再審請求中の死刑囚の死刑が執行

〜 法治国家として当然の行為 〜



昨年11月以来、久しぶりに死刑囚の死刑が執行された確定死刑囚は125人もいるんだから、もっともっとハイペースで執行しないと、なかなか死刑囚が減らず、税金の無駄遣いが続くが、遅々としながらも執行が継続されているのだから、民主党政権時よりはマシだ。


そして、今回の死刑執行で評価できるのは、再審請求中だった死刑囚の死刑が執行された点だ
この死刑囚は平成3年、わずか半月の間に京都市、松江市、姫路市でスナックの女性経営者4人を相次いで殺害した極悪人だ。1審の大阪地方裁判所と2審の大阪高等裁判所が当然のごとく死刑を言い渡したのに、「死刑は重すぎる」なんて主張して上告したが、最高裁判所も当然ながら上告を退けて死刑が確定していたものだ。わずか半月の間に強盗目的で4人も殺しておきながら「死刑は重すぎる」だなんて、一体どういう神経をしているんだろう。もちろん、まともな神経をしていたら最初から強盗殺人なんかしないだろうから、まともに取り合ってはいけないんだけど。それに、どうせ金儲けと売名行為しか考えていない悪徳弁護士が主導しているんだろうけど。

そして、恐らく、こいつら悪徳弁護士が主導して再審を請求していたんだろうけど、それが無視されたのが喜ばしいこれまで再審請求中の死刑囚は死刑を執行しない傾向があり、再審請求中の死刑囚への執行は平成11年12月以来で、異例と言える
再審請求中に死刑を執行しないのは、死刑が執行された後に再審が認められるという事態を避けるために法務省が慎重になっているからだと思われるが、そのため、執行を引き延ばすために何度も再審を繰り返す死刑囚が多い。今回、死刑が執行された死刑囚も、これまでに何度も再審請求を行い、その都度、棄却されていた。現在、死刑が執行されていない確定死刑囚は125人だが、このうちなんと92人もが再審請求中だ明らかに執行逃れの再審請求だ
今回の執行について、法務省は「再審請求の手続き中は死刑を執行しないとなれば、請求を繰り返すかぎり、永久に刑の執行をなしえないことになり、刑事裁判の実現を期することは不可能となる。再審請求中であったとしても、当然に棄却されることを予想せざるをえないような場合は、死刑の執行を命ずることもやむをえない」と述べているが、余りにも当然のことだ。

そもそも、せっかく死刑判決が出ても、執行されなければ何の意味もない。懲役の場合は、懲役っていうくらいだから文字通り役務をさせられるけど、死刑囚の場合は、懲役ではなく単に死刑執行まで待っているだけだから、仕事もせずにのんきに毎日を過ごしている。無期懲役と違って何年か経ったら出所するって事はないにしても、なんにも仕事もせずにダラダラと生活するなんて、まるでニートだ。生活保護だ。税金の無駄遣いだ!
また、悪徳弁護士が必死になって暗躍した結果、死刑が数十年も執行されていない死刑囚がいる一方で、再審請求しなかったばっかりに、1年もたたないうちに執行された死刑囚もいる。今回の死刑囚だって、4人も殺害してから20年以上も死刑が執行されず、ヌクヌクと生きてきた。罪を認めて死刑を受け入れた人が執行され、悪あがきをして受け入れない人が永遠に執行されないのでは不公平だ。死刑にするかどうかは裁判所が決める事であり、執行するかどうかを行政が勝手に決めるってのは本来的におかしい事態だ

そもそも、刑事訴訟法では死刑判決の確定から6ヵ月以内に法務大臣が執行を命令するように定めているのに、それをサボって放ったらかしにしているから、止めどもなく再審請求が出てくる。死刑判決が出た以上は、死刑執行するのが義務であり、中国のように判決が出たら即日執行したら良い。そうしなければ、せっかく死刑判決が出ても永遠に執行が回避されてしまう。日本は法治国家であり、どんな裁判でも、判決が出たら、それに従うのが義務だ。いかに不服があろうとも、それは仕方ない。そのために地裁、高裁、最高裁、と3回も争えるのだ。それでも不服があるからと言って、永遠に争うことは許されない。判決が出たら、仕方なくても従うのが法治国家だ。死刑だって同じであり、判決が出たら執行するのが法務大臣の義務だ。最近の10年間では、死刑の確定から執行までの期間は平均で5年ほどだが、こんなに長くなっている一因が再審請求であり、そんなものは無視してサッサと執行すれば正義が達成される


また、今回が死刑執行されたもう一人の死刑囚の死刑判決も評価すべきものだった。この死刑囚は岡山市で元同僚の女性を殺害したんだけど、殺した人の数が1人で死刑になるのは珍しいのだ。
以前の裁判所なら、いくら残虐な殺人であっても、1人しか殺していない場合は滅多に死刑にはならなかった。これまで被害者が1人なのに死刑が確定したケースは、仮釈放中の無期懲役囚による例や、身代金目的の計画的事件などに限られてきた。そして、そういった過去の判例との公平性を保つためと称して、先例と異なる量刑判断するためには特別な事情が求められてきた。日本の裁判とは、そういう機械的な仕組みなのだ。そんな単純な仕組みなんだったら、裁判官なんか不要であり、腐りきった裁判官なんか全員クビにして、パソコンに条件を打ち込んで自動的に判決を出させれば済む。しかし、こういう割り切れない判決を撲滅するために導入されたのが裁判員裁判の制度だ。市民の感覚として、いくら1人しか殺してなくても断じて許せないと判断した極悪非道な奴は死刑にできる制度だ。
今回の死刑囚は、元同僚の女性を乱暴して殺害して遺体を切断して遺棄するなど、トンでもない極悪非道な奴であり、一般市民なら誰が考えても死刑しかあり得ないものであり、裁判員裁判でも当然ながら死刑が言い渡されたものだ。

このように裁判員裁判の制度は画期的なものだが、実は大きな抜け道がある。それは2審以降は従来通りプロの裁判官だけで裁判されるという点だ。これまでも1審の裁判員裁判では、1人殺しただけでも死刑が言い渡されるケースはあった。ところが、当然ながら悪徳弁護士にそそのかされて控訴し、2審では逆転で無期懲役に減刑される事態が続いている
平成21年に東京のマンションで男性が殺害された事件や、同じ平成21年に千葉県のマンションで女子学生が殺害された事件では、せっかく1審の東京地方裁判所や千葉地方裁判所での裁判員裁判で死刑が言い渡されたのに、いずれも2審の東京高等裁判所が死刑を取り消して無期懲役になってしまった。プロの裁判官は「2事件はいずれも被害者が1人で計画性も低いことから、先例の傾向から見ても、著しく正義に反するとはいえない」との理由から減刑したのだ。
しかし、東京の事件の犯人は、なんとかつて自分の妻子を殺して20年も服役していた極悪人なのだ。そして、20年もの服役を終えて出所した直後に新たに強盗殺人を犯したトンでもない殺人鬼なのだ。それなのに2審の高裁は「妻を殺害した前科と今回の事件は関連性が薄いので、前科を重視するのは相当ではない」なんていう信じられない理由で無期懲役に減刑した。また、千葉の事件の犯人も、以前に強盗致傷事件を起こして刑務所に入ってて、刑期を終えて出所した直後から女性相手に強盗や強姦事件を繰り返していた極悪人だ。それなのに2審の高裁は「他の事件では人を殺害しておらず、1人を殺害しただけで死刑を選択すべきではない」という信じられない理由で無期懲役に減刑したのだ。つまり日本では、連続して2人以上を殺害しないと、絶対に死刑にならないのだ。
東京高等裁判所が諸悪の根源かと言えば、そうでもなく、全国どこの裁判所でも実態は同じだ。プロの裁判官は過去に自分達が行ってきた事を正当化するために、過去の路線を踏襲する事に執着しており、市民感覚を生かそうなどという発想は無い。彼らは裁判員裁判なんか迷惑な制度としか考えていない。2審で死刑判決が引っ繰り返った事件について検察が上告した上告審では、最高裁判所は「死刑を選択するには過去の裁判例を踏まえて判断しなければならない」などとして、上告を退ける決定を出し続けている。あくまでも基準は過去の判例であり、市民感覚などは無視すべきだと堂々と言っているのだ。

それなのに、なぜ今回の死刑囚は死刑が執行されたのかと言えば、この死刑囚の場合、1審で死刑判決が出た後、悪徳弁護士が勝手に控訴したのに対して、死刑囚が自ら取り下げたため、2審は開かれずに死刑が確定していたからだ。いくら悪徳弁護士が叫いたって、本人が取り下げてしまえば、もう裁判は続かない。この点では、この残虐非道な死刑囚は、4人も殺しておきながら再審請求を繰り返していた上の死刑囚に比べたら、少しはマシだったとも言える。
今回の死刑執行で、裁判員裁判で死刑が言い渡された死刑囚の死刑執行は3人目となったが、これまでの2件は3人を殺害した死刑囚と2人を殺害した死刑囚であり、1人しか殺害していないのに死刑が執行されたのは、裁判員裁判では初めてとなる。死刑囚が自ら控訴を取り下げたからではあるが、画期的な事態には間違いない。
死刑囚本人の造反について、悪徳弁護士も悔しがっていると思うが、プロの裁判官達も悔しがっているだろう。これで1人殺害しただけでも死刑になるっていう先例が定着してくれれば喜ばしい
また、金儲けと売名行為だけに邁進する悪徳弁護士どもは、一般市民の声を全く無視して、昨年10月に「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」などと言う寝言を宣言したが、こういう愚かな企てには正義の鉄拳を打ち下ろさねばならない。

(2017.7.15)



〜おしまい〜





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