アスペルガー症候群殺人事件

〜 障害者も平等に罪を償うべき 〜



昨年、大阪市で姉を刺殺したとして、殺人罪に問われていたアスペルガー症候群の男に対し、大阪地裁は求刑(懲役16年)を超える懲役20年の実刑判決を下した。求刑を超える判決ってのは珍しいが、その理由として裁判所は「許される限り長期間、刑務所に収容することが社会秩序の維持に資する」と言い切ったのだ。

(石材店)「障害者の犯罪に対して厳しい幹事長としては喜ばしい判決?」
(幹事長)「少し誤解があるな」


私が障害者の犯罪に対して厳しいのは、何でもかんでも障害者だという理由で無罪や執行猶予を求める風潮というか弁護士に対してだ。障害者であろうが無かろうが、犯罪を犯した者は厳正に処罰せねば秩序が保たれない。金儲け第一の悪徳弁護士どもは、すぐに「障害者は冷静な判断ができず責任能力が無いから罰するべきではない」なんて言う。でも、誰もが思うのは、冷静な判断ができず犯罪を犯すような危険な人間なら野放しにしてはいけないだろう、という事だ。

今回の判決は、まさにそのような判断だ。裁判官は犯行の背景に広汎性発達障害の一種であるアスペルガー症候群の影響があったと認定したうえで、「計画的で執拗かつ残酷な犯行であり、アスペルガー症候群の影響を量刑上大きく考慮すべきではない」とした。そして「家族が同居を望んでいないため障害に対応できる受け皿が社会になく、十分な反省がないまま社会に復帰すれば同様の犯行に及ぶ恐れが強く心配される。許される限り長期間、刑務所に収容することが社会秩序の維持に資する」と述べて殺人罪の有期刑の上限である懲役20年を言い渡したのだ。

(石材店)「じゃ、やっぱり幹事長の思った通りじゃないですか?」
(幹事長)「いや、だから、ちょっと違うのよ」


私が反発していたのは、悪徳弁護士どもに対してだ。悪徳弁護士どもが、すぐ「悪いのは障害であって障害者ではない」みたいな事を言って、障害者本人には責任が無いかのように言う事が許せないだけだ。だから、「犯罪の原因が障害だと言うのなら、野放しにするのは危険だから収容しないといけないじゃないか」と反発するのだ。
しかし、本音はそうではない。障害者であろうがなかろうが、同じように罰せられるべきだと考える。犯罪者に精神鑑定するなんて全くナンセンスだ。
てことで、障害者であっても普通の人と同じような刑期に服すべきだと思うので、今回のような大胆な判決が出ると、ちょっと戸惑ってしまう。今回の裁判所の判断は、殺人罪の有期刑の上限が懲役20年だから、仕方なく懲役20年にしたわけであり、できるなら一生刑務所に収容したかった、ってことだ。そりゃあ、殺人を犯したキチガイなんか一生収容所に閉じこめておきたいのが圧倒的多数の市民の感覚だろうけど、キチガイだからって一生収容所に閉じこめておくってのも、なんだか怖くない?キチガイも怖いけど、収容所ってのも怖いよね。

(石材店)「自分の事を心配してるんですか?」
(幹事長)「ちゃいます」


今回の判決は、一般国民から選ばれた裁判員6人と裁判官3人が話し合って決めたものであり、多くの市民は「一般国民の感覚に沿った妥当な判決だ」と評価しているが、当然ながら発達障害者の支援団体などからは「障害への理解が足りない」と批判の声が上がっている

ただ、そもそも、今回の判決も、元はと言えば支援団体や悪徳弁護士のせいだ。
今回の事件の経緯は次のようなものだ。
男は小学5年生のころから不登校になり、それから約30年間ほとんど自宅に引きこもる生活を続けてきた。中学校の転校を望んだこともあったが実現せず、姉のせいだと勝手に思い込んで恨むようになった。
その後、男は自殺を考えるようになった。インターネットで自殺の方法を調べようと思い立ち、姉にパソコンを買うよう無心したが、姉が買い与えたのが中古のパソコンだったことから、さらに恨みを募らせた。
姉は引きこもり生活を続ける男に生活用品を届けるなどしていたが、「食費などは自分で出しなさい」ていう書き置きをしたため、男は姉の報復だと受け止めて殺害することを決める。
そして、男は自室を訪れた姉の腹などを包丁で何度も刺して殺害した。男は逃げ惑う姉を執拗に刺し続けたという。


このように、男の発想は極端に自己中心的で、確かに障害が原因かもしれない。なので、例によって悪徳弁護士どもは「殺意を抱いたのは障害のためであり、この感情をどうすることもできなかった」てことで執行猶予を求めたのだ。
これに対して残された家族の悲しみと怒りは極めて大きく、「一生、刑務所から出られないようにしてほしい」と訴えたという。その結果、裁判所は「犯行の残虐性や結果の重大性から、執行猶予にする事案ではない。アスペルガー症候群の影響は重視すべきでない」と判断したのだ。
悪徳弁護士どもや発達障害者の支援団体は「障害に対する無理解と偏見があり、差別的な判決だ。障害者だからと言って犯罪を犯す訳ではない」などと批判しているが、それなら最初から「障害が原因で犯した殺人だから執行猶予にして」なんて言わなければよかったのに。バカみたいに「障害が原因だ」なんて言うから「それじゃあ収容しましょ」なんて言われたわけであり、後から「障害者だから犯罪を犯すわけではない」なんて言っても、もう遅い。言ってる事が矛盾だらけだ。

今後は、発達障害者の支援団体は悪徳弁護士にそそのかされることなく、障害者だからと言って優遇してもらおうなんて思わず、平等に罪を償うべきだ。障害があるのは気の毒だけど、だからと言って周囲に迷惑をかけて良いわけではないのだから。

(2012.8.20)



〜おしまい〜





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