スーパーボウル

〜 頑張れシーホークス! 〜



来る2月2日と言えば、我々にとっては丸亀マラソン大会の日だが、同じ日に米国のアメリカンフットボールNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のチャンピオンを決めるスーパーボウルが開催される。なんと今年は、シアトル・シーホークスが出場するのだっ!

(石材店)「幹事長って、アメリカンフットボール好きなんですか?」
(幹事長)「応援しているのはシーホークスだけど、アメフトはものすご面白いぞ!」


シーホークスのファンになったのは、かつてシアトルに住んでいたからだけど、その頃を含めてシーホークスは1990年代は基本的に弱く、3年連続で地区最下位ってこともあった。シアトルのチームは、アメフトのシーホークスも野球のシアトル・マリナーズも弱かったなあ。それよりプレーオフ進出の常連だったバスケットボールのシアトル・スーパーソニックスの方が人気があった。マリナーズは、その後、イチローが入団したため、日本では人気のチームになったが、最近も相変わらず弱いままだ。
一方、シーホークスは2000年代に入ってからは2004年からの4年連続地区優勝を始め、結構、強くなった。それでも、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)で優勝してスーパーボウルにまで進出したのは2005年の一度だけで、その時もAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のスティーラーズに負けてしまったから、まだスーパーボウルを制して全米一になったことはない。このあたり、野球のアメリカンリーグ所属の15球団で唯一、リーグ優勝とワールドシリーズ進出を果たしたことの無いマリナーズと似たようなものだ。

そして今年は、8年ぶりにNFCで優勝を遂げ、2度目のスーパーボウル進出となったのだ。

(幹事長)「これが興奮せずにおられようか!」
(石材店)「よう分かりませんが、アメフトって面白いんですか?」


アメフトは面白い。ルールが分かりにくいっていう人もいるが、そんな難しいことはない。反則なんかは、非常にややこしくて難しいが、そんなんは審判に任せておけばいい。基本的なルールは、とても簡単だ。テレビでしばらく見ていれば自然に分かってくる。基本的にはラグビーみたいなもので、それに野球と同じような「スリーアウトで攻守交代」みたいなルールを取り入れたものだ。

9月から始まるシーズン中は、NHKが毎週、3試合くらいを放映してくれる。さらにケーブルテレビに入っていればGAORAとか日テレG+とかも放映しているから、ほぼ毎日、どっかの試合を見られる。NFLにはチームが全部で32もあるから、シーホークスの試合はたまにしかやってくれない。だが、プロ野球だったら、いくらテレビで放映してても、阪神タイガースの試合でなければアホらしくて見る気もしないが、アメフトは面白いから、シーホークスの試合でなくても十分楽しめる

(石材店)「アメリカにいた時は、よく試合を見に行ってたんですか?」
(幹事長)「そう簡単には見に行けないんよ」


年間100数十試合もやる野球と違って、NFLの試合は、1シーズンで16試合しかない。しかも半分はアウェーの試合だから、ホームスタジアムで行うのは僅か8試合だ。なので、チケットを買うのは凄まじい争奪戦になるのだ。僕が住んでた頃は、9月から始まるシーズンのチケットが春に売り出されるんだけど、もう瞬間蒸発状態だった。自分のスケジュールが何も決まってない半年も先の試合を、とにかく買わなければならないのだ。その日になってフラりと球場に行っても、ガラガラのマリナーズの野球と違って、どんなに弱くてもシーホークスのチケットは、簡単には入手できないのだ。

アメリカでアメフトのチケットが取りにくいのは試合数が少ないのが根本原因だが、もちろん人気があるからだ。日本では、アメリカで一番人気のスポーツは野球だと勘違いしている人が多い。日本にはプロフットボールが無くて馴染みがないこともあり、マスコミも野球のことばっかり報道するから、あたかもアメリカでも野球が一番人気のような勘違いが起きやすいが、アメリカの世論調査では、最も好きなスポーツのトップはプロアメリカンフットボール(35%)で、2位の野球(14%)に大差をつけている。しかも3位は大学アメリカンフットボール(11%)で、こちらも人気が高い。シアトルにいた時は、弱いシーホークスより、パック10という西海岸の大学リーグで常に優勝争いしていたワシントン大学のフットボールチーム、ワシントン・ハスキーズの方が人気が高かったくらいだ。だから、プロと大学を合計したアメリカンフットボールの人気は圧倒的なのだ。テレビの視聴率も、単なるレギュラーシーズンの試合であっても、良いカードになると、野球のワールドシリーズを上回ったりする。大学のフットボールの全米王座決定戦ローズボウルの視聴率だって、野球のワールドシリーズなんかを上回る。ただし、怪我の多い激しいスポーツなので、競技人口はバスケットボールや野球よりも少ない。

この圧倒的な人気を誇るNFLのチャンピオンを決めるのがスーパーボウルであり、今年、NFCで優勝を遂げたシーホークスの相手になるのがAFCで優勝したデンバー・ブロンコスだ。どちらのカンファレンスもプレーオフには6チームずつが進出するが、優勝したのはどちらもレギュラーシーズンの勝率1位のチーム同士だから、プレーオフの結果は番狂わせの無い順当なものだったと言える。
シーホークスはプロ入り2年目のQBラッセル・ウィルソンを強力ランと鉄壁のディフェンスがサポートする形で驚異的に強くなったが、一方のブロンコスは実績抜群のベテランQBペイトン・マニングが率いるチームだ。ウィルソンの攻撃も楽しみではあるが、やはり一番の見所はマニング対シーホークスディフェンスだろう。

(石材店)「あのう、知らない人にとっては、全く興味の沸かない内容なので、あんまり長々と書くのはよしましょうね」
(幹事長)「そうか?興味津々じゃないのか?」


2度目のスーパーボウル進出で、今回こそはチャンピオンに輝いて欲しいが、実は、個人的には、今年は既に達成感がある。なぜなら、AFCのチャンピオンシップでサンフランシスコ・49ersに逆転勝利したからだ。
49ersは、唯一と言っていいほどの嫌いなチームだ。何が嫌いかと言えば、シーホークスのライバルだからだ。読売ジャイアンツを徹底的に嫌うのと同じ感情だ。49ersはコンスタントに強く、去年もスーパーボウルに進出したのを始め、過去6回もスーパーボウルに進出し、なんと5回も勝っている。こういう有名な歴史あるチームは、日本にもファンが多く、NHKの放映も多い。また解説者も明らかに49ers寄りのコメントをする。まさに日本のプロ野球放送のジャイアンツびいきと同じ構図だ。なので、私は徹底的に49ersが嫌いだ。
今年のレギュラーシーズンでは、シーホークスは49ersと1勝1負だった。勝率ではシーホークスがかろうじて一番で地区優勝したが、ほとんど同じような強さだった。そしてプレーオフを順当に勝ち上がってきたシーホークスと49ersがAFCチャンピオンシップを戦ったのだが、シーホークスは前半、リードを許すが、最後の第4クォーターになって逆転し、最後の最後は危機一髪でなんとか逃げ切ったのだ。だから、阪神タイガースが、優勝なんかできなくても巨人にさえ勝てば、全国にいる8000万人の阪神ファンの全てが満足するのと同じように、49ersに勝ったら、もうスーパーボウルで勝てなくてもいいや、っていう気もしないでもないのだ。

でも、まあ、そうは言っても、一度くらいは全米チャンピオンになって欲しいかな。頑張れシーホークス!

(2014.1.27)



〜おしまい〜





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