バドミントンの事故で損害賠償

〜 スポーツができなくなるよ 〜



もう2ヵ月以上も前の話なので恐縮ですが、去年の10月に驚きの判決があった。
バドミントンでダブルスを組んでいた相手のラケットが当たって大けがをしたとして、40代の女性がペアの女性に対して起こした損害賠償請求で、東京高裁はペア女性の全責任を認めて約1,300万円の支払いを命じる判決を下したのだ。

そもそも事故が起こったのは4年前の2014年12月で、原告女性が趣味で参加していたバドミントン教室での練習中だ。原告女性とペア女性がダブルスで練習しているとき、相手コートにシャトルを打ち返そうと後衛のペア女性がラケットを振るったところ、前にいた原告女性の左目に直撃したらしい。
この事故の後、原告女性はけがの影響から光の調節が難しくなり、日常生活に影響が出るようになったとして、慰謝料やパート給与分の補償を求めて、ペア女性を提訴したのだ。
東京地裁での第一審では、原告側もある程度の危険を承知していたとして賠償額を780万円にとどめる判決が出ていたが、東京高裁はこれを退けて被告側の全面的な責任を認める判決を下したのだ。

(幹事長)「こんな事ってあるのか?」
(石材店)「そりゃスポーツだから色んな事故はあり得ますよ」
(幹事長)「いや、そうじゃなくて、パートナーを訴える事なんてあるのか?」


もちろん、原告女性は気の毒だ。とっても気の毒だ。でも、遊びでやっていたバドミントンでの事故だ。どう考えても自己責任ではないのか?

司法試験の勉強だけに没頭してスポーツなんてやった事がない世間知らずの裁判官は「被告は原告の動きに注意し、ラケットが当たらないように配慮すべきだった。バドミントンはボクシングのように身体接触のある競技ではなく、原告は、ほかの競技者によって危険が生じるとは認識していなかった」なんてトンチンカンな判決を下したが、「後ろにいる側がラケットが当たらないよう注意すべき。全責任を負う」ってのは、いくらなんでも酷すぎる判断ではないのか?
もちろん意図的にぶつけたのなら犯罪だろうけど、そうじゃないんだから、あくまでも偶発的な事故だ。スポーツ事故においてチームメイトの全責任を認める判決なんて聞いたことないぞ

私はバドミントンに関しては全くの素人で、社内のバドミントン大会で経験者の年上の女性に赤子の手を捻るように完膚無きまで叩きのめされたくらいなので、専門的な事は言えないが、経験者の話では「バドミントンのダブルスでは、前衛の選手はシャトルを目で追って後ろを向くことは危険なので絶対にやってはいけない」とのことだ。
さらに「前衛でシャトルに触ることができなかったのであれば、次の返球に対する準備のために自コートのスペースを埋める動きをするべきだ」とのことだが、さすがに素人がそこまで求められるのかどうかは分からない。
もちろん、後衛の女性にも責任はあるだろう。しかし、少なくとも後衛が100%悪いっていう判決はおかしいと思う。

おそらくは初心者同士のペアで、お互いにシャトルを打つことに必死になって、パートナーの動きにまで意識が行ってなかったのだろう。
そもそもパートナーを訴えるって、どういう人間関係だったんだろう。故意にやったのでなければ仲間を訴えるなんて、ちょっと理解に苦しむ。元々人間関係が悪かったのだろうか。

ともかく、こんな世間知らずの裁判官によるトンチンカンな判決が出たら、もうバドミントンなんて恐ろしくてできやしない。バドミントンに限らず、どんなスポーツもできやしない。サッカーや野球のような激しいスポーツはもちろん、卓球だってラケットがすっぽ抜けて飛んでくるかもしれないし、あらゆるスポーツに訴訟リスクが出てくる。

世間知らずの裁判官は「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなる」なんて言ってるが、それは逆だ。こんなトンチンカンな判決を出されると、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなるよ

(2019.1.9)



〜おしまい〜





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