衆議院解散総選挙

〜 貴重な時間を無駄にするな! 〜



突然、あまりにも突然、安倍首相が衆議院解散して総選挙に打って出た。選挙は、国際紛争と並んで私の最も好きなイベントなので、今回も選挙そのものはワクワク楽しくて仕方ないにしても、今回の選挙の無意味さには腹が立って仕方がない。

(石材店)「ご立腹の理由は?」
(幹事長)「選挙の大義名分が無いーっ!」


選挙に大義名分なんか要らない、あるいは大義名分なんて後から付ければいいもの、なんていう意見はある。それは、そうだ。確かに、そうだ。政治家同士の争いなんだから、大義も名分も義理も人情も必要はないだろう。しかし、それにしても今回の選挙は意義が無さ過ぎる。意味が無さ過ぎる。選挙の間は政治が停止してしまう。貴重な時間の無駄だ

(石材店)「安倍首相はアベノミクスの是非を問う選挙だと言うてますが」
(幹事長)「こじつけもいいとこだよなあ」


アベノミクスの是非を問うって、一体どういう意味だ?アベノミクス、アベノミクスって自分では言ってるけど、そんな偉そうな名前を付けるほどの政策はあったか?多少の金融政策なんかで株価は上昇したが、それ以外に特に政策らしい政策は無かったぞ。アベノミクスの是非を問うって言っても、具体的に何を問うっていうんだ?自分の名前を付けて恥ずかしくないのか?

(石材店)「幹事長はアベノミクスに否定的なんですか?」
(幹事長)「いやいや、株価が上がって万々歳です」


アベノミクスなんて言っても株価が上がった以外に、特に政策らしい政策は無いが、株価が上がった点は大いに評価できる

(石材店)「だいぶ儲けましたね」
(幹事長)「違うって。幼稚な民主党の低脳政策によって株価が下がって大きな損を抱えていたのが、ようやく解消されたレベルだよ」


なので、もうしばらくは株価上昇が継続して欲しい。

(幹事長)「どうでもいいだろうけど、ここへきて中国の株価も大きく上昇して、何年も抱えていた含み損が一気に解消されたぞ」
(石材店)「全くどうでもいい話ですね。て言うか、あれだけ大嫌いな中国の株を買ってること自体が信じられませんね」


日本株も上がるしアメリカ株も上がるし中国株も上がるし、ほんと久しぶりに喜びが沸いてくる年末になったが、それはそれとして、だからと言って今回の選挙に意味は無い。まだまだ今の金融政策を続けてもらわなければならない時に、アベノミクスの是非を問うなんて意味不明の選挙なんてやらないで欲しい。

(石材店)「消費税増税の延期の是非も問いたいって言うてますね」
(幹事長)「消費税増税延期こそ、愚の骨頂じゃないか!」


財政破綻が近づいているのは幼稚園児が見ても明らかだ。民主党政権で鳩山バカボンとキチガイ菅の跡を継いで、唯一まともな政権運営をした野田元首相が民主党政権の命と引き替えに実現した消費税導入なのに、アホみたいに延期するなんて、もう信じられない。当然のようにムーディーズは日本国債の格付けを引き下げた。いくら格付けを引き下げても、日銀がなんぼでも国債を買い支えるから金利は全く上昇の兆しを見せてないが、潜在的危機はどんどん膨れあがっていて、何かのきっかけで国債バブルがはじけたときには、日本経済は完全に破綻するぞ
そもそも消費税増税だなんて大騒ぎしているアホが一部にいるけど、増税幅はたったの2%だ。こんな少し上げたって、実は大して役には立たない。これからの超高齢社会の日本の福祉をなんとか維持しつつ、かつ日本を破産から救うためには、消費税は少なくとも20%は必要だって言うのが常識だ。高福祉のヨーロッパでは消費税は20%程度が当たり前だ。日本の場合は、超高齢社会が近づいているから、消費税を20%にしたところで高福祉とは言えない。今の福祉水準をかろうじて維持できるかどうかっていうレベルだ。それなのに、たかが2%引き上げるだけで大騒ぎしたあげく、延期するなんて、あまりに愚かな政策だ
財源が無いんだから、生活保護なんてものを止めてしまうとか、高齢者の医療費自己負担を若い人と同じく3割にするとか、そういう英断を下すのなら許してもいいけど、そういうバラマキは放置して、増税も延期するなんて、国を破綻に導く亡国政策だ

しかも、増税延期は愚かなだけでなく、選挙の争点にもなっていない。なぜなら、政治生命を賭けて消費税増税を実現した野田元首相の民主党までもが、増税延期に賛成してしまい、主要政党は揃って増税延期路線になってしまったから、何の争点にもなってないのだ。ひどい話だ。まさに衆愚政治の典型だ。アホらしくて、やってらんないよ、全く。

(石材店)「今回の選挙に意義が無いってのは野党も批判してますけどね」
(幹事長)「でも、それもおかしな論理だよな」


我々選挙民が、今回の不必要な選挙を批判するのは分かる。しかし、野党が同じ事を言うのは根本的におかしい。なぜなら野党は常日頃から政権を批判しているのだから、理屈の上では、常に選挙を待ち望んでいるはずだ。「選挙するな」って言うのは、今の政権が続いて欲しいってことだから、今の政策を続けて欲しい、ってことだ。あるいは、選挙したら自分らが負ける、つまり国民は政権を支持しているから我々に勝ち目は無いってことを認めているって事だ。「この時期に選挙するなんて暴挙を許してはいけない」なんて批判は、ねじれすぎて何を言ってるのか理解できない。

(石材店)「要するに、今の時期なら勝てるっていう安倍首相の判断なんでしょうね」
(幹事長)「それしかないよな」


あんまり誰も予想してなかったこのタイミングで選挙したら、野党は準備が出来てないし、株価上昇で支持率も堅持できているし、再び圧勝できるかも知れない。圧勝じゃなくても、少なくとも安定多数の確保は間違いないだろう。そうしたら、さらに4年間は思うままの政策を実現できる。アベノミクスの是非を問うなんてのは、苦しい言い訳に過ぎない。今のうちに勝っておこうという考えだろう。そもそも、解散は首相の特権だから、任期を2年も残して、勝てない選挙に打って出るはずがない。

やることが決まった選挙の意義を批判しても、今さら仕方ない。圧勝するのも目に見えているから、これからの4年間は、規制緩和と自由貿易と子育て支援と増税を伴う財政健全化と原子力開発推進と憲法改正と中国撲滅に邁進して欲しい。

(2014.11.29)



〜おしまい〜





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