藤井聡太四段の連勝がストップ

〜 連勝はストップしたけれど、今後がますます楽しみ! 〜



将棋の藤井聡太四段連勝が遂に29でストップした
彼は、昨年10月に史上最年少の14歳2ヵ月で将棋のプロとなり、昨年12月に加藤一二三九段と対局して勝利し、公式戦出場と公式戦勝利の史上最年少記録を更新したのを皮切りに、どんどん勝ち続け、今年4月にはプロ初対局初勝利から無敗でデビュー11連勝を記録した。これは実に20年ぶりの新記録だった。そして、その後もバンバン勝ち続け、6月には遂に神谷広志八段が30年近く保持していた28連勝の最多連勝記録を抜きデビューから無敗のまま29連勝と言う前代未聞の歴代最多連勝記録を更新した。ここまで来たら、せめてキリの良い30連勝まで達成して欲しい、なーんてみんな思っていたが、7月に入って若手実力者の佐々木勇気五段(22)に敗れ、遂に連勝記録がストップしてしまった

この敗戦に日本中がガッカリしている雰囲気だが、冷静に考えれば、いつか負けるのは当たり前だ。負けるのは時間の問題だった。なぜなら、大相撲と同じで、プロになりたての頃に対戦する相手は、比較的弱い相手が多いからだ。大相撲だって幕内に入ったとたんに横綱と対戦したりはしない。普通なら下の者は下の者同士で戦う。それが、もし勝ち続けて平幕優勝でもしそうな勢いになってきたら、上位陣と当てられて潰されてしまう。将棋もそれと同じで、勝てば勝つほどだんだん強い相手とも対局するようになり、勝つのが難しくなってくる。なので、今回、若手の実力者である佐々木五段と当たって敗れたのは順当な結果だ。いくら藤井四段が並外れて強いと言っても、中学生でデビューして、そのまま勝ち続けて全てのタイトルを独占できる、なんて甘い話は無い。なので、なんとなく残念な気持ちはするけど、負けて当たり前だった。

そうは言っても、藤井四段の強さは驚異的だ
5歳のときに祖父母から将棋の手ほどきを受けて将棋教室に通い始め、字もロクに読み書きできない年頃なのに、何百ページもある解説書を1年で会得したというから、ちょっと恐いくらいの天才ぶりだ。
得意とする詰将棋では、小学校低学年の頃にはプロでもかなわないほどの実力となり、多くのプロ棋士が参加する詰将棋解答選手権チャンピオン戦では、史上初の小学生による優勝を達成した
その後も順調に実力を上げ、初段、二段、三段と史上最年少で昇段し続け、遂に昨年、史上最年少の14歳2ヵ月で四段つまりプロ棋士になったのだ。中学生でプロ入りを果たしたのは加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明という天才達に続く5人目だ。

加藤一二三九段とは色々と因縁があり14歳2ヵ月というプロ昇進年齢は加藤一二三の14歳7ヵ月を62年ぶりに更新する最年少記録だし、プロとしての公式戦初対局は加藤一二三との対局だし、この時の二人の年齢差は62歳6ヵ月で、プロの公式戦では最多年齢差の対局だ。

また、上に、最初は弱い相手と当たる事が多い、なーんて書いたが、公式戦以外では羽生善治を始め、佐藤康光将棋連盟会長ほかトップ級の棋士とも対戦して勝っている。公式戦ではないため、相手の真剣さは公式戦とは異なるだろうけど、それでも藤井四段が強いのは間違いない。子供の頃からの異常なまでの強さを考えると、明らかに天才であり、しかも過去に現れた天才達と比べても史上最高の将棋の天才ではないだろうか。

将棋はチェスや囲碁と同じように、最近は人間よりコンピューターの方が強くなっており、もう人間はかなわないとまで言われている。しかし、藤井四段はコンピューターの考え方も取り入れており、従来の考え方では出てこないような手を指している。もしかしたら彼ならコンピューターにも勝てるかもしれない、と大いに期待したぞ。

(2017.7.3)



〜おしまい〜





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