慰安婦は売春婦か

〜 言葉は慎もう 〜



自民党の桜田衆議院議員が自民党の会議で、日韓で問題になっている慰安婦に関して「売春防止法が施行されるまでは職業としての娼婦だ。ビジネスだ。これを犠牲者のような宣伝工作に惑わされ過ぎている」と発言して問題になっている。

発言の要旨は次のようなものだ。
ユネスコで拠出金ずいぶん出しているでしょ。私は削減することに否定的だったんだけど、もう甘いこと言ってられないよね。米国だって出してないんだから世界で孤立することはないと思うんだよね。ユネスコの機能を中国が政治利用ばっかりしているんだったら、趣旨に反するということで拠出金を大幅に減らすべきだと思うんだよね。

それと、従軍慰安婦の問題だが、日本で売春防止法ってのができたのは昭和30年代だ。それまでは売春婦と言うけれど職業としての娼婦ですよ、ビジネスですよ。これをね、何か犠牲者のような宣伝工作にね、惑わされて過ぎてんだよね。
彼らは仕事として最近まで、今はどうか知らないけれど、韓国なんかでね、妓生(キーセン)パーティーってのは年がら年中、日本の観光客が来て、みんな韓国の外交・商業活動でしょうよ。営業活動でやっているわけでしょう。
そんなのは職業としての売春婦ということをね、私は遠慮することはないと思うんだよね。そういうことを遠慮しているから、間違って日本でも韓国でも広まっちゃうんじゃないかと思うんですね。

日韓基本条約を結んだ時、韓国の国家予算を日本が援助したと。金銭とかいろんな面でね。そういうことを韓国人が「知らない」と言ってんですよ。韓国人に政府が教えてないというふうに聞いてるんだけども、それ外務省から確認取りたいんですけどね、よろしくお願いします。

(石材店)「嫌韓の幹事長としては同感ですか?」
(幹事長)「微妙なところやね」


会議は自民党の内輪の非公開のものだから、彼らが内部で何を言っても何の問題もない。好き勝手に言えばいい。そういう内輪の発言まで引っ張り出して鬼の首でも取ったかのように大騒ぎしてるマスコミは国益を考えない売国奴と言わざるを得ない。
また、発言の内容も、何か間違っている事を言ってる訳ではない。ほんの一昔前まで、日本人男性が韓国旅行へ行くと言えば、間違いなく買春目的のキーセン旅行だった。我々のイメージとしては、韓国は買春天国だった。桜田議員も言ってるように、今はどうか知らない。いつの間にか変わってしまったのだろうか。もし変わってしまったのなら、それはそれでいいんだけど、今の韓国人は、そういう過去があった事を全く知らないフリをしているように見える。国全体が買春天国だったという事実が無かったかのごとく、大昔の慰安婦問題ばかり声高に叫んでいる

ただし、それはそうなんだけど、じゃあ従軍慰安婦も全員が職業意識を持った売春婦だったのかと問えば、必ずしもそうでもないだろう。プロの売春婦も大勢いただろうけど、韓国人ブローカーに騙されたり、あるいは親に売られたりして、不本意ながら従軍慰安婦にさせられた韓国人女性もいただろうと思われる。なので、そういう人までごっちゃまぜにして売春婦呼ばわりするのは慎んだ方が良いのではないだろうか。

さらに、もっと大きな問題として、政治家として言って良い事と言わない方が良い事がある。桜田議員が言ってるような見解を始めとして、色んな説や意見があるのは百も承知の上で、それでも日韓の良好な関係を構築するために、やむを得ずと言うか渋々と言うか断腸の思いと言うか嫌々ながらと言うか、取りあえず政府は昨年末の日韓外相会談で、軍の関与を認めたうえで「責任を痛感する」との内容で合意したのだ。この合意に対しては色々と批判があり、桜田議員の発言も、そういう趣旨だろうと思うけど、そういう批判が出る事も百も承知の上で政府は政治的な妥協で韓国と合意したのだ。なので、同じ自民党の議員なら、その直後に、こういう発言をするべきではないだろう。
言いたい気持ちは分かるが、政治家として言って良い事と言ってはいけない事はわきまえて欲しい。

(2016.1.15)



〜おしまい〜





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