死体溶解事件

〜 惜しい! 〜



東京都八王子市のホストクラブ経営者が失踪した事件で、警視庁は元従業員らを死体損壊・遺棄容疑で逮捕した。容疑者の自宅から被害者の顔の骨の一部やインプラントが見つかったことから、容疑者が被害者の死体を薬品で溶かし、下水に流したとみている。

被害者はホストクラブを経営し、テレビにも出演するなど有名だったらしい。容疑者との間では、売上金などをめぐる金銭トラブルが発生していたようだ。ホストクラブなんて、悪い事ばっかりやってあぶく銭を稼いでいるんだろうから、トラブルはいくらでもあるだろう。被害者自身が以前から「いなくなったら殺されたと思ってくれ」などと話していたというから、ま、悪い事をいっぱいやっているという自覚はあったんだろうな。
個人的には、ホストクラブなんてものが成り立っていること自体が不思議だし、ホストなんて奴らが存在していること自体が目障りなので、こんな奴らが内輪もめで殺されようが何しようが関心は無い。

だが、しかし、人を殺して溶かして証拠を隠滅するという完全犯罪の手口は、前々から私が考えてた手口なので、それが実証されたって事で感慨深いものがある。

(石材店)「何を考えてるんですかっ!」
(幹事長)「人生、いつ何が起きるか分からんから、心の準備と万全の対策は常に考えておかねばならんぞ」

私が最初、考えていた手口は、風呂場で小さく小さく切り刻んで、骨は細かく砕いて生ゴミに出し、肉はミキサーでひいて煮込んでから生ゴミに出す、という手法だ。全て細かくして別々に少しづつ出すのがミソだ。
この手口は実際に実行した人もいて、江東マンション神隠し殺人事件と言われている。加害者の男が被害女性の身体を包丁とのこぎりでバラバラに切断し、トイレに流したりゴミとして捨てたりしていた。ただ、加害者のマンション近くの下水道から骨片が発見され、DNA鑑定で被害者のものと判明してしまい、加害者は捕まってしまった。警察の執念とも言えるが、これから得た教訓は、下水道に流す方が簡単で安易だけど、危険だと言うことだ。手間だけど根気よく少しづつ生ゴミで出した方が良い。生ゴミならゴミ回収車が運んでいって焼却されるから、証拠は完全に隠滅できる。

そして、もっと完全な手口として考えていたのが、死体を溶かす手法だ。
今回、捕まった容疑者は、実は最初から加害者と目されていて、被害者の携帯電話を壊して捨てたということで、器物損壊容疑で逮捕・起訴され、有罪判決(執行猶予付き)まで受けていたのだ。ところが、死体を完全に溶かしていたため、被害者の行方については「知らない」と言い張り、捜査は難航していたのだ。
このまま迷宮入りかと思われていたんだけど、容疑者の実家に死体が持ち込まれたという情報が寄せられてしまい、警視庁が容疑者の父親が住んでいる住宅を必死で捜索し、トイレや風呂、汚水槽まで調べた結果、人の顔の骨の一部とインプラントが見つかったのだ。骨は状態が悪くてDNA照合ができなかったが、インプラントはメーカーと型を特定し、追跡調査で流通している600個のうち599個の所在を確認できたため、残る1つを被害者のものと断定した。もう執念というか、呆れるというか感心するというか、ものすごい捜査だ。ここまでやられたら、さすがの完全犯罪手口も破られたんだけど、もし被害者がインプラントを入れてなかったら、バレなかったんだろうなあ。

(幹事長)「いやあ、ほんと、全く惜しい事をしたもんだ」
(石材店)「お願いですから悪い事はやらんといて下さいね!」


死体は水酸化ナトリウムで溶かされたらしい。水酸化ナトリウムはパイプを洗浄する薬剤に含まれていて、油や石鹸などの付着によって発生したぬめりや毛髪をとるために使われている。家庭用で売っているものは濃度が薄いから、死体を溶かすには不向きだけど、業務用は高濃度なので有機物の分解能力が高く、死体を溶かすことも可能だ。ただし、インプラントに使われるチタンなんかは、水酸化ナトリウムに強い耐性があるため残ってしまったのだ。下水道でそのまま流せば、インプラントくらいの大きさと形状なら流れていっただろうから、ほんと、あと一歩のところで足がついてしまった大変惜しい不完全犯罪だった。

よい子のみんなは、切り刻む場合は下水道に流すんじゃなくて生ゴミに出した方がいいけど、溶かした場合は、できれば汚水槽方式の家でやるのではなく、下水道がある家でやろう!

(2013.10.4)



〜おしまい〜





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