参議院選挙直前情勢

〜 予想通りでつまんない 〜



3年に一度の参議院選挙が行われ、当初予想通り自民党が圧勝した

(ピッグ)「あんまり意外性が無かったですね」
(幹事長)「もう、つまんなーいっ!」


選挙オタクの僕にとっては、数年に一度しかない国政選挙はサッカーのワールドカップと並ぶ一大イベントなんだけど、サッカーは結構、番狂わせがあって最後まで目を離せない興奮状態が続くんだけど、今回の参議院選挙は、あまりにも事前予想通りで、各党の獲得議席数はマスコミの予想範囲内だし、個別で見ても番狂わせが無いし、ほんと、つまんなかった。

(ピッグ)「でも、期待通りの結果なんですよね?」
(幹事長)「そこそこにはね」


僕の事前の個人的な希望としては、昨年末の衆議院選挙での自民党の圧勝により、3年間の場当たり的な迷走政治で日本をガタガタにした民主党政権から脱却したものの、百害あって一利なしの参議院のねじれにより、何かにつけ足を引っ張られている状況からの脱出ということで、自民党が極端に圧勝して欲しかった。ただ、マスコミが自民党圧勝の予想を大量に垂れ流していたため、多くの選挙民が「どうせ自民党が勝つのは分かり切っているから、他の政党に入れようか」とか、「もう投票に行くの面倒くさいから家で寝てよう」とかいう行動に出て、実際に蓋を開けてみれば自民党が意外に苦戦する可能性もあった。しかし、実際には今回はそういう事もなく、事前予想通り、選挙区では事前に苦戦が予想されていた岩手と沖縄以外では完全勝利し、比例区でもそこそこの票を獲得した。結果としては良かったものの、なんだかつまんない。

その他では、そうは言っても、自民党と政権を交代できる政治勢力は民主党しかいないんだから、民主党にも、もう少しは頑張って欲しかったが、こちらは予想通りと言うか、予想以上に苦戦し、もうボロボロだ。1人区で全敗したのは仕方ないにしても、定員が5人もいる東京で実質的な分裂選挙となって現職が落選するなんて、もう末期的だわな。これもひとえにキチガイ菅が足を引っ張ったからだけど。早く除名処分にして鳩山バカボンと共に政治生命を絶って欲しいぞ。

一方で、共産党、維新、みんなの党なんかは、予想の範囲内ではあるが、そこそこ健闘したと言っていいだろう。なぜ今、共産党が票を伸ばすのか不思議な気もするけど、言う事もやる事もコロコロ変わる民主党や、頭カラっぽで非現実な社民党と違い、何十年もブレずに筋の通った主張を続ける共産党に対し、信頼感があるのかもしれない。それと、投票率が低ければ低いほど、組織票が固い共産党や公明党は強いものだ。それに比べれば、昨年の衆院選で54議席と大躍進した維新の会は伸び悩み、3年前の参議院選挙で躍進したみんなの党もイマイチだった。こういう政党は足腰が弱いので、投票率が下がると苦戦しがちだ。
まあ、そうは言っても、総合的に言えば、ほぼ予想通りで、民主党から共産党、維新、みんなの党に誤差の範囲で票が流れたって感じで、やっぱりなんだかつまんない。

とは言え、反原発、反TPP、反消費税を唱えるだけで日本を破滅に導く非生産的な頭カラっぽヒステリック亡国政党である社民党生活みどりの何とかといった連中が軒並み壊滅したのは喜ばしい限りだ。これは、いくら予想通りとはいえ、本当に良かった。スッキリだ。
社民党の「強い国より優しい社会」ていうキャッチフレーズなんて、耳障りの良い無責任な戯言だ。国が強くなければ優しい社会なんて実現できない。弱い国で優しい社会があり得ないのは、世界中を見渡せばすぐ分かる。貧しいけれど幸せ度が高いって評判だったブータンも、最近は文明社会の刺激を知った若者の急増により激変している。もう後には戻れないだろう。強い国か、優しい社会か、の二者択一ではないのだ。これは蓮舫が言った「2位じゃダメなんでしょうか?」を彷彿とさせるアホさぶりだ。もちろん、2位で十分だ。もし2位になれれば、それで万々歳だ。しかしそれは1位を目指して必死に頑張ったあげくの2位だ。最初から2位を目指していたら10位にも入れない。100位にも入れないかもしれない。国際社会はそういうものだ。蓮舫は頭空っぽのクラリオンガールだから仕方ないだろうけど、福島瑞穂は弁護士やってたくらいだから、もうちょっとはマシなはずだろうけど、やっぱり頭悪いんだろうなあ。
生活の党は、なんでもいいから生き残りを賭けて嘘っぱちの公約を並べているけど、かつて小沢一郎が主張していた政策とのあまりのギャップに苦笑してしまう。哀れな末路だ。
みどりの風は、もともと意味不明の選挙互助会だったが、今回の参議院選挙で参議院議員全員が落選したため、今残っている国会議員は亀井静香と阿部知子とだけになっちゃった。たった二人のうちの一人が“みどり”とは全く縁の無さそうな亀井静香だなんて、もう苦笑どころか大笑いだ。

そのほか、いくつか興味深かった点を探すと、まず民主党の比例代表で真っ先に当選確実が出たのは関西電力出身の浜野候補だ。バカみたいに将来の原子力発電所撤廃と自然エネルギーの活用なんて不可能な無責任政策を掲げる民主党にあって、真っ先に当選確実になったのが、原子力発電を必死で守ろうとする電力業界の議員ってのが痛快だ。民主党なんかから出なけりゃいいのに、なんて思うけど、民主党にいるからこそ、民主党の暴走を引き留める役割を果たしてくれるかもしれない。

日本維新の会では、アントニオ猪木がトップで当選しており、相変わらずの人気に感心すると言うか呆れると言うか、それはおいといて、なんと、あの藤巻健史が当選してしまった。知らない人は全く知らないかもしれないが、為替投資に興味がある人には有名なお方だ。あの藤巻のおっさんが国会議員だなんて、面白いというか呆れるというか。しかも、得票数僅か3万票余りで当選だなんて、参議院選挙の比例代表って、制度として欠陥があるんじゃないだろうか。
比例代表では、公明党も、個人別の得票数を見ると、想定していた当選者数は6人と思われる。その6人に対して強固な地区割りをしていたため、上位6人までは各人とも50万票以上獲得しているのに、最後の7人目は僅か2万票台だ。想定外の7人目の当選だったのだろう。


さて、参議院のねじれが解消され、これでようやく自民党は本格的な政策を実現することができるようになった。選挙戦中は極力発言を控えていた重要テーマが目白押しだ。まず当然の事ながら原子力発電所の再稼働を一刻も早く始めてもらわなければ日本経済が立ち直れない。またTPPも強力に推進していかないと日本は浮揚できない。消費税増税も財政破綻を食い止められる唯一の施策だ。
一方、安倍首相が強く訴える憲法改正は、どうだろう。もちろん、今の欠陥憲法は改正する必要がある。世界中のあらゆる国が軍隊と認識している日本の自衛隊の位置づけを明確にする必要がある。あれが軍隊でないなんて、誤魔化しとしてもひど過ぎる。また、近い将来、中国が攻めてきた時の事を考えると、集団的自衛権についてもはっきりさせておかないと日米同盟が形骸化してしまう。それから無用の長物というか百害あって一利なしの参議院の廃止とか、現行の欠陥憲法には改正を要する点が多い
ただ、どれも、それほど切迫した問題ではないから、あんまり焦る必要はないと思う。内閣の支持率が高いまま安定し、他の重要な政策の実現に支障が無いのであれば、その片手間に憲法を改正するのも構わないけど、優先順位の低い憲法改正に無駄なエネルギーを取られて重要な政策の実現に支障を来すのであれば本末転倒だ

いずれにしても、重要なのは、いくら今回、大勝したからと言って、4年前の衆議院選挙で民主党に惨敗して政権から転げ落ちる以前の古い自民党に戻ってしまったら、もう未来はない、という認識を忘れずに、改革を実現して欲しいな。

(2013.7.22)



〜おしまい〜





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