名古屋大学女子学生殺人事件

〜 誰にでもある殺人願望 〜



名古屋大学理学部1年の女子学生、名古屋市内の自分のアパートで77歳の女性殺害して逮捕された。

(幹事長)「普通『名古屋大学女子学生殺人事件』なんて言ったら女子学生が殺されたみたいだが、
       なんとこれは女子学生の方が殺したのだっ!」
(石材店)「相変わらず、この手の事件になると嬉しそうですねえ」


女子学生と被害者の女性は、去年の秋、女性が宗教の勧誘で女子学生のアパートを訪問したことがきっかけで知り合い、その後、女性は女子学生のアパートを何回か訪ねていた。事件当日は、宗教施設で開かれた集会に一緒に参加し、それから一緒に女子学生のアパートに行ったが、その時に女性を手斧で襲ったとのことだ。女性の遺体には抵抗した時にできる傷がなく、上着やマフラーを着けたままの状態だったことなどから、女子学生は部屋に入って間もなく、隙をついて女性を襲ったとみられる。手斧で殴ったほか、マフラーで首を絞めたりもしており、頭には殴られた痕があるほか、首の骨も折れていたとのことだ。そして、女性の遺体を風呂場に運び、翌日には宮城県の実家に帰省していたのだ。
女子学生は犯行を隠蔽しようとはしていなかった。遺体は風呂場に起きっぱなしだから、バレるのは時間の問題だ。そもそもバレたくないのだったら、こんな安直な殺人はしないだろう。隠蔽とか証拠隠滅なんて発想自体が無いのだ。

女子学生は「相手は誰でもよかった。たまたま部屋に来て、機会があったので殺した」と言ってるし、事前に準備した痕跡は無いらしい。常識的には、手斧なんて持っている事自体が、準備と言えば準備のような気もするが、昔から常に持っていたというから、特に今回の準備って事ではないようだ。凶器ではないが、アパートからは殺人事件に関する書籍やタリウムとみられる薬品が押収されているが、これらも昔から持っていたものだろう。

当然ながら、警察は動機を解明しようと事件の背景を詳しく調べているようだが、動機は単に「人を殺してみたかった」と言うことだろう。取り調べに対しては理路整然と応じているが、感情や罪悪感が感じられないし、社会に不満を持っている様子もないらしい。そりゃ、そうだ。だって動機はあくまでも単に「人を殺してみたかった」だけだからだ。そして「殺して達成感があった」とも述べている。

彼女は昔から殺人願望を抱いていたようだ。
中学1年生の時、秋葉原で7人が死亡する無差別殺傷事件が起きたが、この事件に夢中になり、「あの犯人ってすごい。あんな人に会ってみたい。ゾクゾクする」なんて興奮していたらしいから、かなり変わっている。この頃から既に殺人願望があったのだろう。
中2の時には、長崎県佐世保市内の小学校で同級生の少女をカッターナイフで殺害する事件を起こした11歳の少女に夢中になっていたという。
さらに中3になると、サリンなど薬品の話もするようになり、話しだすと突然スイッチが入って止まらなくなって、呼びかけても無反応で、自分の世界に入り込んでいたとのことだから、完全にトリップしていたのだろう。
また高校時代には、神戸連続児童殺傷事件の犯人の酒鬼薔薇聖斗の写真を財布に入れて「酒鬼薔薇と秋葉原事件の聖地巡礼に行きたい」なんて話していたらしいから、奇をてらってじゃなくて、本気で殺人が好きだったようだ。高校時代には同級生に毒を盛ったこともあり、毒を盛られた男子学生は視力が急激に低下して後遺症が残ったとのことで、本当に気の毒だ。(今回の殺人事件で逮捕された女子学生が自供するまで犯人が分からなかったってのも、気の毒と言うか、恐ろしい事だ)

今回の事件が衝撃的なのは、やはり動機が純粋に「人を殺してみたかった」と言うことだろう。ほんの半年前にも長崎県佐世保市で16歳の少女が幼なじみのクラスメートを殺害した事件があり、世間を騒がせた。彼女の動機も「以前から人を殺したい欲求があった。猫を解剖するうちに人間で試したいと思うようになった」とのことだった。純粋に「人を殺してみたい」という単純な理由により女子学生が殺人を犯す事件が続いたため、社会に衝撃を与えたのだ。

無責任で想像力が乏しいマスコミや、ここぞとばかりに金儲けに精を出している評論家たちは、例によって、寄ってたかって勝手な想像に花を咲かせて背景をでっち上げている。佐世保市の事件の時は、「エリート一家に育ち、学業もスポーツも万能だった優秀な少女が、最愛の母親を亡くし、その直後に再婚した父親を憎み、そのせいで精神が狂い、狂気の犯行に及んだ」なーんていう安っぽい背景をマスコミがでっち上げていたが、今回はどうだろう。

しかし、マスコミや評論家が何と言おうと、動機は単なる殺人願望だ。誰にでもある殺人願望が、たまたま表面化しただけだ

(石材店)「だから、普通の人には殺人願望なんて無いですってば!!」
(幹事長)「本当に無いのか?よおく胸に手を当てて考えてみろよ」


もちろん、殺人願望は誰にでもあるが、それが現実化するのは希だ実際に殺人を犯すには色々とハードルが高いから、よほど強い殺人願望が無ければ実行できないだろう。今回の犯人の女子学生も極めて強い殺人願望を抱いていたようだし、佐世保市の事件の犯人も、小学生の時に既に恨みを抱いた女児を狙って給食にベンジンや漂白剤を混入していたし、中学生の時には猫を殺してバラバラにしたり首を切断したりしているし、病気で寝ている実母を殺そうとして寝室まで行ったとか父親を金属バットで実際に殴打したとか、かなり本気で殺人願望があったようだ。こういう強い殺人願望を抱いた人は、当然ながら、実行に移す可能性も高いのだろう。

てことで、誰でも殺人願望を抱いてはいるが、普通は実行しないとんでもなく強い殺人願望を抱いている、ごく一部の人だけが現実に殺人を犯す

(幹事長)「我々とはちょっと異なる人格かもしれないが、理解できない訳ではない」
(石材店)「理解不能ですってば!」


去年から続いた2事件とも加害者がたまたま若い女子学生ってことで、「若い女性特有の狂気」という見方をする評論家もいるが、それはどうだろうか。男だって、こういう強い殺人願望を持っている人はいるだろうけど、男なら殺人をする前に、もっと手軽に暴力事件を起こしてしまうのではないだろうか。殺人に至る前に捕まったりして、殺人を遂行できなくなるのではないだろうか。

(石材店)「こういう女子学生は、どう考えても精神に異常があると思いますけど」
(幹事長)「殺人する人は、多かれ少なかれ精神に異常をきたしているかもしれんわな」


一番理解しやすい殺人は、恨みからの犯行だ。恨みがあれば、誰だって少なくとも心の中では「こんな奴、殺してしまいたい」って思うのが普通だ。もちろん、なかなか実行にまでは至らないが、恨みが強くなれば実行する場合もある。日本では、よっぽど入念に準備しなければ、殺人事件はたいていは犯人が捕まるので、捕まる事を前提に考えなければならないから、捕まってもいいと思うくらい恨みが大きければ、殺人に至るだろう

次に理解できる殺人は、金銭の奪取などを目的とした殺人だ。「理解できる」ってのは、そういう人もいるだろうって分析することができるという意味であり、共感するっていう意味ではない。私は、恨みによる殺人や、純粋な殺人願望には共感を覚えるが、強盗殺人などは完全に嫌悪する。恨みによる殺人の場合は相手にも原因があるかもしれない。相手の方に圧倒的に原因があるかもしれない。しかし、強盗殺人は被害者に何の落ち度も無い!

(幹事長)「殺された人は、あまりにも理不尽じゃないかっ!」
(石材店)「いや、だから、単なる殺人願望で殺された人も同じように気の毒ですよ!」


強盗殺人は、犯人の卑しさが感じられるので嫌いだ。金を取るために人を殺すなんて、あまりにも浅ましい。地獄へ落ちろ!

ただ、恨みによる犯行であれ、強盗殺人であれ、殺人なんてトンでもない事を起こす人は、多かれ少なかれ精神に異常を来しているとは言えるだろう。いくら恨みがあっても、人を殺すのは勇気がいる。とんでもないハードルを越える必要がある。精神に異常でもなければ越えられない高いハードルだ。
なので、今回の女子学生も異常と言えば異常だ。明らかに異常だろう。でも、その異常さは、誰の中にでも潜んでいる異常なのだ

(石材店)「いや、だから、そんな事は無いですってば!」

(2015.1.29)



〜おしまい〜





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