イスラム国へ入る日本人

〜 危険すぎる行為 〜



イスラム過激派組織イスラム国に参加するためシリアに渡航しようとしたとして、北海道大学の学生が警視庁に捕まった。容疑は刑法の私戦予備および陰謀の疑いだ。そんな罪があるって事を知らなかったので、ちょっと驚きだ。

(幹事長)「自己責任で他国の戦争に参加するのは許されないのか?」
(石材店)「あんまり想定してなかった事態ですけど」


大学生が容疑を否定していれば、ちょっとややこしい話になるが、本人は「シリアに渡航し、イスラム国に加わり戦闘員として働くつもりだった」と話しているから、容疑ははっきりしている。
彼は、東京の古書店に掲示されていたシリアへの渡航を呼びかける張り紙を見て、イスラム国に戦闘員として加わるため、シリアに渡航する計画を立てていたのだ。

(幹事長)「しつこいようだが、戦争したいという純粋な希望により、自己責任で他国の戦争に参加するのは罪になるのか?傭兵部隊に加わるのも駄目なのか?」
(石材店)「そんなに行きたいんですか?」


今回捕まった北大生は、私と同様、軍事マニアであり、イスラム教への共鳴なんかじゃなくて、純粋に戦闘員として戦争に参加したかっただけのようだ。なので、私も彼の気持ちは良く分かる。単に純粋に戦闘員として戦争に参加したいっていうだけだ。サバイバルゲームに参加している人たちなんかも、みんな多かれ少なかれ同じような願望があるはずだ。どうせなら、サバイバルゲームみたいなおもちゃの銃器を使うんじゃなくて本物の銃器で撃ち合いたいはずだ

(石材店)「サバイバルゲームならいいですけど、ええ歳してシリアなんかに行かないでくださいね」

もちろん、ええ歳して、今さらシリアに行こうとは思わない。私の場合、失うものが多すぎるからだ。今回捕まった北大生は「就職活動に失敗した。日本での社会的な地位などに価値を感じられなくなり、シリアに行きたいと思った」なんて言ってるから、失うものが無かったからこその行動とも言えるだろう。
なので、失うものが無い若者、あるいは失うものなど無いと勘違いした若者が、安易に、実際にシリアを始めとする紛争地域に行って戦闘に参加することは、大いにあり得る話である。

などと思っていたら、本当にシリアで戦闘に参加していた日本人が現れた。彼は元自衛官で、昨年5月、シリアで別のイスラム過激派組織に戦闘員として加わり、戦闘に参加していたとのことだ。
彼は中学卒業後に自衛隊に入隊し、その後、自衛隊は辞め、安定した生活を送っていたのだが、何か派手で過激で面白い事をやりたくなったため、政治や思想的な信条は全く無いが、シリアで戦闘に参加したようだ。ただ、政府軍との戦闘で重傷を負ったため、2ヵ月で帰国している。

(幹事長)「命は失わなかったが、やはり危険なのは確かだなあ」
(石材店)「戦争なんだから当たり前でしょ。ゲームとは違うんですよ」


今回の事件で思い出したが、ちょっと前にも日本人がシリア北部でイスラム国に捕まって、「処刑するぞ」なんて脅されていた事件があった。既に日本のマスコミは忘却しているが、その後、あれはどうなったんだろう。彼も、立派な主義主張があった訳ではなく、単に軍事マニアとして幼稚な目的でシリアに渡っただけだ。

(石材店)「今、幼稚って言いましたね?」
(幹事長)「幼稚なのは、自分でも自覚があります。軍事マニアは全て幼稚です」


彼もサバイバルゲームのグッズなどを取り扱うミリタリーショップを営んでいたが、事業に失敗して自殺未遂を起こすほどにドン底に落ちたらしい。つまり、失うものが無かった訳だ。それで、人生を変えるというか現状を打破するためにシリアへ渡ったようだ。自分では日本初の民間軍事会社なんて称していたが、あくまでもミリタリーショップの延長であり、本当の民間軍事会社がどういうものなのかなんてまるで理解しておらず、極めて幼稚で考えが甘かったため、あっさりと捕まったようだ。彼が本当に処刑されたのかどうかは不明だが、あんな人に対して日本政府が巨額の身代金を裏で支払うとも思えないし、イスラム国は驚くほど命を粗末にする集団だから、おそらくあっさり処刑されただろう。

てな事を考えると、失うものが無かったとしても、よほどの覚悟が無ければ、安易に他国の紛争に戦闘員として参加するのは危険すぎると言えよう。

(石材店)「だから、そんな当たり前のこと、幹事長に言われなくてもみんな分かってますから」
(幹事長)「それでも、危険性を覚悟の上で自己責任で行く人たちは、頑張ってね」
(石材店)「以前、イラクで誘拐された日本人に対する冷たい態度と大違いですねえ」


それは、10年前にイラクでテロ組織に誘拐されたアホ日本人どもは、独善的で自己中心的な発想の独りよがりのNPO活動のためにノコノコとイラクに遊びに行き、誘拐されたうえに、「誘拐されたのは日本が自衛隊を派遣しているからだ。自衛隊を撤退させろ」なんて信じられない暴言を吐いた勘違いバカどもだったからだ。今回の軍事マニア達は、そんな独善的な態度ではなく、単に自分の趣味でコッソリと行こうとしている人たちだから、暖かく見守ってやってもいいかな、なんて思うのです。

(2014.10.13)



〜おしまい〜





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