ナッツ・リターン

〜 会社を世襲させるな 〜



大韓航空の女性副社長が、自分の会社の機内で客室乗務員のナッツの出し方に激怒し、機体を引き返させてサービス責任者であるチーフパーサーを降ろす、というナッツリターン事件が大きな話題となった。

(幹事長)「事件はくだらないが、ナッツリターンってネーミングは秀逸やなあ」
(石材店)「ネーミングのおかげで有名になっちゃいましたよね」


この副社長は、大韓航空を傘下に持つ大財閥の創業家の一族で、父親が大韓航空の会長をしているほか、弟や妹も大韓航空の幹部を務めている。

(石材店)「どう思います?」
(幹事長)「我が儘なバカ娘ってとこだけど、気持ちも分からなくはないかな」


自分は副社長様だ。その福社長様に対して、マニュアル通りのサービスができなかったんだから、怒って当然だ。客室乗務員だけでなく、その管理責任者も同罪だ。マニュアル通りのサービスができなかったんだから、バカ娘に限らず、どんな経営者でも怒るんじゃないか?
ただし、だからと言って、飛行機を引き返させたってのは、やり過ぎだ。なぜなら、お客さまに迷惑をかけるからだ。社内の問題として、社員に対して厳しくするのは当然だが、だからと言ってお客さまに迷惑をかけるような事をしてはいけない。それが分からないってところがバカ娘だ。

(石材店)「逮捕までされちゃいましたが」
(幹事長)「韓国じゃあ、あんなんで逮捕されるのか?」


韓国の検察当局が、このバカ娘副社長を逮捕したのは、航空機の航路を変更させたほか、乗務員に暴行したためだが、暴行って言ったって、手の甲をケースでちょこっと突っついただけだ。韓国じゃあ、そんなん暴行と言うのか?
さらに、韓国の検察当局は、会社ぐるみの証拠隠滅の動きがあったと見てるが、こんな簡単な事件に、証拠とか隠滅とか大袈裟じゃないか?
韓国の検察当局が過剰反応を見せているのは、韓国の世論が厳しいから、対応が生ぬるいと自分たちが批判されるからだ。なぜ韓国の世論が厳しいのかと言えば、韓国では財閥の力が非常に強く、多くの国民が反感を抱いているからだ。セウォル号沈没事故でも明らかになったように、韓国の財閥は金さえ儲ければ良いというスタンスで、倫理観に乏しく、また権力との癒着も激しいため、国民の怒りは燃えさかっている。

このような背景を考えると、今回の事件は韓国に特有なもののように思えるが、しかし根本はそうではない。そもそもの原因は、バカ娘を副社長にした事にある。そして、これは韓国に限った事ではなく、日本でも同じだ
日本では、四国の有力企業である大王製紙の創業家のバカ息子社長が、香港のカジノに入り浸り、子会社から105億円もの大金を流用して逮捕された。このように、韓国であろうが日本であろうが、バカ息子やバカ娘を盲目的に後継者にする経営者は後を絶たない。「自分が築き上げた会社なんだから、自分の息子や娘に譲るのは当然だ」なんて考えているのだろうけど、それは大間違いだ。
まず、自分が築き上げたと思っているだろうが、自分だけが努力して築き上げたものではない。多くの従業員が力を合わせて大きな企業に築き上げたものであり、勝手に能力も無いバカ息子やバカ娘に後を継がせるなんて、従業員に対する裏切り行為だ。また、大きな企業になってしまえば、その影響力は社会全体に及ぶようになっており、能力の無いバカ息子やバカ娘を後継者を決めてしまっては社会に対して悪影響が大きい。

てことで、創業者は、いくら大株主だからと言っても、勝手にバカ息子やバカ娘に世襲するのは良くない
まともな倫理観を有する企業では、社員が自分の子供を入社させるのを禁止していることも多い。これを経営者にも適用すれば、バカ息子やバカ娘が世襲するのを防げる。そうでもしなければ、従業員も顧客も、世襲した本人も、みんな悲劇になる。

(2014.12.29)



〜おしまい〜





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