得点シーン以外は、大半は劣勢な試合運びだった。
ブラジル戦では、シュートの数は21本対10本、枠内シュートも7本対4本で負けていたし、ボール支配率では64%対36%と圧倒的な劣勢だった。それでも得点は2対0で日本が勝った。決定力の差というより守備の差だったような印象だ。
フランス戦では、この傾向はさらに顕著で、シュートの数はなんと27本対4本、枠内シュートも11本対3本だ。ボール支配率は54%対46%だから互角とも言えるが、終始シュートを打たれ続けていたから、圧倒的な劣勢の印象だ。しかし、フランスは枠内シュート11本中1本しか入らなかったのに対し、日本は僅か3本中2本が入った。やはり守備力の差か。ただ、日本が2対0にリードしてからのフランスの反撃は凄まじく、1点取り返された後も、いつ2点目を取られてもおかしくなかった。そんな状況でPKが与えられたから、こら、絶体絶命って感じだった。あの勢いからすれば、フランスが逆転するのは時間の問題と思われた。それが、あなた、フランスがPKを失敗してしまったから、なんとか日本は逃げ切ることができた。
てことで、結果的に日本は決勝に進んだけど、ブラジルやフランスにだって負けてもおかしくなった。アメリカも含め、このあたりのチームは力は互角とも言える。それでも、アメリカもフランス相手に0対2から逆転勝ちしたし、最後の最後で日本とアメリカは少し上なのかも知れない。

それにしてもフランスはシュートを打ちまくるけど、勝てないチームだ。日本戦だけでなく、3位決定戦のカナダ戦でも、シュートの数は25本対4本で圧倒しているのに1対0で負けている。不運なのか甘いのか。カナダは、そんなに強い印象でもなかったのに。

で、アメリカ戦だが、試合全体の印象では、ブラジル戦やフランス戦のように押されていた感じでもなく、公平に見て、互角だったように思える。去年のワールドカップでは終始押されていた中でのPK戦での勝利だったけど、今回は力は互角で、たまたまアメリカが勝ったというだけ、みたいな印象だ。10回やれば5回は勝って5回は負けるみたいな。
アメリカの得点は、いかにも鮮やかだったけど、日本も同じような鮮やかな決定シーンがいくつかあった。それが、たまたま全部外れてしまっただけだ。惜しいシュートがバーに当たるシーンがいくつかあったけど、運が悪かったとしか言いようがない。ま、去年は日本が勝って、今年はアメリカが勝った、ということだ。いつもいつも勝つのは無理だわな。終盤の岩渕のシュートは本当に惜しかったけど、まだまだ出場機会が少なかった中で、仕方ないわな。今後に期待だ。
それから、宮間のFKがペナルティーエリア内にいたアメリカ選手の手に当たったのにハンドにならなかった誤審も悔やまれる。あれがPKになっていれば、結果は違ったかもしれない。まあしかし、こういう事は後から行っても仕方ないわな。

大会前から、監督も選手も、本音で言えば、優勝できる可能性はそんなに高くないと認識していたと思う。だって彼らが一番実力を分かっているからだ。欧米強豪チーム相手に、うまくいけば勝てるかも知れないが、いつ負けても不思議ではない。正直なところ、銅メダルでもいいから何としてもメダルが欲しいってのが本音だっただろう。しかし、いざ決勝まで進み、去年と同じアメリカ戦が決勝となれば、やっぱり最終的には勝ちたかっただろうなあ。
でも、試合直後の涙から、表彰式では打って変わって明るい笑顔になったのも、本当に良かった。すごく楽しそうだった。あまりの楽しそうな雰囲気にアメリカチームやカナダチームが気圧されていた。

さて、これで沢も引退するというし、佐々木監督も勇退すると言う。寂しい限りだけど、これも、また、時代の流れで仕方ないか。

(石材店)「男子はメダルが取れませんでしたねえ」
(幹事長)「よりによって韓国に負けるなんて、ひどい結末やなあ」


男子は、大会前の期待値は低く、決勝トーナメントに行けるかどうかも不安だったくらいだけど、スペインに勝ったため、評価が大きく変わった。メダルも取れるんじゃないかって。でも、結果的に見れば、あれは単にスペインが弱かっただけみたいだ。それでも永井のスピードは大きな楽しみとなり、見ていて面白かった。エジプトに勝ったのも永井のスピードのおかげだ。ところが、そのエジプト戦で得点した直後にエジプト選手にぶつかられて永井が負傷してからは、チーム全体の勢いも落ちてしまった。まあ、メキシコに負けたのは仕方ないにしても、よりによって3位決定戦で韓国に負けるなんて情けない。明らかに韓国選手と気合が違っていた。韓国選手のラフプレーには腹が立つけど、日本もやり返さないといけない。せっかく決勝トーナメントに進んだというのに、最後に韓国に負けてメダルを逃すなんて、悲しい結末だなあ

(2012.8.10)



〜おしまい〜





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