ウクライナ情勢

〜 ロシアは妥協しない 〜



ウクライナ情勢が大混乱だ

(幹事長)「久しぶりの大規模国際紛争で、もう毎日ワクワクだよな!」
(石材店)「だよな、って言われても・・・」


何を揉めているかと言えば、EUロシアによるウクライナのぶんどり合戦だ

ウクライナはEUとロシアに挟まれる位置にあり、どっちもウクライナを仲間に入れたいと思っている。こういう状況は、特別珍しいものではなく、冷戦時代にはフィンランドやオーストリアなんかは、うまく立ち回っていた。しかし、今回のウクライナ情勢では、今さらうまく立ち回る事は不可能で、引き返せない、と言うか、取り返しのつかない事態にまで発展してしまった


歴史的背景

このような大混乱に陥った大きな理由の一つは、もともとウクライナはソ連の一部だったことだ。
ウクライナはロシア革命の直後、ソ連に組み込まれ、ソ連の主要な構成国の一つとして存在していた。ソ連はロシアを始め、全部で15の国で構成されていたが、ウクライナは東部に工業地帯、西部に穀倉地帯を抱え、ロシアに次ぐ重要な国だったのだ。
大半の人は知らないと思うが、ウクライナはソ連に属していながら、独自に国連にも加盟していた。ソ連の時代は、ソ連が1つの国だったのに、ウクライナはベラルーシと共に、それとは別に、独自の国連議席を有していたのだ。子供心に、とっても不思議だった。

(石材店)「子供の時から国際紛争オタクだったんですかっ!」

ソ連時代は、ウクライナに限らず、ソ連の構成国はどこもソ連という大きな枠組みの中で役割分担をしていた。そのため、ウクライナは自国の市場は小さくても、農業と工業を発展させることができた。ソ連が崩壊した後も、その経済力を維持するためには、ロシアかEUか、どこか大きな経済圏に属さなければならなかった。そのため、ソ連が崩壊した直後に、ウクライナはロシアが主導するCIS(独立国家共同体)のメンバーとなったのだ。

だが、ウクライナのGDPは18兆円で、EUが1700兆円、ロシアが210兆円だ。ウクライナに比べればロシアだって十分に大きいが、EUの方がはるかに経済力が大きいし、生活レベルも高いので、ウクライナとしてはEUの方に魅力を感じ始めた。特に、EUに近い西部の人たちは、親欧州派というか反ロシア派の人たちが多く、EU加盟を目指すべきだという声が大きくなってきた。経済が低迷するウクライナに比べ、隣のポーランドがEU加盟後にめざましく成長しているのを見ているので、よけいにEUにあこがれる人が増えてきたのだ。
一方、ソ連時代からの歴史的背景により、ウクライナの工業はロシア企業との関係が深く、エネルギーもロシアに依存している。なので、工業地帯が多い東部では、現実的な問題としてロシアとの関係維持を求める人も多い

て事で、もともとソ連だったこともあり、東部ではロシアへの親近感も強いし、ロシアとの関係を重視する。一方、西部はロシア嫌いでEU寄りだ。なので、ひとくちにウクライナと言っても、国民は一致団結にはほど遠く、もともと分裂の可能性を孕んでいるのだ。


ヤヌコビッチ政権の政策

西部を中心とするEU指向の高まりを受けて、いったんは2005年に親欧州派の政権が誕生した。しかし、それを許さないロシアが、ウクライナに供給している天然ガスの価格を大幅に引き上げると脅したりした。あのときは、ウクライナだけでなく、ロシアから天然ガスの供給を受けている他のヨーロッパ諸国も大混乱に陥った。そういう混乱を嫌った国民も多かったため、2010年には親ロシア派で強権的なヤヌコビッチ政権が誕生した。国民もEUかロシアかで迷っていた訳だ。、そしてヤヌコビッチ政権は、親ロシア的な政策に大きく梶を切った。今回の大混乱の直接的なきっかけも、ヤヌコビッチ政権がEUとの貿易協定締結を見送ったことだ。

もちろん、ウクライナとしては、二者択一ではなく、EUとロシアの両方とうまく良好な関係を構築できればいいのだが、ロシアがそれを許さない。ロシアはウクライナを自分たちの関税同盟に取り込みたいと考えている。そして、将来的には、ソ連のようにユーラシア同盟として、政治的にも統合しようと考えているのだ。
それを承知しながらも、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領は、路線を転換してロシアを選んだ。ヤヌコビッチ政権が締結を見送ったEUとの貿易協定は、EU加盟の一歩となるものだったので、ロシアが経済制裁や経済支援というアメとムチで署名しないよう圧力をかけていたのだ。もともと親ロシア派だったヤヌコビッチ大統領には、路線転換のためらいは少なかっただろう。
しかし、この大統領の方針転換に猛反発して、西部地域を中心に、親EU派の市民や野党指導者らが反政府デモを始めたのだ。彼らは、ヤヌコビッチ政権との路線の対立だけでなく、ロシア的なヤヌコビッチ政権の強権政治や腐敗にも怒りを抱いており、ソ連時代に戻りたくないという感情も強い。そして、この反政府デモが手を付けられなくなり、ヤヌコビッチ大統領は夜逃げして、ヤヌコビッチ政権はあっさりと崩壊したのだ。

ヤヌコビッチ大統領の腐敗と言えば、大統領の豪邸はすごかった。シャンデリアが42億円だとか、バスタブの蛇口やゴミ箱まで黄金に輝いているのは理解の範囲だが、池には船が浮かんでいるし、ゴルフ場や動物園まであるとなると、もう理解を超越している。自分の家に動物園を作りたいという発想が分からない。

(幹事長)「動物園は臭いよなあ」
(石材店)「お客さんを驚かす目的ですかねえ」


こういうアホな事をしていたのがバレてしまったので、いくらロシアの後ろ盾があっても、もうヤヌコビッチ政権が復活することは無いだろう。
ていうか、そもそも、いくら市民が大規模なデモを繰り広げたからと言って、コソコソと逃げ出した大統領に求心力は無いだろう。それにしても、ああもあっさりとヤヌコビッチ大統領が夜逃げするとは思わなかった。決死の覚悟で市民を虐殺しまくっているシリアのアサド大統領の爪の垢でも飲ませたいぞ

(石材店)「おや?幹事長はアサド大統領も応援しているんですか?」
(幹事長)「それについては、また別の機会に」


いくらヤヌコビッチ大統領が強権政治を繰り広げていたと言っても、アサド大統領みたいに命をかけて政権を守るほど軍部が運命共同体になっている訳でもないから、夜逃げも仕方ないかもしれない。アサド大統領側にいる人たちは、アサド大統領を守るというより、政権が崩壊したら自分たちの命も危ないから必死になっているのだが、ヤヌコビッチ大統領の取り巻きや軍部は、そこまでしてヤヌコビッチ大統領と心中する必要は無いから、ヤヌコビッチ大統領がデモ隊を鎮圧しようとして混乱が広がったら、あっさりと寝返ったのだ。

ただし、いくらヤヌコビッチ政権が崩壊しても、上にも書いたようにウクライナ国民は一体ではないので、国全体が同じ方向には進まない。特に、歴史的にロシアとの関係が深く、大統領の出身地でもある東部では、親ロシア的風潮が強い。その中でもクリミアは特殊だ。


クリミア

ウクライナの中でも、クリミアは特にロシアにとって重要だ

そもそも、かつてクリミアはロシアの領土だった。それが、ウクライナが帝政ロシアに併合されて300年となる1954年にウクライナに譲渡されたのだ。当時、ソ連共産党書記長だったフルシチョフによって、ウクライナのモスクワに対する忠誠心への褒美として譲渡されたのだ。フルシチョフがアホだったわけだが、当時は、まさかソ連が崩壊するなんて思ってた人はいなかったから、ロシアからウクライナへの譲渡と言っても、あくまでも形式的なものであり、後々大問題になるとは思わず、お気楽に譲渡してしまったのだ。なので当時は、クリミア地方でも、譲渡に対して特に大きな反対運動は発生しなかった。

このような背景があるから、クリミアではロシア系住民が多数派であり、ロシアに対する思い入れが強く、ロシアのパスポートを持つ住民も少なくない。そのため、ソ連崩壊後の1990年代にはウクライナからの独立運動が激化した。それに対して、ウクライナ政府は1996年に、クリミアに独自の憲法や選挙実施、予算執行など強い権限を持ちうる自治共和国の地位を与えた。なので、クリミアが独立すると言っても、そんなにトンでもない話ではないのだ。クリミア自治共和国憲法には、住民投票や議会の決議によって自治共和国の領土を変更できるとしているのだ。一方、ウクライナ憲法は「ウクライナ領土の変更は全土での国民投票によってのみ決定される」と規定しているから、矛盾を孕んだ条項だ。

また、大きな変動要因とは言えないが、タタール人の問題もある。
もともとクリミアにはタタール人が住んでいた。18世紀までは、ウクライナへ来襲して、ウクライナ人の奴隷狩りを行っていたと言うから、問題の根は深くて複雑だ。18世紀終盤の露土戦争の結果により、クリミアはロシア帝国に併合され、ロシア人やウクライナ人が移民として大勢押し寄せたため、19世紀初めにはタタール人は少数派になった。20世紀初めのロシア革命時には、クリミア共和国の設立を宣言したんだけど、ソビエト政権がこれを解散させてクリミア自治ソビエト社会主義共和国として、再びロシアというかソ連の一部になった
さらにその後、スターリンにより、タタール人はドイツに協力したという嫌疑をかけられ、全住民が中央アジアに強制移住させられた。草木も生えない中央アジアに全住民を強制移住させるなんて、ユダヤ人を根絶しようとしたナチスドイツに匹敵する驚愕の暴挙だが、ソ連国内の話であり、当時は問題にはならなかった。スターリンの死後は、クリミアへの帰還運動が始められ、現在は約25万人のタタール人がクリミアに住んでいるが、それでもクリミアの全人口の1割を占めるに過ぎず、あくまでも少数民族であり、政治力は乏しい
だが、タタール人こそが元からクリミアに住んでいた原住民であり、ロシアによる併合や強制移住させられていたために少数派に転落したという歴史があるため、再びロシアに編入されるなんて事は許容できないだろう。またウクライナに対しても複雑な気持ちは抱いているはずだ。彼らとしては、本当はどこからも独立したいだろう。しかもタタール人はイスラム系なので、テロとか始めたら、またまたトンでもない内戦が勃発しかねない。

このような複雑な歴史的背景を持つクリミアだが、ロシアとして最も重要な問題は、クリミアがロシア黒海艦隊の軍港がある戦略的に重要な地域だということだ。ソ連崩壊後は、ロシアはウクライナから海軍基地を借りる形で駐留しているので、ウクライナがEUに加盟なんかしたら、基地の継続使用ができなくなるかもしれないという危機的状況になるのだ。だから、ウクライナ全体がEUの方に逃げていったとしても、少なくともクリミアだけは死守するだろう。絶対に死守するだろう。

もちろん、ロシアとしては、軍港を守るために侵攻するとは言えないので、クリミア侵攻の大義名分は「ロシア系住民の保護」だ。ロシアの国会は外国の領土編入手続きを簡素化する法案を成立させたので、クリミアが住民投票でウクライナから独立すれば、速やかに編入する可能性がある。成立した法案とは、「外国の特定の地域に実効的な統治権を持つ政権が存在しない場合は、その地域の住民投票の結果に基づいて、その領土をロシアに編入できる」という内容だ。なかなか強引で自分勝手な法律だ。ロシアはウクライナの暫定政権を認めていないし、暫定政権は実態としてクリミアを実効支配できてないから、ロシアが決めた条件に合致するのだ。

歴史的に、ロシアって国は、周辺国に平気で侵攻してきた。古くはハンガリーやチェコスロバキアで民主化運動を粉砕するために軍事介入したし、アフガンにも侵攻したし、最近ではグルジアの南オセチア自治州とアブハジア自治共和国に軍事介入して、強引に独立させて保護国にした。
ロシアに限らず、アメリカにしたって中国にしたって、大国は自国の利益のためなら、どんな屁理屈をこじつけてでも平気で他国に軍事侵攻する。大国とは、そういうものだ。

ただ、ロシアもクリミア侵攻は簡単に済むだろうが、それを越えて、ウクライナの東部、南部に広く侵攻しようとすれば、大きな反発をくらうだろう。いくら親ロシア的でロシアとの関係強化を望むウクライナ人でも、ロシアに併合されてもいいとまで考えている人たちは、ごく一部だろう。ロシアが軍事侵攻し、ウクライナ軍との間で戦闘状態になると、ウクライナ人の民族意識が刺激され、反ロシアに転じる可能性もある。


EUの対応

クリミアを併合しようとするロシアの行動に対して、当然ながらEUは反発し、制裁を口にしている
だがしかし、EUの態度は、明らかに腰が引けているウクライナはロシアから欧州に送られる天然ガスの中継地点なので、EUはウクライナ情勢の安定を望んでいるのだ。上にも書いたように、以前、ウクライナに親EU政権が誕生した時、ロシアはウクライナ向けのガス価格を引き上げ、それを拒んだウクライナに対してガスの供給を止めてしまった。ガスのパイプラインはつながっているため、ウクライナへのガス供給を止めるという事は、ウクライナを経由してヨーロッパ諸国に供給しているガスも止まることを意味する。そのため、ヨーロッパ諸国は大混乱に陥ったのだ。あの悪夢の再現は避けたいので、EUとしては口では強い非難を繰り返しながらも、本格的な制裁措置にはなかなか踏み込めない。ロシアのウクライナ侵攻は容認したくないんだけど、だからと言ってロシアと全面対決はしたくないのだ。

もちろん、これはロシアにとっても同じだ。ガス供給に限ったことでなく、EUとロシアの経済関係は緊密だ。関係の悪化は両者にとってメリットにならない。お互いに、新冷戦になんかなって欲しくない。EUはエネルギーの輸入元の多角化を進め、ロシアからのエネルギー供給依存度を減らすよう努力し続けており、ガス供給が止まれば、ロシア経済にも大きな悪影響が及ぶ。
だが、しかし、上に書いたように、ロシアにとってクリミアは軍事上の重要拠点なので、何があっても死守するだろう

そもそも、EUとしても、どこまでウクライナを支援するのか、非常に怪しい。ウクライナの国民が不満を爆発させ、ヤヌコビッチ政権を崩壊させた背景には、経済失政がある。ウクライナ経済はEU向けの輸出が落ちこみ、IMFの融資も打ち切られていたのだ。
ウクライナにできた暫定政権に対し、とりあえずEUは100億ユーロを超える支援策を発表したから、ウクライナは当面はデフォルトを防げるだろう。しかし、これは何もEUはウクライナを助けるためではなく、あくまでも国際金融市場を守るためだ。ウクライナのデフォルトを防げなければ、金融市場が大混乱を起こし、EUの景気に多大な損害を及ぼすからだ。ヤヌコビッチ政権がEUとの貿易協定締結を見送ったのは、ロシアの脅しがあっただけでなく、EUから経済支援を断られたことも大きな要因だ。今さらEUがウクライナ支援を打ち出しても、ちょっと手遅れだ。

ヤヌコビッチ政権が混乱する中で釈放されたティモシェンコ元首相は、「ウクライナは近くEUに加盟する」なんてブチ上げたが、何の根拠も無いし、EU加盟は当面はあり得ない。EUへの加盟は、そう簡単には認められないのだ。


アメリカの対応

アメリカもEUと足並みを揃えてロシアを非難している。経済的にはEUほどロシアとの関係が緊密でないから、EU以上にロシアのクリミアへの軍事介入を強く非難している

しかし、アメリカの主張は、実は説得力に乏しい。なぜなら、シリアでは逆の立場で同じような事が行われているからだ。

(石材店)「え?逆なんですか?アメリカは、どっちも市民側を支援しているでしょ?」
(幹事長)「ウクライナでは政権がひっくり返ったから、既に立場が入れ替わっている」


シリアでは、強権的な大統領が政権を維持し、政権に反対する市民との間で内戦が続いており、アメリカやEUは反政権の市民軍側に着いてバックアップしている。一方、ウクライナでは、新政権に反対するクリミア地方の住民の行動をロシアがバックアップしている形だ。違うと言えば違うけど、同じと言えば同じだ。立場はコロコロと逆転するのだ。

つまり、国際法がどうのこうのとか、正義がどうのこうのとか、EUもアメリカも口先ではきれい事を言ってるが、結局は自国の利益になる方を応援しているだけの事だ。
EUやアメリカが応援している側の方が、より民主的であり、ロシアが応援している方は強権的な政権だというのは事実だが、シリアにしてもウクライナにしても、強権的政権に反対している勢力の中には、過激な原理主義者も多く混じっており、正義や民主主義で片付くような甘っちょろい話ではない

ヤヌコビッチ政権を打倒し、権力を奪取した暫定政権も、欧米と同じような基本的思想を持つ連中というわけではない。西ウクライナのガリツィア地方に基盤を持つ排外主義的なウクライナ民族至上主義者は、かなり危ない存在だ。この地域では、かつて反ソ連の武装闘争が行われていたこともあり、反ロシア感情は強いが、だからと言ってEUと同じ思想を持っている訳でもない。バカみたいにアラブを春を支援したら、その後に反欧米のイスラム政権が出来てしまい、かえって以前より関係が悪くなったのと同じ状況に陥る危険性があるのだ。
また、ヤヌコヴィッチ政権崩壊の原動力となったデモを主導していたグループは、民主的プロセスを経ることなく、暴力によって政権を転覆させた連中であり、ヤヌコヴィッチ政権と、どっちもどっちだ。

そして、最も重要な事は、いくら口先で非難したって、アメリカがウクライナに直接、軍を派遣することが考えられないって事だ。アメリカの弱腰オバマは、「アメリカはもう世界の警察官にはならない」と宣言した。もちろん、アメリカの利害がからむ地域なら、平気で侵攻するだろうけど、アメリカに取ってウクライナは、それほど重要って訳ではない。アメリカはウクライナと直接、国境を接していないからお気楽に強い口調で非難しているけど、直接、国境を接していないから重要性も乏しいし、直接、介入する気もないのだ。EUは同盟国であり、同じ立場だし、ロシアなんかに大きな顔をされるのは嫌だが、だからと言って軍を派遣する可能性はゼロだ。軍を派遣すると金もかかるし人的損害も被る。あれほどの被害を被った割には成果の乏しかったイラクから撤退し、あれほどの犠牲を払ったアフガンからも撤退しようとしているアメリカに、またまた新たに侵攻する気合いは無い。中東と違って、ウクライナには死守すべきアメリカの利益は無いのだ。また、アメリカにとっても、ロシアとの決定的な関係悪化は避けたいところだ。なんとかロシアが自重してくれるのを願っているのだろうが、何度も言うように、ロシアに取ってもクリミアは何があっても絶対に死守すべき地域だから、妥協の余地は無い。アメリカだって、口では何と言おうと、クリミアがロシアに取って重要だってのは分かっているから、ロシアが折れるとは期待していないはずだ

(石材店)「これからどうなりますかねえ?」
(幹事長)「どうだ?ワクワクするだろ?」


クリミアはロシアが併合するのか、南オセチアのように独立国の形を取るかは分からないが、いずれにしても実質的にはロシア領になるだろう。それ以上に、ウクライナ本土にまでロシアが侵攻するかどうかは分からない。私としては侵攻して欲しいが、さすがにロシアも自重して、そこまでの本格的な戦闘にまでは至らないだろう。
EUとアメリカは小手先の制裁措置でお茶を濁し、ウクライナは中途半端にEUに組み込まれていくだろう。だが、しかし、ほんの数ヶ月前まで、ウクライナがこんな大混乱に陥るとは予想もしてなかったので、これからもどうなるか、目を離せないぞ。わくわく。

(2014.3.13)



〜おしまい〜





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