ニューカレドニアで独立否決

〜 中国の進出を許すな 〜



南太平洋のフランスの植民地(特別自治体)ニューカレドニア独立の是非を問う住民投票が行われ、独立反対が56%を占めて否決された

(石材店)「また、めっちゃマイナーな話題ですねえ」
(幹事長)「ニューカレドニアは知ってるだろ?」
(石材店)「ニューカレドニアは知ってても、どこかの植民地なのか独立国なのかは知りません。て言うか、そんな事に関心のある日本国民はいませんよ」


確かに、ほとんど全ての日本人にとって、ニューカレドニアが植民地だろうが独立国だろうが無関心だろう。そんなこと、考えたことも無いだろう。ニューカレドニアは日本では「天国にいちばん近い島」ってイメージで有名な島であり、自然豊かでのどかな楽園だと思われているから、独立問題なんてピンとこないだろう

だが、現実のニューカレドニアは、そんなのどかな島でもない
ニューカレドニアは19世紀にフランスが占領し、ニッケル鉱を見つけると先住民カナクの土地を奪って入植を進めた。その結果、支配層の白人と伝統的な農漁業を営む先住民との格差は広がった。第2次大戦後、周辺の島々が次々と独立していく中で、ニューカレドニアはフランスの植民地として続いたため、1984年にカナク社会主義民族解放戦線(FLNKS)が結成され、抗議行動が繰り返されてきた。その後、フランスとの衝突が先鋭化したため、独立派と反独立派、フランス政府が独立の賛否を問う住民投票を実施することで合意した。今回の住民投票は、その合意に基づくものだった。
住民投票の投票率は80%を超える高水準で、結果は反対が過半数の56%だったのだ。

一般論として、この結果は良かったと言える。こんな小さな国が独立したって、良いことなんて何も無いからだ。ニューカレドニアは既に幅広い自治権を保持しており、今さら独立したって良いことなんて何もなく、逆に今はフランスが責任を負っている防衛などの責任を自ら負わなければならなくなる。負担が増えるだけだ

先住民が独立を訴えるのは、ヨーロッパ系住民との間に貧富の差があるからだ。先住民の方が失業率も高い。しかし、独立してフランス資本が引き上げてしまったら、経済状況が今より悪くなるのは明らかだ
もちろん、先住民には経済格差への不満だけでなく、自分たちの国を持ちたいという尊厳の問題もあるだろう。それは理解できる。しかし、経済的に破綻すれば尊厳どころの話ではなくなる。これまで多くの弱小独立国が同じ悲劇の道を歩んできた。

もちろん、いくら経済が破綻しても、先住民がそれでも良いというのなら、それはそれでも構わないかもしれないが、そうとも言えない。なぜなら、中国が虎視眈々と狙っているからだ。中国はアフリカ諸国やギリシャなど、経済的に破綻した国に莫大な資金を提供し、その見返りとして港湾など社会インフラなどを自国のものとしている武力を用いない植民地化だ。
ニューカレドニアでも、独立してフランスが手を引いて経済が破綻したら、その後釜として中国が進出するのは目に見えている。世界中に勢力を拡大しようと血眼になっている中国が、この絶好の機会を逃すはずがない。中国の狙いは豊富なニッケル資源と言われているが、それだけではなく、本当の狙いは太平洋への本格進出だ
この中国の野望を阻止するためにも、なんとしてもニューカレドニアの独立は防がなければならない

(2018.11.5)



〜おしまい〜





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