カヌーのライバル選手に薬物を混入

〜 悲しすぎる出来事 〜



昨年、石川県で開催されたカヌーのスプリント日本選手権で、鈴木康大選手が小松正治選手の飲み物に禁止薬物の筋肉増強剤を混入させていた事が分かった。このせいで小松選手はドーピング検査で陽性になり、処分を受けていた。
鈴木選手も小林選手も共にカヌー日本代表候補であり、鈴木選手はライバルを陥れるために今回の事件を起こしたらしい。
自分がオリンピックに出るためにライバル選手を陥れるなんて言語道断であり、卑劣極まりない行為だ。

鈴木選手はかつて日本選手権スプリントで6冠に輝くなど活躍してたんだけど、リオデジャネイロオリンピックの出場を逃したため、一時は引退した。しかし、その後、奥さんを始めとする周囲からの声を受け、東京オリンピックを目指すため競技活動を再開していた。ところが、鈴木選手は32歳で力が衰えつつある一方、若手がどんどん伸びてきて、東京オリンピックへの出場は日を追うごとに難しくなってきた。そのため、伸び盛りの若手選手である25歳の小松選手を陥れようとしたらしい。

混入させた薬物は、海外遠征中にインターネットで購入し、それを会場に持ち込み、水飲み場に置かれていた小松選手のボトルに混入した。入手の経緯からして明らかに計画的な犯行であり、ちょっとした出来心ではない。それに、今回の事件だけでなく、これまでも小松選手のGPSを盗んだり、パドルにヒビを入れるなどの嫌がらせを続けており、また小松選手だけでなく、自分よりランクが上の5〜6人の選手に対しても同様の嫌がらせを行っているから、極めて悪質な犯行だ。

今回の事件が明るみになったのは、鈴木選手が良心の呵責に耐えられなくなって、告白したからだが、自ら告白したからと言って、上記のような経緯を考えると、そう簡単に許す訳にはいかない悪質な犯行だ
そもそも良心の呵責に耐えられなくなったのは、自分が陥れた小松選手が、電話で真っ先に自分に相談しに来たことも大きな理由だ。2人は普段から非常に仲が良く、小松選手はは鈴木選手を信頼していたらしい。全く皮肉な事だ。

以上のように、今回の事件は全く同情の余地のない言語道断の卑劣な犯行だ。
だが、しかし、私は、とても同情している。

(石材店)「なんか全く矛盾してますが」
(幹事長)「どうしても同情してしまうのよ」


どう理屈をこねたって明らかに卑劣な行為ではある。しかし、もしこれが自分だったら、同じ事を絶対にしない、とは言い切れない

(石材店)「え?幹事長も他人を陥れてるんですか!?」
(幹事長)「ちゃうがな。もし、そういう立場に立たされたら、の話しやがな」


幸いにして、私は鈴木選手ほど追い詰められた事は無い。なぜなら、生まれてこの方、お気楽な人生を送ってきたからだ。そんなにせっぱつまった事態に直面してこなかったからだ。しかし、もし自分がオリンピック出場を目指して頑張っている状況で、しかもライバル達が台頭してきて自分の出場が客観的に見て絶望的になったとしたら、ライバルを陥れる事を絶対にしない自信はない。一度引退していたのに、周囲の期待に応えるために復帰したにもかかわらず、結局、絶望的になったら、私なら、悪いことに手を染めてでも何とかしたいと考えるかも知れない

(幹事長)「お前、しない自信あるか?」
(石材店)「いやあ、私もお気楽人生なんで分かりませんねえ」


もちろん、いくら同情の余地があったとしても、鈴木選手を許してはならない。許したりしたら、他にも同じような事をする選手がどんどん出てくるかもしれないので、見せしめとしてスポーツ界から永久追放するなどの厳罰が必要だ
しかし、いくら見せしめの厳罰を下したとしても、それで他に真似する選手が出てこない保証はない。て言うか、鈴木選手のような気の毒な選手を二度と生まないためには、性悪説に立った厳重な管理が必要だろう。悪い事をしようと思えば簡単にできてしまう状況を無くさなければならない。悪い事が簡単にはできない状況なら、悪い事をする人はなかなか出てこない。
海外では、今回のような事件は起きて当然の普通の事なので、オリンピックを目指すような選手は、飲み物も食べ物も薬も、口に入れるものは極めて厳重に管理している。ボトルを放ったらかしにはしない。そういう厳重な管理を徹底させる事によって、鈴木選手の悲劇を二度と繰り返さないようにしてもらいたい。

(2018.1.11)



〜おしまい〜





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