美味しんぼ事件

〜 どうでもいい低レベルな漫画 〜



美味しんぼという漫画に、東京電力福島第1原子力発電所の事故を題材にした話の中で、「福島には放射線被曝が原因で鼻血が出た人がたくさんいる」とか、「ガレキを受け入れた大阪で、ガレキを処理する焼却場の近くに住む住民に、鼻血や、眼や喉や皮膚などに不快な症状が出ている」といったトンでもないデタラメが描かれていることが分かり、大問題となっている。

たかが漫画に何が描かれていようが、どうでもいいような気がするけど、なんとこの漫画、100巻以上出て、累計で1億冊も売れているんだそうだ!

(幹事長)「い、い、い、いちおくさつぅ〜っ???漫画って、そんなに売れるんか!?」
(石材店)「人気漫画ですからね」


「美味しんぼ」という漫画の存在は知っていたけど、そんなに人気があるとは知らなんだ。

(幹事長)「どこかで一度か二度、パラパラと見たことがあるような無いような気がするけど、全くつまらなかったぞ。何が面白いんだ?」
(石材店)「じゃ幹事長はどんな漫画が好きなんですか?」
(幹事長)「そら明日のジョーとかワイルドセブンとかゴルゴ13とか」
(石材店)「偏ってますね。古いし」


明日のジョーにしてもワイルドセブンにしてもゴルゴ13にしても、血湧き肉躍りワクワクして面白いけど、美味しいもの食べる漫画の何が面白いのか全く理解できない

(石材店)「美味しいものは好きでしょ?」
(幹事長)「好きだけど、漫画で読むほどの事はないぞ」


誰だって美味しいものは好きだろう。目の前に美味しいものと不味いものがあって、どっちを選んでもいいのなら、もちろん美味しいものを選ぶ。しかし、私はグルメではない。高い金を払って、とか、わざわざ遠くへ出かけていって、とかしてまで美味しいものを食べようとは思わない
私は子供の頃の貧しい食生活のおかげで、基本的に、何を食べても美味しく感じる。高級品の違いなんて分からないのだ。舌が肥えていないのだ。お子様の舌なのだ。好き嫌いも無いことは無いが、大したことはない。私が唯一うんちくを語れるのはうどんだが、うどんは高級食材では無いので、グルメなんていう世界には入らない。
そもそも私は、食べ物に、そんなに執着心が無い。学生の頃は、同じ金を使うのであれば、食べたらそのままウンコになる食事より、本を選ぶ、というスタンスで、昼食を抜いて文庫本を買ったりしていた。

てことで、食事に執着心が無く、舌が肥えていない私は、グルメとは全く無縁な人生を送っており、「美味しんぼ」なんて漫画には興味も関心も無い。なので、そんな取るに足りない漫画が何を描こうが知ったこっちゃないんだけど、なんと1億冊も売れているとなると、その影響力は大きいと考えざるを得ないので、批判すべきは正しく批判しなければならない

問題点は、もちろん、あまりにも非科学的な描写だ。漫画の中では、放射線の影響で登場人物が鼻血を出すのだが、そんな事はあり得ない。ものすごい大量の放射線被曝があれば、骨髄の造血能力が著しく抑制されて白血球や血小板が減少することで出血しやすくなる、というのはあり得る。しかし、これは極めて大量の放射線を被曝した場合であり、その場合は、鼻血も出るだろうけど、たぶん死ぬだろう。福島の原子力発電所の敷地外において被爆する放射線量ではあり得ない事だ。そんな低い放射線量で鼻血が出るんだったら、はるかに高い放射線を恒常的に浴びている宇宙飛行士や、CTスキャンを受けた人は、鼻血が止まらなくて困っちゃう。ましてや、福島から運び込まれたガレキを処理する焼却場の近くなんて、これっぽっちも放射線は被曝しないんだから、100%あり得ない話だ。バカバカしくて論評する気もおきない低レベルなクズ漫画だ

しかし、一般の人が、この漫画を読んだら、信じる人も出てくるかもしれない。1億冊も売れている本だと、影響力は大きいような気がする。なので、良識と正確な知識のある人が声を大にして批判せねばならない。

(幹事長)「それにしても1億冊も売れたら、印税収入は何十億円とか何百億円だろうなあ」
(石材店)「どうしても、そっちに関心が行きますか」
(幹事長)「漫画って、そんなに儲かるのか。僕も漫画家になろうかなあ」
(石材店)「同じような勘違いで野垂れ死にした若者が何十万にもいますよ」


漫画家に限らず、スポーツ選手とか芸能人とか、売れる人と売れない人の格差が激しいよなあ。ごく一部の売れてる人は平気で何十億円って稼ぐけど、大半の人は貧困生活だもんなあ。
なので、売れるためには、目立つことをやるのは仕方がない。「美味しんぼ」が、こんな嘘っぱちを描いたのも、刺激的で話題になる内容によって売上を伸ばすためなんだろう。

(幹事長)「もう1億冊も売れてるんだから、これ以上、嘘っぱち描いて売上を増やす必要も無いと思うけどなあ」
(石材店)「トップクラスの人気を維持しなければならないっていうプレッシャーがあるのかもしれませんね」


このデタラメな嘘っぱち漫画に対しては、事故を起こした東電に対して批判的な福島の住民も、地元の医師も声を揃えて「周辺で、そんな事実は無い」と断言している。こんな嘘を描かれて、知らない人が信じたりしたら、大迷惑だ。「影響力のある漫画で、医学的根拠のないことを言うことの影響を考えてほしい」と批判している。

また「美味しんぼ」には福島県双葉町の前町長が登場して、「今の福島に住んではいけないと言いたい」なんて言ってる。多くの町民が地元で頑張っているというのに、前町長ともあろう者が「福島に住んではいけない」だなんて、あまりにも大胆と言うか無責任で独りよがりな発言であり、これに対しても地元住民からは批判の声が上がっているが、これは、まあ、科学的事実とかではなくて個人の感想だから、我々部外者は「言うな」とは言えない。でも、無責任な発言であることは確かだ。

てことで、「デタラメな嘘っぱち漫画で社会を混乱させた罪により、1億冊の印税収入を全て福島に寄付せよ」なんていう判決を出せたら気持ち良いのにな。

ところで、今回の事件で面白かったのは、マスコミの態度だ。日本社会を混乱させようとする中国の手先である独善的マスコミ共は、社民党なんかと一緒になって日頃から反原子力キャンペーンの展開に余念がないが、今回の事件に対する態度は微妙だ。「美味しんぼ」は反原子力を訴えているから味方にしたいものの、かと言って、全面的に賛成すると福島を敵に回すことになるので、とても曖昧な態度だ。「もう福島には住めない」との発言に対しては否定しながら、「美味しんぼ」が問題を提議した事に対しては評価している。まことに分かりにくい。マスコミも同罪だ。

(2014.5.22)



〜おしまい〜





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