雪の中の全国女子駅伝

〜 見応えのあるレースだった 〜



第35回全国女子駅伝が先日、雪が舞う京都市内で行われ地元の京都チームが3年ぶり16回目の優勝を成し遂げた。なかなか見応えのあるレースだった。
一方、香川県チームは、2区の選手が区間21位の走りで順位を34位から28位に上げ、ちょっと期待を抱かせたが、次の3区で区間最下位のタイムで一気に40位まで順位を落とし、そのまま結局41位でゴールとなった。高知も最初は先頭集団で頑張っていたが、結局は29位でゴールし、徳島31位愛媛35位と、四国はどこも低迷していた。対岸の岡山が、あと一歩で優勝という2位だったのに比べて、ちょっと寂しい結果だった。

(ピッグ)「今年はいつになく記事を書くペースが遅いですね。交通事故の後遺症ですか?」

12月初めの交通事故による肋骨の骨折は、ほとんど治りかけており、パソコンの操作に支障は無くなっているけど、なかなか書く気力が沸かなくてペースが遅くなっています。すんません。

ところで、今回の全国女子駅伝は、中盤の区間で雪が強くなり、一部で批判が出ているとのことだ。コースは京都市内の中心部に近い西京極陸上競技場をスタートし、市内をグルグル回って市内北部の山間部の国際会館前まで行って折り返してくる。前日からの雪も、市内の中心部では既に止んでいたが、山間部の区間で雪が多かったのだ。ま、山間部で雪が多いのは当たり前で、十分予想された事であり、不思議でも何でもない。
でも、雪が多かった時には、テレビで選手の姿がよく確認できないくらいだったので、漫然とテレビを見ていた人には「なんで、こんな激しい雪の中を走らせるんだ?可哀想じゃないか!」なんて思った人がいて、批判が出ているようなのだ。

しかし、あの程度の雪で中止になるなんて発想は、常識的なマラソン関係者の間では、あり得ないと思う。雪が降ってると言ったって、前が見えないような猛吹雪でもないし、雪が積もって路面が滑るほど降っている訳でも無い。テレビカメラは遠方から撮るから見えにくいけど、実際には見えにくいほど降っていた訳でもない。選手のおでこには雪が着いていたが、走る障害になるようなものではない。
ちょうど1週間前の週末には満濃公園でリレーマラソン(=駅伝)が開催されたが、冷たい雨が土砂降りで、下はぬかるんで泥の海となり、震えながら泥まみれで走ったが、当然のように全員が参加した。

(支部長)「最初からあんなに土砂降りになるんが分かっていたら欠場したと思うけどな」

しかも我々は走りにくい動物の格好で走ったのだ。それに比べたら雪が舞うくらい何でもない。

(支部長)「動物の方が暖かいけどな」

そもそもマラソン大会が悪天候で中止になるなんて事は、よほどの事が無い限り、あり得ない。台風のような暴風雨に襲われた5年前の徳島マラソンだって、中止になりそうな気配は一切なかった。
それに、暴風雨なら走るのに支障があるが、雪は降ってても走るのには何の影響もない。寒いのはもちろんだが、雪が降ってなくても寒い時は寒いので、寒さは雪とは直接の関係は無い。雪が支障になるのは路面に積もった時だ。滑ったりすると非常に危ないので、これは絶対に避けなければならない。なので、今回もレース前の除雪作業は大変だったらしい。大会関係者や競技場担当者だけでなく、地元の高校生や、さらにはコース沿道の住民までもが総出で除雪作業をしたとのことだ。

なぜそこまで必死になってやるのかと言えば、もちろん、この日に向けて努力を重ねてきた選手のためだ。こういう大会は、仮に中止になった場合、延期して再試合をするってことはあり得ず、翌年まで大会が開かれることはない。全国の選手をもう一度集めるなんて事は不可能だからだ。
私の知る限り、マラソン大会が延期になって開催されたのは、6年前の徳島マラソンぐらいだ。当初3月に開催される予定だった大会だが、その直前に東北大地震があったため、何の関係も無いのに勝手に自粛し、8ヵ月後の11月に開催された。8ヵ月も先なので再び準備して開催できたという点もあるし、そもそも参加者が希望して参加する大会なので、3月開催なら走れたけど11月になると参加できない、なんて参加者がいても切り捨てたら済む話だ。しかし全国女子駅伝ともなると、そうはいかない。8ヵ月も延期したら炎天下の8月になっちゃうし、メンバーに再び集まって貰うのも不可能だ。中学生や高校生には、卒業しちゃってる選手も多くなるだろうし。
て事で、「開催するか中止するか」なんて選択肢は存在せず、「どうすれば開催できるのか」という視点で必死で検討するのだ。実際に、走り終わった選手からは「走りきることができてよかった」という感想が出ている。当然だろう。

何も知らずに漫然とテレビを見ていた人は、そういう事情を考えずに、適当にいい加減な批判をしているんだろう。何も知らない素人が自分勝手にトンチンカンな批判をするのは控えて欲しいと思う。

(2017.1.17)



〜おしまい〜





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