個人情報の流出

〜 たいした情報ではないのだが 〜



通信教育の大手ベネッセコーポレーションから、通信教育サービスを利用している顧客の個人情報約760万件が外部に流出していたことが大問題になっている。
ベネッセにしか登録していないはずの個人情報にもとづき、他社によるダイレクトメール送信や電話勧誘が行われているというクレームが急増して、発覚に至ったものだ。

(幹事長)「そんなに大問題なのか?」
(石材店)「認識が甘いですね。今じゃ、こういった個人情報の漏洩は企業の存立に関わる大問題ですよ」


確かに「個人情報の流出」なんて言ったら、ちょっと怖い響きがある。とても個人的な趣味や嗜好が漏れたら恥ずかしいかも。
ただ、今回の事件では、今のところ漏えいが確認されたのは「利用者の氏名」「住所」「電話番号」「生年月日」「性別」などだ。クレジットカード番号とか金融機関の口座情報などの危ない情報は漏れていない。また、成績情報などの漏えいも確認されていない。要するに、漏れたのは「名簿」だ

(幹事長)「今は、たかが名簿が漏れただけで、そんなに大騒ぎするのか?」
(石材店)「一部に大騒ぎする人がいて、マスコミや弁護士が煽りますからね」


マスコミや弁護士は、自分の金儲けのためなら何でもかんでも大事件にしてしまうが、しかし、名簿くらい、ことさら事件視しなくても、既に漏れまくっているんじゃないか?うちも、娘が受験生になれば塾や予備校のDMがワンサカ届いたし、成人に近づくと振り袖のDMなんかが山ほど届く。名簿が漏れてなければ届くはずがない。
しかし、そういったDMが届いたら、そんなに迷惑なのか?むしろ役立つことがあるんじゃないか?便利じゃないのか?なんでDMが届いたくらいでクレームを付けるんだ?

(石材店)「最近は、なんでもクレームを付ける人がいるんですよ。
       それに、DMならまだしも、電話がかかってくると嫌でしょ?」
(幹事長)「確かに、電話がかかってくると鬱陶しいかな」


塾にしても振り袖にしても、電話もしょっちゅう掛かってくる。最近は、たいていの人は、何か用事があれば個人の携帯電話に掛けてくるようになった。私も家内も娘も、知人からの用件は、ほとんど携帯電話にかかってくる。なので、固定電話が鳴ると、たいていは勧誘か詐欺だ。たまには、まともな用件の電話もあるので、取らない訳にはいかないが、固定電話が鳴ると、表示された電話番号から類推し、怪しい番号だったら取らないし、取っても、勧誘や詐欺だったら、たちどころに電話を切る。だから、それほど迷惑で困るって訳ではない。
てことで、名簿が漏れていて、DMや電話がきても、訴えるほどの迷惑ではないぞ
うちの会社も、かつては従業員名簿を冊子にして配ってくれていたのに、いつの間にか、無くなってしまった。あれは大変、便利だったので、無くなって非常に不便になったが、恐らく、外部に流出することを防ぐために廃止になったのだろう。て言うか、以前は、全従業員に1冊づつタダで配ってくれたうえに、希望があれば、何部でも有料で購入できてたから、それって、外部への流出を念頭に置いた措置だったような気もする。たかが名簿くらい、それくらいで良いような気がするんだけど。

この手の話になると、いつも思い出すのが、昔、アメリカに住んでいた頃の話だ。その当時は、まだ日本ではDMはほとんど無かったし、名簿なんて漏れて流通するのが当たり前だったから問題にもなってなかったが、アメリカでは一部でDMを問題視する意見が出始めていた。当時のアメリカのDMの量は、今の日本とは比較にならないくらい大量だったから、鬱陶しく思う人も多かったのだろう。
それに対して、もし仮にDMを規制してしまうと「孤独な独居老人が寂しくなって自殺が増える」なんて議論が出ていた。誰からも何の手紙も届かないような孤独な老人にとって、DMが慰めになるという議論だ。「そんなアホな」という人もいるが、なんとなく分かるような気もする。これは、孤独な老人が親切そうなセールスマンから大量の布団を買ってしまう原因にも通じている。
ま、それはどうでもいい議論だが、たかが名簿が漏れたくらいで大騒ぎする風潮も、ちょっと行き過ぎのような気がする

(2014.7.13)



〜おしまい〜





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