王様の花嫁候補が事故死

〜 想像を絶する世界 〜



とんでもない見出しのニュースを見た。スワジランドで交通事故があり、王様の花嫁候補38人が死亡したというのだ。この見出しにはびっくりした。王様の花嫁候補が38人もいるって事も驚きだし、その人達がみんな死んでしまったりしたら大変な事になるじゃない、って思った。
しかーし!話は全然違った。王様の花嫁候補というのは38人なんかじゃなくて、数万人もいるのだ!

(石材店)「な、な、な、何ですかっ、それはっ!?」
(幹事長)「意味不明やろ?」


スワジランドは、アフリカ南東部の南アフリカ共和国とモザンビークに囲まれた内陸国だ。そこの国王ムスワティ3世が新しい花嫁を選ぶ伝統的な儀式リード・ダンスに参加するためにトラックの荷台に乗って向かっていた少女らが交通事故に巻き込まれて死亡したのだ。で、そのリード・ダンスの参加者は、なんと数万人もいるのだ!国中から若い少女が、こぞって集まってくるのだ!

(石材店)「数万人もいて、たった1人を選べるんですかっ!?」
(幹事長)「嬉しいような、発狂するような」


しかもしかも、だ。それは今回だけ開催するのではなくて、なんと毎年開催しているのだ!

(石材店)「もう訳分かりませんがな。どゆことですか?」
(幹事長)「毎年、新しい花嫁が1人づつ増えていくのだ」


スワジランドでは一夫多妻制が認められていて現国王は既に10数人の妻がいるのだ。先代の国王のソブーザ2世に至っては、なんと100人を超す妻がいて、生まれた王子や王女は600人もいたとのことだ

(石材店)「羨ましいですか?」
(幹事長)「そこまで多いと、嬉しいというより、大変じゃない?」


妻が100人もいたら、誰が妻だったか混乱するんじゃないか。「こいつは私の妻だったっけ?」てなもんで、名前と顔が間違ったりしたら問題が起きそうだ。さらに子供に至っては、600人もいたとのことだが、顔を覚えてるかどうかより、本当に自分の子供なのか分かったもんじゃない。妻が100人もいたら、仮に毎日、誰かの相手をしたとしても、1人を相手にできるのは1年に3〜4回だ。それ以外の日には、妻がどこで何やってるのか把握なんてできないだろう。もう何が何だか分からなくなると思う。

(石材店)「江戸時代の大奥みたいなもんじゃないですか?」
(幹事長)「日本はきっちりしているから大奥も管理できていただろうけど、スワジランドなんか何が何やら分からないんじゃないか?」


スワジランドは国王を国家元首とする君主国で、形式的には立憲君主制だが実際には憲法で国王の強大な権力が保障され、司法、立法、行政の三権の上に立ち、軍隊の統帥権を持つなど、絶対君主制だ。だからこそ想像を超越した世界が広がっているんだろうけど、一方でスワジランドはエイズの感染率が世界一高い国だ。
15〜19歳の女性のエイズ感染率は28%、25〜29歳の女性のエイズ感染率は、なんと56%に達している。半分以上だ!

(幹事長)「だから国王は怖くて処女以外とは関係を持ちたくないんだろうと思う。だから毎年処女の中から1人づつ新しい相手を選ぶんだと思う」
(石材店)「そういう事情がありましたか」


ついでに言えば、スワジランドは世界で7番目に人口あたりの殺人事件が多い国である。そしてエイズ蔓延と治安悪化の影響で、平均余命は2000年時点で61歳だったのが、2009年には32歳にまで急落している。
色々と批判するべきところは山ほどある国だが、批判する気も起きないほど想像を絶する国だ。

(2015.9.1)



〜おしまい〜





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