新幹線の人身事故

〜 驚くべき鈍感さ! 〜



最初、そのニュースを聞いたときには、あまりの不気味さに戸惑った。
博多発東京行きの新幹線「のぞみ」が小倉駅に到着したとき、対向列車の運転士が「のぞみ」のボンネット部分が壊れているのを見つけた。そして、1つ先の新下関駅で停車して緊急点検を行ったところ、ボンネットから人体の一部が見つかったというのだ。
人体の一部って何っ!?
どこなの!!??
どういう状態なの!!!???
もう驚き爆発だっ!

その後、事実が判明しかけている。要するに、男性が自殺するために線路に進入し、新幹線にぶつかって新幹線は壊れるし、身体もバラバラに飛び散ったって事のようだ。現場と見られている辺りには、体の一部や靴、衣類が見つかっている。
分かってしまえば、それほど驚く事ではなかったが、経緯が異常だった。

そもそも、新幹線の運転士は前を見てないのか?スピードが速すぎて前を見てても人間がぶつかるのは分からないのか?そんなものなんだろうか。やっぱりスピードが速いから、よく分からないのかもしれない。それでも新幹線の前の部分が壊れるほどの衝撃があったんだから、何か異常があった事くらいは分かるはずだ。事実、運転士は衝撃や異音を感知している。それなのに彼は運転指令に報告しなかった
また、小倉駅の係員も、ホームに入ってきた新幹線の車両の先頭部分についた血糊などを確認していたが、運転指令への報告は発車の後だった。
今回、新幹線を運転していた運転士はベテランで、過去に動物と衝突した経験があり、今回も同様のケースと判断していたという。

しかし、仮に動物との衝突だったとして、あれだけ大きく破損したままで、そのまま走る続けるなんて異常な気がするが、そういうもんなんだろうか。あまりにも鈍感じゃないか?
こういう場合にすぐに報告しないのは「内規違反」となっているが、JR西日本は昨年末にも、異常音に気付きながらも台車亀裂の発見が遅れたトラブルが起きている。

これらの異常な対応の背景として共通してるのは、運転士にダイヤ至上主義のプレッシャーがかかっている事だ。
JR西日本の安全計画では「安全を確認できない場合は迷わず止める」と明記されているが、仮に停止してしまうと、その車両だけの問題では済まず、日本の大動脈のダイヤ全体に大きく影響することになるため、なかなか決断できないのだろう。

日本の電車の運転は世界の中でも異常なくらい正確で、それが誇りになっているが、そこまで必死に守らなくても良いような気がする。多少、遅れたっていいじゃないか。そもそも田舎に比べて電車の本数はとても多く、次のに乗ったって問題ない。あまりにダイヤの正確さを追求するために、安全確認が疎かになってはいけないと思う。

(2018.6.15)



〜おしまい〜





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