ワールドカップ ブラジル大会(その6)

〜 ゴールキーパーの活躍 〜



ブラジルで行われている2014年FIFAワールドカップだが、決勝トーナメントになってから白熱した試合が続いている

結局、準々決勝に駒を進めたのは、グループリーグを1位通過した8チームだった。これには死のグループDを奇跡的に勝ち抜いたコスタリカなんかも含まれていたが、やはりまぐれではなかったことが証明された。順当な結果だ。
さらに準決勝に進んだ4チームは、決勝トーナメントが始まる前に世界中の専門家の大半が予想した通りの結果になり、そういう意味では番狂わせは一切無かった。グループリーグでは番狂わせもいくつかあったけど、ここへ来て、さすがに実力通りの順当な結果になっている。
とは言え、決勝トーナメントの試合は、実に伯仲しており、順当な結果のように見えながらも、紙一重の勝利だった試合も多い。

グループリーグの戦いでは、全48試合中、どちらか1チームが5点もとった試合が2試合、どちらか1チームが4点とった試合が日本相手のコロンビアを始めとして5試合、どちらか1チームが3点とった試合は11もあったが、決勝トーナメントの1回戦8試合と準々決勝4試合の計12試合では、最多でも2点しか入らなかった。しかも、延長戦が6試合、PK戦でようやく決着したのが3試合もあった。

これら僅差の試合が多いのは、戦力が拮抗しているからとも言えるが、それなら4対3とかいった試合があってもよさそうなものだが、最大でも2点しか取れていないってのは、さすがに決勝トーナメントに勝ち上がってきたチームは、どこも守備力がしっかりしていることの表れだろう。

中でもゴールキーパーの活躍がすごい。本当に素晴らしい。どんなスポーツでも、一番の見物は得点シーンであり、サッカーも点が入るところが一番面白いのは当然だが、今回の決勝トーナメントを見ていると、決定的場面でゴールキーパーがスーパーセーブした場面も非常に面白かった

最も凄かったのは、残念ながら準々決勝でオランダに敗れたコスタリカナバスは驚異的な活躍を見せた。グループリーグでのイングランド戦でも大活躍するなど、死のグループDを首位で通過する原動力にもなったが、決勝トーナメント1回戦のギリシャ戦ではPK戦での勝利に貢献し、準々決勝でもオランダの凄まじい猛攻を食い止め、PK戦にまで持ち込んだ。残念ながらPK戦では敗れたが、イングランド戦、ギリシャ戦、オランダ戦の3試合でMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出された。ゴールキーパーとして、凄いことだ。イングランド戦、ギリシャ戦、オランダ戦の3試合は引き分けだったため、結局、コスタリカは1試合も負けなかったことになる。ナバスの大活躍のおかげだろう。

準決勝に進んだ強豪4チームのゴールキーパーも、負けず劣らず凄いのが揃っている。
優勝候補であり地元開催でもあるため、絶対に負けられないブラジルだが、実は、そんなに思ったほど圧倒的に強い感じもしない。そのブラジルの準決勝進出を支えてきたのがブラジルのジュリオセザールだ。彼の大活躍が無ければ、準決勝まで来られなかっただろう。

また、ドイツノイアーは、アルジェリア戦で見せたように、ペナルティーエリア外にまで積極的に出て行って相手の攻撃を封じていた。ワクワクするような大活躍だった。

オランダは、先発ゴールキーパーのシレッセンは特に目立った活躍は無かったが、PK戦突入が確実になった終了間際にPK戦用に交代したクルルが活躍した。こんな交代はワールドカップ史上、初めての出来事だったが、187cmの長身を活かし、コスタリカの2人目と5人目のキックを止め、見事準決勝へ進出した。この試合は、ナバスの大活躍でオランダの猛攻を防いでPK戦にまで持ち込んだコスタリカに勝たせてあげたかったが、オランダのクルルは見事だったから、許してあげよう。

もちろん、アルゼンチンロメロだって大活躍だし、準々決勝では敗れたものの、コロンビアオスピナ、フランスロリス、ベルギークルトワも、なかなか凄かった。

さらに、決勝トーナメントの1回戦で敗れたチームのゴールキーパー達だって凄かった。
ナイジェリアエニェアマは、結局、メッシに決められてしまったけど、それまでは見事に防いでいたし、メッシのゴールは防ぎようが無かったと言えよう。試合後にエニェアマとメッシが笑いあいながら話していたのが印象的だった。

アメリカハワードも、ベルギーから猛攻を受け30本もシュートを浴びたが、これを見事に防いで延長戦にもつれ込んだ。さすがに延長戦では力尽きて敗れたが、髭ダルマのような風貌と共に強烈な印象を残した。

また、アルジェリアエムボリや、メキシコオチョア、スイスベナリオ、チリブラボも素晴らしかった。

これらのゴールキーパー達が、素晴らしいスーパーセーブを繰り返しながらも、最後には残念ながら消え去っていくのは、誠に残念だけど、これもまた仕方ないことだわな。

(石材店)「仕方ないのはいいですけど、最近、ワールドカップの記事しか書いてないですよね」
(幹事長)「ここんとこ、ライブと録画を含め、家に居るときはテレビでワールドカップばかり見ているから、それ以外の事を考える余力が残ってないのよ」

(2014.7.7)



〜おしまい〜





独り言のメニューへ