イスラエルのスーダン空爆

〜 いよいよ本格戦争か!? 〜



スーダン政府によると、スーダンの首都ハルツーム南部にある軍需工場イスラエルによる空爆を受けたらしい。スーダン政府の発表に対して、イスラエル政府は「この種の報道にはコメントしない」とだけ語っており、本当にイスラエルが爆撃したのかどうか定かではない。

(幹事長)「この、したともしないとも一切コメントしない、ってのが格好ええよなあ」
(石材店)「マニアックですねえ」


下品な政府は、すぐに「それは言いがかりだ!そんな事は一切していない!アンニョンハセヨーっ!」なんて見え見えの嘘ついたりするけど、イスラエルは違う。もちろん、肯定なんかしたらパールハーバー的に大変なことになるが、だからと言って否定したら嘘つきになるし、そもそも今回の爆撃はスーダンや、その背後にいるイランに対する重要なメッセージなんだから、否定したら意味が無くなるのだ。また、普段は否定や肯定しているのに、ある事件に対してだけノーコメントにすると、とても怪しまれるが、イスラエルは常に何をしたときも基本的にノーコメントなので、もうとりつく島もないし、このスタンスが非常に格好よくて、よろしい。ゴルゴサーティーンみたい!すてきっ!

ま、それは置いといて、今回の爆撃は真相は定かではないが、スーダン政府の発表によれば、爆発物の残骸の中にイスラエルとの関係を示す証拠が見つかったとのことで、イスラエルの軍用機4機が飛来して爆撃を加えたらしい。

スーダンはアフリカのエジプトの南に位置する国で、ダルフール紛争やら南スーダンの独立やら、やたら紛争が絶えない破綻国家で、一般の日本人には縁のない国だろうけど、国際紛争オタクにとっては、何があってもおかしくない目が離せないワクワクする国だ。イスラエルとは国境を接しないので、直接的な争いは無さそうに見えるが、イスラエルは長年、スーダンがパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスに活動拠点を提供していると非難している。スーダンはイランと近年、急速に関係を強化しており、またイスラム教スンニ派の過激派とのつながりが深いことから、イランからスーダンを通じてパレスチナ自治区のガザ地区へ武器が密輸されているとみているのだ。今回の爆撃対象となったスーダンの軍需工場では、イランの指導により、イランの弾道ミサイルが製造され、パレスチナ自治区ガザに密輸される予定だったという。今回の作戦はガザへの武器密輸阻止が第一目的だ。

今回の爆撃は、単に軍用機4機が爆撃に行ったという単純なものではなく、イスラエル軍のF15戦闘機が8機出撃し、うち4機が1トン爆弾を2発搭載して爆撃を行い、他の4機は護衛役だった。また墜落など不測の事態に備えて、救出部隊としてCH53ヘリコプター2機が事前にスーダンの現場周辺で待機していた。そのほかスーダン防空レーダーに対し妨害電波を出すための空軍機1機と、紅海上で燃料を供給するための給油機1機も作戦に加わったらしい。聞いただけでワクワクするような作戦だ。

また、今回の爆撃は、スーダンの軍需工場を破壊するという直接的な目的だけでなく、将来、イラン国内の核施設を空爆する電撃作戦の予行演習も兼ねていた。イスラエルからイラン中部までの直線距離は、イスラエルからハルツームまでの距離とほぼ同じだ。イスラエルからイランまでは片道約2000kmあり、爆撃をして帰ってくるには燃料が持たないので、イランの核施設を攻撃するには空中給油が欠かせないが、それが今回の爆撃では問題なく実行された。また、イスラエル南部の基地から出撃したイスラエル機は、紅海を南下してエジプトの防空システムをすり抜ける形でスーダン領空に侵入してハルツーム南部に到達し、正確にピンポイントで爆撃する技術も見せた。つまり、格好の予行演習において、イスラエルはイランの核施設に対して爆撃する能力があることが証明されたのだ。

イスラエルの攻撃に対して、破綻国家のスーダン政府は手も足も出ないが、イランが黙っている訳はない。イスラエルによる攻撃の直後、イラン海軍の軍艦2隻がスーダン東部のポートスーダンに入港した。軍艦派遣を通じてイスラエルをけん制しているのだろう。しかし、それくらいでイスラエルが動揺するはずもなければ、イランに対する攻撃を抑止できる訳もない。こんなこけおどしに怯まず、イスラエルは断固としてイランの核施設を爆撃して欲しいぞ。

(石材店)「あれ?幹事長はアラブ人を虐殺するイスラエルを忌み嫌ってませんでしたか?」
(幹事長)「それとこれは別!戦争が起こればいいのっ!」


(2012.11.4)



〜おしまい〜





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