ＭＲＩ巨額詐欺

ＭＲＩインターナショナルによる巨額の詐欺事件が明るみになってきた。以前もＬ＆Ｇという健康食品販売業による巨額の詐欺事件や、ジー・オー・グループというネズミ講の事件について書いたが、もう呆れてものも言えない。

（石材店）「呆れているのは誰に対してですか？副題では、よく分かりませんが」
（幹事長）「もちろん、あり得ない投資話に騙される強欲なアホたちです」

今回の事件は、ＭＲＩインターナショナルっていう会社が、日本の顧客から集めた約１３００億円の資金を、実際には運用せずに使いまくり、大半を消失させていたというものだ。エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長は、証券取引等監視委員会の検査に対して「虚偽の報告をしていた。集めたカネの大半は使ってしまった」と説明しているので、投資したお金の大半は戻らないだろう。
ＭＲＩによると、顧客数は約８,７００人、預り資産は１,３６５億円となっているので、一人平均１,５００万円も投資していた事になる。ま、この数字はＭＲＩ自身が公表している数字なので、実際には、これより多いのか少ないのか、よく分からない。ただ、個別の被害者の話では、多い人なら数千万円レベルで投資していたらしい。

ＭＲＩが宣伝していた投資話とは、ＭＡＲＳ（マース）と呼ばれるもので、診療報酬請求債権（Medical Account Receivables）への投資だ。日本では全く馴染みが無いから、これ自体が既に怪しさ爆発って印象を受けるが、病院や診療所などの医療行為に対する診療報酬を証券化した医療投資やレセプト債に投資するものであり、実はアメリカでは一般的な投資商品だ。ただ、ＭＲＩは実際にはＭＡＲＳへの投資なんか行っておらず、集めた資金を湯水のごとく使いまくっていただけだ。
そもそもＭＲＩって会社は、アメリカのネバダ州に本社を置くアメリカの金融業者となっているけど、社長はフジナガっていう日系人のおっさんだし、投資はもっぱら日本で募っているし、実質的には日本人による日本人相手の詐欺だろう。アメリカの会社なのに、ホームページは日本語版しか無いらしいし。海外が本社があると言えば、実態を確認しにくいし、摘発も難しくなるから設立したペーパーカンパニーだろう。

詐欺は犯罪であり、やる方が悪いのは間違いないが、騙される方もアホであり、全く同情の余地は無い。今回の投資話では、利率は円建てで年６％〜９.６％、ドル建て年６.５〜１０.３２％の高利回りを謳っていた。１０年国債の利率が１％を下回り続けている今どき、あり得ない高利回りだ。しかも、リスクがあるのならあり得るけど、元本保証でリスクが無いのに、こんな高利回りなんて、ちょっとでも金融資産の投資に知識があれば、サルでも分かる初歩的な詐欺だ。

いったい、どういうアホが、こういうバカげた詐欺に引っかかるんだろう。会報誌では、元宇宙飛行士の毛利衛とか歌舞伎役者の市川染五郎といった有名人が広告塔として出ていたから、騙されたのかなあ。こういう有名人って、金さえ出せば詐欺だろうがヤクザだろうが、どこにでも顔を出すのが商売なので、責めるわけにはいかない。
また毎日新聞には、つい最近まで広告を掲載し続けていたらしいが、毎日新聞みたいな新聞を信用するのは、その時点で問答無用に自業自得だ。ただ、日経新聞系の経済専門チャンネル日経ＣＮＢＣも、広告番組を放送したことがあるほか、ＭＲＩと投資セミナーを開催したりしているので、これは罪が重いかも。
しかし、そうは言っても、このご時世に、こんな高利回り商品があるなんて、絶対に絶対に１００％あり得ないのはブタでも分かることなので、やっぱり騙される方が悪いわな。

驚いたことに、この会社は決算すら公表していない。普通、決算や財務内容も公表していない会社に、巨額のお金を投資する投資家はいないと思うので、嘘でもいいから適当に決算を作って公表すればいいのに、それすらやっていない。それなのに、騙される投資家がいるって、ほんと不思議。ここまでレベルが低いと、こんなんに騙された人は、もう投資家とは呼べない。ただの強欲なバカだ。アホだ。サル以下だ。そんな奴らの金を巻き上げて使いまくったとしたら、眠っていた金が世間に回って経済社会にとっては良いことかもしれない。

（石材店）「いくらなんでも言い過ぎじゃ？」
（幹事長）「いくらなんでも言い過ぎたかも？」

新聞なんかは、こういう事件が起きたときには、絶対に騙されたバカ共を非難することなく、同情的に報道しているが、こんな被害者に同情する余地はない。まったく無い。あくまでも本質的にはあり得ない儲け話であり、そんなものを信じる方が圧倒的に悪い。もちろん、詐欺師が悪いのは間違いないが、こんなアホな詐欺に騙された自分が恥ずかしいと思わないのかなあ。
しかも、これまでも度々似たような巨額の詐欺事件が起きて社会問題化し、大きく報道されてきたのに、相変わらず騙される人が後を絶たないのは、一体どういう事だ！？

前にも書いたけど、騙される人の条件を整理すると、
　�@金がある
　�A欲が深い
　�B知能が低い
の３条件となる。このうち１つでも欠けると被害は受けない。
金が無ければ投資しようがないし、欲が無ければ金があっても銀行に預けておくだろう。そして、いくら金があって欲が深くても、小学生レベルの知能があれば、こんなバカげた詐欺には騙されないだろう。

（２０１３．５．１７）

〜おしまい〜

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