日本代表 決勝トーナメントで敗退

〜 大人になりきれない戦略 〜



ロシアで開催されているサッカーワールドカップで、日本は2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たしたが、決勝トーナメントの1回戦であえなくベルギーに敗れて敗退してしまった

相手のベルギーは世界ランキング3位の超強豪チームだ。だが世界ランキングは必ずしも当てにはならず、強豪国が多いヨーロッパや南米のチームは、強豪国相手の試合も多いから、結果的にランキングが高くなる傾向がある。逆にランキングの高い相手がいないアジアでは、いくら試合をしてもなかなかランキングは向上しない。そもそも今のランキングを見るとブラジルやアルゼンチンやドイツやスペインなどが上位にいるのは順当だが、ベルギーが3位だとかスイスが6位だとかポーランドが8位だとかデンマークが12位だとか、ほんまかいなっ!?って思う国も多い。こんなヨーロッパの小国が本当に強豪なのかって違和感がある。事実、ポーランドなんかグループリーグで敗退している。なので、ベルギーがそんなメチャクチャ強いとも思えない

てことで、コロンビア戦のように、まだ試合が落ち着かない序盤に先制点を取れば日本が勝てる可能性も出てくるだろうと思っていた。でも、序盤こそ良い感じでチャンスを作って攻めていたけど、だんだんベルギーに押されるようになり、前半は結局、かなり押されっぱなしで終わってしまった。得点されなかったのはラッキーだったようにも見えた。なので、かなり危ないなあなんて思っていたら、後半の序盤に一気に2点も取ってしまった。前半の序盤で私が期待していた展開だ。これが後半の序盤に起きようとは思ってなかった。めちゃラッキーな展開だ。
ただ、ここで守りに入れば良かったのに、日本はそうしなかった。まだまだ攻め続けようとしたのだ。もちろん、こうあっさり2点も取れたんだから、3点めだって狙ってもいいんだけど、それは調子に乗りすぎのような気もする。
そして危機感を持って本気モードになったベルギーの猛攻が始まり、1点を返されてしまったこの1点目はベルギーにとって超ラッキーな棚ぼただったし、あるいは再び川島の凡ミスとも言える。あれが入るとは川島も思っても見なかったんだろうが、あんな形で点を取られると力が抜けてしまう。
まあしかし、1点は仕方ない。まだ1点リードしてるんだから、ここからは完全に守りに入らなければならない。グループリーグ最終戦のポーランド戦では、負けているのにボール回しして時間稼ぎしたことに対して批判が起きた。全く批判されるような作戦ではなかったにもかかわらず、幼稚な人たちから批判されまくった。しかし、このベルギー戦ではリードしているんだからボール回しして時間を稼ぐのは世界共通の常套手段だ。徹底的に守りに入らなければならない状況だ。それなのに何を思ったのか、日本は隙さえあれば攻め続けた。まさかポーランド戦での時間稼ぎが批判されたから、ここは攻め続けようと思ったんだろうか。
そして、そんな事をしているうちに、2点目も返されてしまった。同点だ。こうなると状況は非常に厳しい。もちろん、日本がもう1点取れば良いんだが、そう簡単に点は取れない。立て続けに2点も取れたのは超ラッキーだったのであり、同じように3点目が取れる訳ではない。だから、追いつかれた以上、ここは下手に攻めて逆襲をくらうより、徹底して守りに入ってPK戦にもつれ込むのが鉄則だ。PK戦はクジみたいなもので、実力なんて関係ない。
それなのに、ああ、それなのに、日本は最後まで果敢に攻めに行って、最後は逆襲をくらってあっさりと負けてしまった
もうボーゼンとして言葉も出ない。

グループリーグ最終戦のポーランド戦で、負けているのにボール回しして時間稼ぎしたほど成熟した大人のチームになっていたのに、最後の最後で再び特攻隊のように玉砕してしまった最後まで戦う姿勢は格好良いかもしれないが、それで負けたんじゃ話にならないどんなに格好良くても勝たなければ意味は無い。全く、意味は無い。どんなに格好悪かろうが勝たなければならない。勝たなければ意味は無いのだ。

最後まで戦う侍ジャパンに対して賞賛の声が止まない。だがしかし、私には極めて後味の悪い敗戦だ。日本はもっと大人にならなければならない。

(2018.7.4)



〜おしまい〜





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