オバマ大統領再選

〜 日本はどうなる? 〜



アメリカ大統領選挙で現職の民主党オバマ大統領が再選された
大接戦となったフロリダ州では、今だに勝敗が決定していないが、フロリダ州の29人を除いても現時点でオバマ303人対ロムニー206人の大差なので、仮にフロリダ州でロムニーが勝ったとしても、オバマの勝利は揺るがない。

ただし、この予想外の大差は、各州毎に1票でも多かった候補が、その州に割り当てられた選挙人を総取りするというアメリカ特有の選挙制度のためであり、実際に両候補が得た得票数自体は51%対49%程度の僅差である。
それを言えば、4年前は選挙人でマケイン候補に対して365人対173人のダブルスコアでの圧勝だったけど、得票総数で見れば53%対46%で、そんなすごい圧勝ではない。今回は、それがより顕著になり、予想外の得票差で勝利したように見えるが、アメリカ国民のちょうど半分程度の支持しか得ていないのだ。

この苦い勝利の原因は簡単だ。前回は「当選したら、あれやる、これやる、何でもやる」って夢をバラ撒き、それを素直に信じた国民が熱狂的に支持したんだけど、実際に大統領になれば、当然ながら、できることとできないことがあり、て言うか、選挙で訴えた理想的な机上の空論なんて、実際には実現できる訳がないので、この4年間の実績を見て国民が失望したって事だ。冷静に考えれば、様々な利害関係や要因が絡み合った問題が、簡単に解決なんかできる訳ないってのは明らかなんだけど、4年前は、初めての黒人大統領で、若くエネルギッシュで理想論に燃えたオバマなら、何か打開してくれるんじゃないかっていう期待に目がくらんだ、って訳だ。
で、4年間の実績に大いに失望させられたアメリカ国民だけど、それでもかろうじて半分の支持を得たってのは、消去法の結果だ。オバマは実績を上げられなかったけど、じゃあロムニーでいいのか、って言われると困ってしまってワンワンワワンって事だ。そらロムニーじゃ困るわな。

(石材店)「おや?幹事長もロムニーは嫌いですか?」
(幹事長)「嫌いではないけど、よく分からないから、いまいち信頼できない」


政策的には僕は小さい政府指向の共和党を支持する。政府が肥大化したらロクな事にならないのは世界中で実証されているので、オバマの政策は危なっかしい。また、オバマの外交政策は理想論から脱却できていないが、自国のためなら他国がどうなっても地球環境がどうなっても全然平気な中国なんかと対峙しなければならないのだから、もっと現実的に厳しく対処しようとする共和党の方が頼りがいがある。

(幹事長)「ロムニーやったら、まちごて中国向けの核ボタン押すかもしれんしな」
(石材店)「さすがに、それは・・・」


ただ、そうは言っても、まだまだオバマは魅力的だ。この4年間でだいぶ現実的になってきたし、ロムニーに比べれば、国際的な視野もある。なので、消去法で当選したとは言え、そんなに悪くはない

それに比べて日本はどうだ!
これまでの政治状況は、恐ろしく似ている。日本の民主党も、できるはずもない理想論的な机上の空論をマニフェストと称してバラ撒いて国民を騙し、いざ政権を取ったら当然ながら何もできず、て言うか、沖縄問題や原子力発電所問題を見ていると、国を悪い方へ悪い方へ導いている低脳バカボン集団だ。オバマと同じだけど、オバマより5兆倍くらい悪い。
一方、野党である自民党の総裁は、政権投げだしお坊ちゃまの安倍晋三だ。こちらもロムニーより、はるかにレベルが低い。他におらんのか!?って叫んでいるのは僕だけじゃない。周囲の人だれに聞いても同じような感想だ。せっかく民主党が自滅してて、政権奪還の絶好のチャンスなのに、全く若返りが図られておらず、相変わらずの古い顔ばっかりで、もうウンザリだ。

しかも、アメリカのように大統領選挙があるのなら、まだマシだけど、議院内閣制の日本では、選挙で選ぶのは小選挙区の国会議員だ。そうなると、いくら民主党に呆れかえって自民党に戻ろうとしても、地元の自民党候補者が選ぶに耐えられないような人物だったら、これは困る。ほんとうに困る。民主党の候補者の方がはるかにマシなんだけど、そっちに投票したら民主党の低脳政権が続いてしまう。かと言って、自民党の候補者には投票したくない。こういうジレンマを打破できるのが、ここへきて乱立気味の第三極だ。ただ、第三極なんて言っても、色んな集団がいて、政策的には千差万別で、これらが一緒になったって、まさに民主党と同じだ。民主党も自民党から流れてきた勢力と社民党系の勢力の間では政策が正反対だ。結局、何も決められない集団になるだけだ。

(石材店)「大阪の橋下市長や東京の石原知事はどうですか?好きなんでしょ?」
(幹事長)「いえいえ、決して」


石原都知事については、やってる行動や考え方は大いに共感できるし、行動力も期待できるんだけど、人物が嫌いだ。一方、橋下大阪市長は、人物は嫌いじゃないし、やってる行動や考え方は共感できる部分が多いし、行動力も期待できるんだけど、原子力発電所に反対している点で、全く支持できない。原子力発電所に反対しているって事は、日本の社会経済構造が全く分かってないって事だ。日本の将来ビジョンってものを描けてないって事だ。なんだかんだ非現実的な理想論を言ってみたところで、結局は、日本は製造業で生きていくしか道は無い。絶対に、ない。日本みたいな地理条件で国際社会を生き延びていくには、製造業しか無いのは、誰が考えても明らかだ。農林漁業で稼ぐのは不可能だし、金融や観光やサービス業だって力不足だ。製造業で生きて行くには技術力とエネルギーが不可欠だ。エネルギーの長期安定供給を考えると、日本に原子力を捨てる選択肢は、あり得ない。経済が少しでも分かっているなら、あまりにも自明な話だ。橋下大阪市長は弁護士の経験しか無いから、こういう経済の話は全く分かっていないようだ。なので、彼に政権を任すのは危険だ。民主党よりはマシかもしれないが、日本が潰れてしまうのは同じだ。

て事で、アメリカに似ている日本の政治状況だが、選択肢は、はるかに悪い。どっちに転んでも、それほど悪いとも思えなかったアメリか大統領選挙に比べ、どう転んでも、明るい希望が全く見えない日本の現実は、本当に悲しい。

(2012.11.8)



〜おしまい〜





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