M―1グランプリ暴言騒動

〜 大騒ぎするのは止めよう 〜



今年も我々が那覇マラソンで悪戦苦闘した12月2日の夜、M−1グランプリが開催された。
かつての笑い飯NON STYLEチュートリアルフットボールアワーなどと言った圧倒的な存在がいなくなった割りには、今年もレベルが高く、とても面白かった

優勝したのは、まだ出場経験も浅い最年少組の霜降り明星だった。ただ、確かに決勝1本目のネタは面白かったが、2本目の最終決戦のネタはイマイチだった。1本目のネタが最終決戦に出ていれば、私も霜降り明星が優勝しても文句は無いが、最終決戦のネタで言えば和牛の方がはるかに面白かった。和牛は1本目のネタも面白く、非常に安定した最強の面白さだったと思う
また、従来の路線から一皮むけたかまいたちのネタをもう1本見たかったので、是非とも彼らには最終決戦に進んで欲しかった。
かまいたちの最終決戦進出を阻んだのはジャルジャルミキだ。ジャルジャルは相変わらず普通の漫才とは言えない独自の世界に入り込んでしまっていたが、なぜか1本目は高得点をもらい最終決戦に進んだ。心配していた通り、2本目も同じパターンで攻めた結果、最終決戦では惨敗していた。ジャルジャルは近年、同じような傾向が続いている。それはそれで非常に面白く、僕は大好きだが、M−1で優勝するようなネタではない。そもそも最終決戦に進んだのが不思議だ。
また、ミキも非常に安定した実力派で、高く評価するが、古いスタイルの漫才で、新しさは無いから、今ひとつインパクトには欠ける。
その点、かまいたちは以前から画期的な漫才を展開しているので、ぜひとも、もう1本見たかった。

以上が今年のM−1の簡単な説明だが、なんと、その後の打ち上げの席での失言というか暴言が話題になっている
今年も決勝に進んだスーパーマラドーナの武智と、昨年の優勝者であるとろサーモンの久保田が酒に酔った勢いで、審査員の上沼恵美子を非難する暴言を吐き、その様子をインスタライブで配信したのだ。
暴言の内容は、久保田が「そろそろ辞めてください。自分目線の自分の感情だけで審査せんといてください。おまえだよ、分かんだろ。右側のな、クソが!」と言い、武智が「右のオバハンにはみんなうんざりですよ。『嫌いです』って言われたら、更年期障害かって思いますよね」などと言った。
彼らは固有名詞は出さなかったが、女性審査員は一番右に座っていた上沼恵美子だけなので、彼女を指しているのは明らかだ。
この発言に対して上沼恵美子が激怒したとか、二人が慌てて謝罪したとか大騒動になっているのだ。

しかし、どうだろう?そんな問題視するような事だろうか

まず、事実関係としては、上沼恵美子の採点は極端だった。「ひいきにしている」と公言してはばからないミキに対しては、突然98点なんていうトンでもない高得点を付けた。ミキに対する他の審査員の採点は88〜93点だから、上沼恵美子の採点は突出していた。和牛に対しても98点という高得点を付けたが、和牛に対しては他の審査員も最低でも92点以上を付けているので、それほどの突出感は無い。上沼恵美子は誰に対しても高得点を付けたのかと言うと、そんなことはなく、ジャルジャルに対しては7人の審査員の中で最低点を付けている。もちろん、審査員によって好みは異なるし、色んな観点から評価すべきなので、採点がバラバラになるのは悪い事ではない。ただ、ちょっと極端な採点をしていたのは確かだ
一方で、スーパーマラドーナに対しては89点を付けている。7人の審査員の採点も85〜90点なので、悪い点ではない。なので、なぜスーパーマラドーナの武智が非難するのか分かりにくい。彼が暴言を吐いたのは、上沼恵美子が付けた採点に対して文句を言ってるのではなく、スーパーマラドーナのネタに対する上沼恵美子のコメントに納得がいかなかったのだろう。しかし、他の審査員の採点も似たようなものだった事を考えると、全ての審査員がスーパーマラドーナのネタに対してイマイチだと思ったって事だ。なので、上沼恵美子に対して暴言を吐くのは筋違いだろう。

などと、真面目にコメントしたが、そもそも彼らの発言は暴言と言えるのだろうか。そもそもお笑いの世界において、あれくらいの発言は日常茶飯事の当たり前ではないのか。あんな発言も許されないほどお堅い世界ではないだろう。あれくらい言えるようでないと、まともな漫才なんてできないだろう。
また、上沼恵美子は本当に激怒しているのか?あれくらいの暴言で激怒するようなヤワな人間とも思えないが、本当に激怒したとなれば、もう引退した方が良いのではないか。
いずれにしても、打ち上げの席での発言が大騒動に発展したのは、あの程度の下らない発言を大袈裟に取り上げるマスコミのせいではないのか。

(2018.12.5)



〜おしまい〜





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