明石市長の暴言

〜 政治的な陰謀 〜



兵庫県明石市泉市長が、道路の拡幅工事をめぐって市の職員に暴言を浴びせたことが大問題になり、遂に辞表を出した
問題となった道路工事現場は、道幅が狭くて交通事故が発生していることから、早急な拡幅工事が求められていた場所だ。その工事が遅れに遅れていたことから市長が激高し、職員に対して「火をつけて捕まってこい」なんていうトンでもなく過激な言葉を浴びせたのが問題になったのだ。

泉市長は、1期だけだが民主党の衆院議員をやっていたことがある。私にとって死ぬまで、いや死んでも絶対に許すことのできない民主党なので、そんな腐りきった民主党の議員をやっていたという経歴だけで万死に値する泉市長だが、その後は民主党と自民党の推薦を受けた対立候補を破って明石市長に当選しているので、まあ許してやってもよかろう。
ちなみに、この選挙では、対立候補は民主党と自民党のほか県知事の支援も受けたし、各種団体もこぞって推薦して総力で組織戦を展開した。泉市長はそれに対して市民型選挙を展開し、勝利したのだ。ちなみに、その4年後には自民党推薦候補を破って再選されている。
つまり、彼には既存の政治勢力や役所など、多くの敵がいるってことだ。この政治的背景は重要だ。

というような経歴なので、まあ、私としては、どうでもいい。性根から腐りきった民主党員ではなく、何でもいいから単に議員になりたくて民主党から立候補しただけなんだろうし、勝てると思ったら民主党だけでなく自民党も敵に回して戦う政治家だ。主義主張や政党なんて関係ないと言うか、主義主張なんて無い、無節操な政治屋なんだろう。大半の政治家が同じようなものなので、それについてはことさら批判する気はない。

また泉市長は、東播磨県民局が作った東播磨ちゃんという地味なキャラクターに対して「明石はそんなにマイナーな街ではない」なんて抗議したり、成人式で「ざわついていて、皆さんの態度はなっていない。多大な税金を使っているが来年以降の取りやめを考えたくなる」なんて成人を叱責したりしている。大人げないと言えば大人げないが、たぶん私が同じ立場だったら、同じような発言をすると思う。このような市長の言動に対しては絶えず批判が起きていたが、どうせ政治的な対立勢力からの批判だろうから、気にする必要はない。

て事で、基本的にニュートラルな立場で今回の問題を考えてみると、確かに言葉は過激だが仕事に不熱心な職員を叱咤しているだけであり、それほど問題にするような発言ではない
職員への発言は以下のようなものだ。
職員「オーナーの所に行ってきた。概算で提示したが、金額が不満」

市長「そんなもん6年前から分かっていること。時間は戻らんけど、この間何をしとったん?遊んでたん?意味分からんけど」

職員「金額の提示はしていない」

市長「7年間、何しとってん。ふざけんな。何もしてへんやないか7年間。平成22年から何しとってん7年間。金の提示もせんと。楽な商売じゃお前ら。あほちゃうか」

職員「すいません」

市長「すまんですむか。立ち退きさせてこい、お前らで。きょう火付けてこい。燃やしてしまえ。ふざけんな。今から建物壊してこい。損害賠償を個人で負え。安全対策でしょうが。はよせーよ。誰や、現場の責任者は」

職員「担当はおります。課長が待機していますが」

市長「上は意識もしてなかったやろ。分かって放置したわけやないでしょ。任せとっただけでしょ。何考えて仕事しとんねん。ごめんですむか、こんなもん。7年間放置して、たった1軒残ってもうて。どうする気やったん。
   無理に決まっとんだろ、そんなもん。お前が金積め。お前ら1人ずつ1千万円出せ。すぐ出て行ってもらえ。あほちゃうか、そんなもん。ほんま許さんから。辞表出しても許さんぞ。なめやがって。早くやっとけばとっくに終わってた話を。どないすんねん。悠長な話して。たった1軒にあと2年も3年もかけんのか。何をさぼってんねん、7年も。自分の家売れ。その金払え。現場に任せきりか。担当は何人いるの」

職員「1人しかいません」

市長「とりあえずそいつに辞めてもらえ。辞表とってこい。当たり前じゃ。7年分の給与払え。辞めたらええねん、そんな奴。辞めるだけですまんで、金出せ金も」

職員「担当は今は係長。この間係長は3回替わった」

市長「何やっとったん、みんな。何で値段の提示もしてないねん」

職員「値段は概算を年度末に提示している」

市長「概算なんか意味ない。手続きにのらへんやないか」

職員「市長申し訳ありませんが、予算は今年度でつんでいる。前年度は予算ついていないんで、概算しか」

市長「ついてないってどういうことよ」

職員「他の地権者の分、とってますから。丸ごと全事業費は1年間でどーんと付けられない」

市長「見通しわかっとったやろ。ややこしいの後回しにして、楽な商売しやがって。
  ずっと座り込んで頭下げて1週間以内に取ってこい。おまえら全員で通って取ってこい、判子。おまえら自腹切って判子押してもらえ。とにかく判子ついてもらってこい。とにかく今月中に頭下げて説得して判付いてもうてください。あと1軒だけです。ここは人が死にました。角で女性が死んで、それがきっかけでこの事業は進んでいます。そんな中でぜひご協力いただきたい、と。ほんまに何のためにやっとる工事や、安全対策でしょ。あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。担当者2人が行って難しければ、私が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ、腹立ってんのわ。何を仕事してんねん。しんどい仕事やから尊い、相手がややこしいから美しいんですよ。後回しにしてどないすんねん、一番しんどい仕事からせえよ。市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は」

どうだろう?確かに言葉は過激だ。過激と言うより無茶苦茶だ。これが本気で放火を指示していたのなら問題どころか犯罪だ。しかし、常識的に考えて、まさか本気で放火を指示してると思う人はアホだ。これは単に、仕事に不熱心な職員を叱責している発言だ

事情は良く知らないが、このやり取りだけからでも、職員が用地買収に熱心でなかったのは分かる。こんな大事な案件を7年間も放置に近い状態にしていた。その間に担当者もコロコロと変わっているし、組織として、あんまりやる気が無いの事が分かる。典型的なお役所仕事のように見える。役人は仕事がはかどらなくても降格とかクビの心配はない。制度として、仕事ができないという理由で降格したりクビにするのは不可能だからだ。仕事がはかどらなくても安定した地位と収入が保証されている。逆に、頑張っても辛いだけで、あんまり良い事はないのかもしれない。なので、必然的にあんまりやる気は出なくなる。制度的に必然なのだ。

て事で、不熱心な職員を叱責して辞表を提出せざるを得なくなった市長は気の毒な気がする。
市長の叱責に対しては、政治的な対立勢力を始めとして多くの批判が寄せられた。ただ、一方で、「職員の怠慢な仕事に市長が激高するのは当然」なんていう市長擁護の意見も多数寄せられている。この叱責の後、道路の拡幅工事は進んでいるから、市長の叱責の効果があったと言うことだ。

そして、実はこれが一番大きな疑惑だが、この叱責発言は2年も前の事なのに、なぜ今頃になって表に出てきたのかと言うことだ。
理由は簡単だ。4月に選挙があるからだ対立候補側が、選挙の直前になって表に出し、今頃になって問題化させようという魂胆だ。対立候補というのは、泉市長の前に市長をやっていた人で、彼もまた色々問題を起こして市長を辞めた人だ。
そもそも、2年前の叱責を録音していたっていう事実が怖い。恐ろしい。明らかにその時点で対立候補側の陰謀が始まっていた訳だ。その録音をずっと隠し持ってて、選挙の直前になって表に出してきたわけだ。政治家って怖い!

(2019.2.2)



〜おしまい〜





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