澤選手引退

〜 最後まで神懸かり 〜



女子サッカーなでしこジャパンの中心であり続けた澤穂希選手が今期限りで引退するという。
確かに今年のワールドカップなんか見てると、4年前に世界一になった頃と比べたら、さすがに動きも悪くなってきてて、年齢を感じさせていたから、引退もやむを得ないかなあ、なんて思っていた。37歳にもなったんだから仕方ないかなあって。もちろん、単純に他の選手と比較したら、今でも日本女子サッカー界の中でトップクラスなのは間違いない。しかし、彼女にしたら、自分自身の過去と比較して「そろそろ潮時かなあ」と思ったんだろうなあ。

ところが、澤選手の現役最後の試合になった今年の皇后杯の決勝で、INAC神戸の一員として新潟と対戦した澤選手は、なんと決勝ゴールを決めてしまった。今シーズンは、絶頂期に比べたら活躍する場面も減っていたのに、こういう時には結果を残すのが素晴らしい。しかも、その舞台が、日本一を決める皇后杯の決勝で、しかも1対0で勝利した決勝点を自ら叩きだすなんて、本当にもう神懸かりとしか言いようがない。まるで4年前のワールドカップの決勝戦のようだ。

たまたま皇后杯の決勝戦の少し前に、4年前のワールドカップの決勝戦のビデオを見ていた。今までに何度も何度も繰り返し見た試合のビデオだけど、試合終了間際の澤選手のゴールは、神懸かりとしか形容のしようがないゴールであり、あらためて感動してしまった。
それと比べたら、今回の皇后杯の決勝ゴールは、ゴール自体は普通のゴールだった。でも、シチュエーションとしては、やはり神懸かり的だ。大事な大事な、ここ一番の大舞台で決めるなんて、本当に凄すぎて、いくら賞賛しても賞賛しきれない。

女子日本代表の佐々木監督も「神様が降りてきたんじゃないかな」って言ってるが、もちろん、これは、運が良いっていう事ではない。15歳で日本代表に入り、それから20年以上も活躍を続け、FIFA最優秀選手賞を受賞するなど、本当に素晴らしい実力の裏付けがあるからこその快挙だが、その実力も、生まれ持ったものだけでなく、不断の努力の賜だ
そして、何より重要なのは、彼女の精神力だ。彼女は「サッカーを通して、とにかく最後まであきらめないこととハードワークすることを学んだ」と言ってるけど、怪我や重圧に苦しめられながらも、それに耐えてきた不屈の精神力があるからこそ出てくる勝負強さだ。
そしてそして、何より素晴らしいのは、その強い精神力の源は、自分がうまくなりたいというだけではなく、日本の女子サッカーの発展を第一に願い続けてきたことだ。こんな素晴らしい選手は、男女を問わず、他のスポーツも含めて見当たらない。

(石材店)「他人を非難する事はあっても、誉めることなんて無い幹事長としては、珍しいお言葉」
(幹事長)「ここまで無条件に素晴らしい人って、いないからなあ」


彼女の引退は本当に惜しいんだけど、最近、結婚もしたことだし、今後も彼女が幸せな人生を送ることを心から願っています

(2015.12.27)



〜おしまい〜





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