高校野球県大会決勝

〜 悔しい敗退 〜



高校野球の夏の大会の香川県予選を見に行ってきた。
僕の母校ではないんだけど、ちょっと関係する高校が準決勝に進み、テレビで見てるうちに、居ても立ってもいられなくなり、球場まで見に行くことにした。

香川県営球場は、昔は街のど真ん中にあって便利だったんだけど、手狭になったという理由で、とんでもなく不便な郊外に移転した。街中からとんでもなく遠いだけでなく、公共交通機関も無いから、車で行くしかないんだけど、道路が1本道なので、ものすごい渋滞になって、とんでもなく混雑するのだ。野球場なんて、手狭でもいいから街の真ん中にあるべきだと思う。行政は、いったい、どういう発想しているのか理解に苦しむ。四国は野球の独立リーグである四国アイランドリーグが出来て10年くらいになるが、あんなへんぴな場所に球場がある限り、観客を増やすのは絶望的だ。
香川県営球場へ野球を見に行ったのは、いつのこと以来か覚えてないんだけど、前回行った時は、帰りにものすごい渋滞になって苦労した記憶が残っている。いったい何の試合だったか覚えてないんだけど、帰りに球場から車を出すのに、ものすごく時間が掛かった記憶だけが鮮明に残っている。

なので、今回は車じゃなくて自転車で行くことにした。もちろん、自宅から球場まで13kmもあるので、通勤用のママチャリでは行けない。ヘルメットを被り、自転車用のジャージを着て、完全武装でロード用バイクに乗って行ったのだ。ランニングよりはマシとはいえ、この猛暑の中を自転車で行くと、暑くて暑くて汗びっしょりになった。信号もあるし、途中に坂もあるから、苦労しながら30分程度かかって球場に着くと、意外なことに、全然、混雑していない。客席は、双方の応援団席は生徒たちで結構、埋まっているけど、それ以外は大して入っていない。特にバックネット裏なんかはガラガラだ。ガラガラの大きな理由は暑さで、太陽の位置の関係でバックネット裏は日光が激しく照りつけるため、ギンギンに暑いのだ。内野席でも、最上部になると屋根で日光が遮られるので、そこそこ客が入っている。でも、どうせ見るんならバックネットの真裏が良いので、暑さは我慢して座る。周りには、ほとんど客はいない。

試合は、僕が球場に到着してすぐに追加点が入り、その後は淡々と進んで、3点差リードのまま9回の表2アウト、ランナー無しまできた。「暑い中を苦労してはるばる自転車で来たのに、あっさり終わるのは残念だなあ」とか、「プロ野球だったら、2アウト、ランナー無しからでも、すぐに3点くらい入ってもおかしくないけど、高校野球なら、さすがに勝利は間違いないわな」なんて余裕を持って見ていたら、なんとポンポンとヒットやらホームランで、あっという間に3点が入り、あわや逆転されそうにまでなったが、なんとか同点で切り抜けた。で、そのまま延長戦に入り、13回の裏に、なんとかサヨナラ勝ちとなった。夕方まで続く予想外にスリリングな試合となり、わざわざ見に来た甲斐があった。

当然、準決勝と決勝の間は休養日が1日くらいあるものとばかり思っていたら、なんと翌日が決勝戦だ。当初は、この日は登山に行く予定だったけど、山の上は雷雨の恐れがあるって事で登山は延期になり、この日も野球を見に行くことにした。
前日の様子から考えて、車で行っても渋滞は無いだろうと思い、この日は車で行った。あんまり早く着きすぎると炎天下の客席で待たないといけないから、試合開始ギリギリに到着するように出かけた。
そしたら、なんと、球場のはるか手前から大渋滞になっていた。ゴールデンウィークの高速道路のような大渋滞だ。なんで準決勝はガラガラなのに、決勝になったら大渋滞になるんだ?決勝と準決勝って、そんなに集客力って違うのか?
なんとか球場に入っても、駐車場が満杯で、本来は駐車場じゃない場所に誘導されて車を停めて、結局、客席に入った時には、試合は3回まで進んでいた。しかも、今日は炎天下のバックネット裏までぎっしり客が入っている。両チームとも、前日の準決勝に出ているのに、前日はガラガラで今日は満員だ。本当に不思議だ。

決勝戦の相手チームは、前評判はいまいちで、僕の考えでは、前日の準決勝が事実上の決勝戦であり、甲子園出場はほぼ確実と思っていたのだが、その通りに、今日も先取点を取り、リードを保って優位に試合を進めていた。ところが、前日の夕方まで延長戦を戦った疲れから、ピッチャーはボロボロ状態で、ヒットをポンポン打たれ、その後、同点に追いつかれてしまった。それでも、なんとか踏ん張っていたのだが、鬼門の9回の表に、遂に逆転されてしまい、そのまま負けてしまった。決勝打は、ファーストの前でイレギュラーバウンドして抜けていった不運なヒットで、非常に悔しい結果となった。
そして、何より、ピッチャーが前日の準決勝の疲れでバテバテになっていて、本来の力を発揮できなかったのが悔しい。前日に夕方まで延長戦を戦っているのだから、せめて間に休養日を入れて欲しい。他の県では、まだまだ日程が進んでいないところもあるんだから、1日や2日の休養日を取ったって、何の問題も無いはずだ。準決勝と決勝の間には、絶対に休養日を設けるべきだ
今回のチームは、結構いいピッチャーがいたから決勝まで進めた。いいピッチャーなんて、そうそう出てくるもんではないから、次のチャンスはいつになるか分からない。もう50年くらい決勝には進めないかもしれない。なので、ぜひとも今年、甲子園に出してやりたかった。


などと非常に悔しがっていたのだが、その日の夜のニュースを見て驚いた。石川県大会で9回表まで8対0でリードして、誰がどう考えても100%甲子園出場間違いなしだった小松大谷が9回裏に星稜に9点取られて逆転サヨナラ負けしたのだ。こんな事がありうるのか信じられない展開だが、その悔しさを考えると、9回の表に逆転されて負けた悔しさも少しは紛れた。

さらに、その2日後の東東京大会では、これまで決勝戦に10回も進みながら1回も勝てなかった二松学舎大付属が、遂に延長10回の末に勝利して、11回目でようやく甲子園に出場することができた。ここまで苦労しているチームがいることを思えば、甲子園って、そうは簡単に進めないんだなあって、しみじみ思う。

(幹事長)「それを考えれば、毎年、何十回も甲子園で試合をするタイガースって、すごいよなあ」
(石材店)「ちっとも」


(2014.7.29)



〜おしまい〜





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