大阪都構想否決

〜 まことに残念 〜



大阪市を解体して大阪府と合体し、大阪都を作るという大阪都構想について住民投票が行われ、1%未満の僅差で否決され、まことに残念な結果となってしまった。

(石材店)「おや?幹事長は大阪都構想に賛成だったんですか?」
(幹事長)「直接、関係は無いんだけどね」


大阪の話は大阪の人が決めれば良いのであって、何の関係も無い私らが、とやかく言える筋合いのものではないが、それでも残念だ

何を残念がっているのかと言えば、大阪府と大阪市の二重行政によって無駄な税金が使われているのが解消される、と期待していたからだ。
大阪府と大阪市の二重行政の象徴は高層ビルだ。大阪市が総事業費1,193億円で建てたワールドトレードセンターと大阪府が総工費659億円で建てたりんくうゲートタワービル高さを競い合い、何度も何度も設計を変更して、相手より少しでも高い建物を建てようと抜きつ抜かれつ競い合った結果、最終的には高さ256.0mのワールドトレードセンターに対して高さ256.1mのりんくうゲートタワービルが10cmの差で勝ったが、莫大な税金を投じて建てられた2つの高層ビルは、いずれも経営破綻した。つまり、子供みたいに、と言うかバカみたいに高さを競い合って莫大な税金をドブに捨ててしまったのだ。高さの方だって、結局、近鉄が建てた高さ300.0mのあべのハルカスに大きく負けてるし。あほくさ。
高層ビル競争は二重行政の象徴の一例に過ぎず、この他にも二重行政の無駄は山ほどある。大阪市や大阪府の税金がどのように使われようが、それは大阪市民や大阪府民の問題であり、我々がとやかく言うような問題ではないのだが、それでも言いたいのは2つの理由による。

1つ目の理由は、大阪に近い四国に住む我々としては、大阪の地盤沈下が悲しいのだ。かつては、政治の中心は東京であっても、経済の中心は大阪だった。それが戦後、一貫して大阪は地盤沈下を続け、今では経済面でも東京に全く太刀打ちできない。大阪に地理的に近い我々としては、大阪にもっと頑張ってもらい、大阪の地位が向上した方が都合がいいのだ。そのためには、大阪府と大阪市が子供じみたバカげた競争なんかして体力を消耗するのではなく、一丸となって地位向上に頑張って欲しいのだ。そのためには、大阪都構想は画期的なプランだったのだ。

もう1つの理由は、今回の直接的な問題は大阪の二重行政の問題だが、これがうまく解決すると、全国の他の地域の二重行政の弊害の解消の大きなモデルになると期待したのだ。(「の」が6つも続く駄文でした)
大阪ほどではないにしても、レベルの差はあれど、どこも二重行政の弊害がある。例えば、四国でも、愛媛県は県内が大きく3つに分かれていて、県庁の役割も重要だと思うが、他の3県は、香川県も徳島県も高知県も県庁所在地にあらゆる機能が集中し、二重行政の弊害が散見される。例えば、どの県でも、県立病院も県立図書館も県立体育館も、ことごとく県庁所在地に集中している。そして、当然のように県庁所在地の市立の施設もある。県庁所在地に住む私らにとっては便利と言えば便利だが、似たような施設が2つづつあるより、もっと機能が充実した施設が1つある方が良いのではないかと思えてしまう。
そうは言っても、四国の県庁所在都市は、どこも大した規模ではないから、県庁との力関係から言えば大きな問題にはなってないが、大阪市のように大きな都市になれば、道府県との関係は対等に近いものになるだろう。大阪市に限らず政令指定都市は道府県並みの権限と業務を持っているうえ、道府県との不明確な役割分担もあり、二重行政の解消は共通課題だ

大阪都構想が否決された大きな要因は、あらゆる既成政党が一致団結して反対したからだ。自民党から共産党まで、みんなが力を合わせて共闘したからだ。

(幹事長)「あまりにも節操が無いと思わんか?」
(石材店)「色んな利害がありますから何とも言えませんが」


既成政党がこぞって反対するのは、議員連中が、自分たちの身分を守るためだ。二重行政の大きな無駄の象徴が、二重に存在する政治家連中だ。大阪市議会議員は、細分化された区議会議員なんかには成り下がりたくないのだ。また、二重行政の無駄は、一方で、その無駄によって利益を得る連中がいる訳であり、そういう既成勢力は現状の存続を望んでいるのだ。
しかし、多くの市民が彼らに騙されたのは理解に苦しむ。そんな簡単な事も分からないのだろうか。まあ、大阪と言えば、あの変態エロおやじの横山ノックを府知事に選んだ土地だから、市民が真面目に政治を考えているとは思えないが。反対派は、大阪市が無くなって大阪府に統合されると、きめ細かな住民サービスが低下するなんて批判したが、人口が270万人もいる巨大な大阪市に、きめ細かな行政サービスなんてあるのか?今の大阪市にも区は存在するが、これは行政の単位とは言えず、単なる事務手続きの区割りだ。大阪都になって人口数十万人規模の区が出来た方が、よっぽどきめ細かな行政サービスが行われると思うのだが。

大阪都構想が否決された大きな要因として、市民が騙されたって事もあるが、橋下大阪市長の強引なやり方に反感を抱く人も多かった事が挙げられる。大阪に対する危機感を抱きつつも、橋下氏のやり方があまりにも強引で乱暴だったため、彼が推進する大阪都構想には反対だ、という声も多い。これには、ある程度、納得できる。私も基本的には橋下氏は嫌いだ。

(石材店)「えっ!?そうなんですかっ!??てっきりファンだと思ってましたが」
(幹事長)「あいつは反原子力だから言語道断だ」


橋下氏は原子力発電に反対している。大阪と原子力は何の関係も無いのに、原子力に反対している。それは単に選挙対策だ。原子力反対を叫べば無責任なアホどもが票を入れるからだ。まともな理性のある人間なら、今の日本で原子力を放棄するなんていう暴論を受け入れる事はできない。原子力を放棄なんかしたら、経済も破綻するし環境も破壊するし、中国どころか世界中から相手にされなくなる。ドイツは自分とこが原子力を放棄する方向に舵取りしてしまって経済的に苦況に立たされているから日本にも原子力を放棄するように圧力を掛けてきているが、そんな口車に乗って原子力を放棄したら、ドイツにだってやられてしまう。こんな無責任な主張を平気でするのは橋下氏が弁護士出身だからだ。弁護士は自分の金儲けや出世のためなら、どんな事でも平気でやる厚顔無恥の極悪人揃いだ。全国の弁護士をまとめて北朝鮮へ輸出したいくらいだ。
ただ、原子力に反対した時点で橋下氏は日本の指導者として失格なので大嫌いだが、それと二重行政の打破とは違う問題だ。橋下氏は大嫌いだが、二重行政解消のための大阪都構想には大賛成だったから、今回の否決は本当に残念だ

(2015.5.18)



〜おしまい〜





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