スーパーボウル制覇

〜 シーホークス黄金時代到来! 〜



去る2月2日、丸亀マラソン大会と同じ日、米国のアメリカンフットボールNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のチャンピオンを決める第48回スーパーボウルがニュージャージー州イーストラサフォードのメットライフ・スタジアムで開催され、ナショナル・カンファレンス(NFC)のシアトル・シーホークスがアメリカン・カンファレンス(AFC)のデンバー・ブロンコスに43−8で圧勝し、遂に王者に輝いた!

(幹事長)「遂にやったぞおっ!!」
(石材店)「アメフトって、そんなに面白いですか?」


下馬評では、マスコミや専門家など大半の関係者がブロンコスの勝利を予想していた。これはQB(クォーターバック)ペイトン・マニング率いるブロンコスの攻撃力がNFL随一で、今季NFL記録を樹立したほど強力なうえ、経験もシーホークスをはるかに上回るからである。
ところが、実際の試合は、経験豊富なはずのブロンコスは最初から地に足が着いてないようだった
なんと開始直後のブロンコスの攻撃で、センターからQBマニングへボールがスナップされるタイミングが合わず、ボールが自陣エンドゾーンを転がったところをRB(ランニングバック)が慌てて押さえてセーフティーになってしまい、開始12秒でシーホークスに2点が入るという前代未聞の幕開けとなった。もちろん、スーパーボウル史上最速の得点だ。て言うか、レギュラーシーズンでも見たこと無いような珍事だ。

その後もブロンコスの攻撃は全く機能せず、前半の第2クォーターが終わった時点で得点がゼロという、誰も予想しなかった惨憺たる結果だった。シーホークスも、せっかく序盤から攻め込みながら最後の詰めが甘く、第1クォーターはフィールドゴールでしか得点できなかったが、第2クォーターにはインターセプトリターンTDなどで加点し、前半終了時で22−0で大きくリードした

もちろん、ハーフタイムの間にブロンコスが体勢を立て直せば、ブロンコスの攻撃力を考えれば22点くらいの点差は逆転される可能性もある。今シーズンもワイルドカードの試合で、チーフスは一時38−10の大差でコルツをリードしていたのに、その後、逆転負けしている。コルツをはるかに上回る攻撃力を誇るブロンコスなら、22点差くらいは軽く逆転できるだろう。
ただし、それは相手チームの守備陣が弱い場合だ。今シーズン、攻撃力のトップがブロンコスなら、守備力のトップは今季最少失点数を誇るシーホークスだ。この試合でマニング率いるブロンコスの攻撃陣が力を発揮できなかったのは、シーホークスの守備陣に阻まれたからである。ランも出なければ、ロングパスも出ない。全く歯が立たない。完全にシーホークスの守備陣に抑え込まれたのだ。

そして、試合の流れを決定づけたのは、後半の第3クォーターの開始直後に飛び出したシーホークスのキックオフリターンTDだ。これを決めたのは、腰の手術でシーズンのほとんどを欠場していたパーシー・ハービンだ。レギュラーシーズンの試合なら、時たま見られるビッグプレーだが、スーパーボウルの大舞台で飛び出すとは思わなかった。いくら大差が着いていたとは言え、まだまだ逆転可能な時間帯だったから、ブロンコス側の緊張感が切れていたとは思わないが、これで一気に、さすがにもう逆転は無いんじゃないかっていう雰囲気になった。

ブロンコスのマニングはパス成功34回というスーパーボウル新記録を打ち立てたが、実際的な意味はほとんど無い。ほとんどショートパスばかりで、大したゲインが無かったからだ。見せ場も全く無かった。
これはシーホークスの守備陣がブロンコスの攻撃陣を上回るほど強力だったためであり、ブロンコスからターンオーバーを4つも奪うなど、まさに守備陣の奮闘による大勝利だ。MVPに珍しく守備の選手が選ばれたのも当然だろう。シーホークス守備陣のスーパースターであるCB(コーナーバック)リチャード・シャーマンは後半に負傷退場となってしまったが、既に勝負はついていた時点だったので、影響は無かった。

それにしても、最初から最後まで、全く冷や冷やする事もなく安心して見ていられる試合だった。弱いチームとも当たるレギュラーシーズンの試合ならともかく、スーパーボウルの場で43点も得点できること自体珍しいが、おまけに相手には8点しか与えず、35点差もの大差を着けるのは珍しい。ブロンコスは第3クオーター終盤にタッチダウンして、なんとかゼロ点負けは免れたが、なんの突っ張りにもならなかった。
終盤でなんとか逆転し、最後まで手に汗握る接戦だったAFCチャンピオンシップの49ers戦は心臓に悪かったが、今回は大変気持ちよかった。逆にブロンコス・ファンはつまらなかっただろう。最初は8万人を超える超満員のスタジアムだったが、第3クォーターが終わる頃には、帰ってしまう客も多く、高いチケットなのに、客席はかなり空席が目立っていた。そら負けてる方はつまらん試合だったろうなあ。

これでシアトル・シーホークスは2006年にピッツバーグ・スティーラーズに敗れて以来、2度目のスーパーボウル出場で初めての栄冠をつかんだ。今年だけの偶然ではない。今後、しばらくはシーホークスの黄金時代が来るのではないだろうか。なぜなら、4年前にヘッドコーチに就任したピート・キャロルは、大学のヘッドコーチ歴が長いこともあって、力のある若手を発掘する目が素晴らしく、急速にチーム力を上げてきたからだ。QBのウィルソンもNFL2年目の25歳で、今後しばらくはシーホークスの時代が来るのではないかと思われる。

(石材店)「今だに面白さがイマイチ分かりませんが、幹事長は試合を見に行きたかったでしょうね」
(幹事長)「でも高いんよ、チケット」


通常、スーパーボウルは暖かい地方で開催され、一番安いチケットでも1枚数十万円はする。今回は厳冬のニューヨークが会場だったため20万円程度のチケットもあったとのことだが、それでも1人20万円て、高すぎ!その値段って、最初から定価でもそんなに高いのか、ネットに流出したチケットの流通価格が高騰しているのかは知らない。しかも、なんと一番高い席は5千万円もするんだって!

(石材店)「え?50万円じゃなくて?」
(幹事長)「うん。ごせんまんえんだって。家が買えちゃう」


5千万円の席はガラス張りだから厳冬のニューヨークでも寒くない。優雅にお酒なんかも飲めてパーティー気分になれるんだろう。それでも5千万円も出す人って、なに?て言うか、5千万円はあり得ないにしても、20〜30万円だって、ちょっとあり得ない。家でコタツに入って酒飲みながら見るだけで十分です。

(石材店)「ところで、シーホークスが優勝するのとタイガースが優勝するのでは、どっちが嬉しいですか?」
(幹事長)「そら、あんた、阪神タイガースやわ」


いくらシーホークスが勝って嬉しいと言っても、阪神タイガースとは重みが違う。阪神タイガースのファンは、もう50年以上やっているが、シーホークスのファンになってからは、まだ25年くらいだ。タイガースも、今年のシーホークスみたいに安心して見ていられるくらい強くなって欲しいなあ。

(2014.2.3)



〜おしまい〜





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