一般乗用旅客自動車運送事業について

関係法令:道路運送法 
       道路運送法施行規
                
  四国運輸局 一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く)経営許可申請書作成の手引
 四国運輸局 許可基準(一般タクシー事業) 


一般乗用旅客自動車運送事業とは、「一個の契約により乗車定員10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する
一般旅客自動車運送事業」をいいます。タクシー・ハイヤーがこれに該当します。
一般乗用旅客自動車運送事業については、地方運輸局長によって営業区域が定められていて、営業所がある場所
が営業区域となります。発地・着地のいずれもが営業区域外にある旅客運送は禁止されています。

一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の 許可及び認可等の申請に関する審査
基準について

1.許可(道路運送法(以下「法」という。)第4条第1項) 
(1) 営業区域 
 @ 道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第5条に基づき近畿運輸局長が別表に定める営業区域を
単位とするものであること。 
   ただし、別表に定めのない営業区域については、原則として、市郡単位として設定されているものであること。 
 A 営業区域に営業所を設置するものであること。 
(2) 営業所 
  配置する事業用自動車に係る運行管理及び利用者への営業上の対応を行う事務所であって、次の各事項に適
合するものであること。 
 @ 営業区域内にあること。 
   なお、複数の営業区域を有するものにあっては、それぞれの営業区域内にあること。 
 A 申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。 
 B 建築基準法(昭和25年法律第201号)、都市計画法(昭和43年法律第100号)、消防法(昭和23年法律第186
号)、農地法(昭和27年法律第229号)等関係法令の規定に抵触しないものであること。 
 C 事業計画を的確に遂行するに足る規模のものであること。 
(3) 事業用自動車 
  申請者が使用権原を有するものであること。 
(4) 最低車両数 
 @ 申請する営業区域において、別表に定める車両数以上の事業用自動車を配置するものであること。 
   なお、当該最低車両数については、一般の需要に応じることができない車椅子専用車両等は含めないこととす
る。 
 A @の車両数については、同一営業区域内に複数の営業所を設置する場合にあっては、当該複数の営業所に
配置する車両数を合算できるものとするが、いずれの営業所においても   5両以上の事業用自動車を配置するも
のであること。 
 B @及びAについて、別表に定めのない地域については、2両以上とする。 
(5) 自動車車庫 
 @ 原則として営業所に併設するものであること。 
   ただし、併設できない場合は、営業所から直線で2キロメートル以内の営業区域内にあって運行管理をはじめと
する管理が十分可能であること。 
 A 車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、営業所に配置す
る事業用自動車の全てを収容できるものであること。 
 B 他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること。 
 C 申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。 
 D 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。 
 E 事業用自動車の点検、整備及び清掃のための施設が設けられていること。 
 F 事業用自動車の出入りに支障がない構造であり、前面道路が車両制限令(昭和36年政令第265号)に抵触
しないものであること。 
   なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、
当該私道に接続する公道が車両制限令に抵触しないものであること。 
(6) 休憩仮眠施設 
 @ 原則として営業所又は自動車車庫に併設されているものであること。 
   ただし、併設できない場合は、営業所及び自動車車庫のいずれからも直線で2キロメートルの範囲内にあるこ
と。 
 A 事業計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有するものであること。 
 B 他の用途に使用される部分と明確に区画され、かつ、事業計画に照らし運転者が常時使用することができるも
のであること。 
 C 申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。 
 D 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。 
(7) 管理運営体制 
 @ 法人にあっては、当該法人の役員のうち1名以上が専従するものであること。 
 A 営業所ごとに、配置する事業用自動車の数により義務づけられる常勤の有資格の運行管理者の員数を確保
する管理計画があること。この場合において、旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号、以下「運
輸規則」という。)第22条第1項に基づき近畿運輸局長が指定する地域において法第23条の2第1項第2号の規定
により運行管理者資格者証の交付を受けた者を運行管理者として選任する場合には、申請に係る営業区域におい
て5年以上の実務の経験を有するものであること。 
 B 運行管理を担当する役員等運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。 
 C 自動車車庫を営業所に併設できない場合は、自動車車庫と営業所とが常時密接な連絡をとれる体制が整備さ
れるとともに、点呼等が確実に実施される体制が確立されていること。 
 D 事故防止についての教育及び指導体制を整え、かつ、事故の処理及び自動車事故報告規則(昭和26年運輸
省令第104号)に基づく報告等の責任体制その他緊急時の連絡体制及び協力体制について明確に整備されている
こと。 
 E 上記A〜Dの事項等を明記した運行管理規程が定められていること。 
 F 運輸規則第36条第2項に基づく運転者として選任しようとする者に対する指導を行うことができる体制が確立さ
れていること。 
 G 運転者に対して行う営業区域内の地理及び利用者等に対する応接に関する指導監督に係る指導要領が定め
られているとともに、当該指導監督を総括処理する指導主任者が選任されていること。 
 H 原則として、常勤の有資格の整備管理者の選任計画があること。 
   ただし、整備管理者を外部委託する場合は、事業用自動車の運行の可否の決定等整備管理に関する業務が
確実に実施される体制が確立されていること。 
 I 利用者等からの苦情の処理に関する体制が整備されていること。 
(8) 運転者 
 @ 事業計画を遂行するに足る員数の有資格の運転者を常時選任する計画があること。 
 A この場合、適切な乗務割、労働時間、給与体系を前提としたものであって、労働関係法令の規定に抵触するも
のでないこと。 
 B 運転者は、運輸規則第36条第1項各号に該当する者ではないこと。 
 C 定時制乗務員を選任する場合には、適切な就業規則を定め、適切な乗務割による乗務日時の決定等が適切
になされるものであること。 
(9) 資金計画 
 @ 所要資金の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。 
   なお、所要資金は次の(イ)〜(ト)の合計額とし、各費用ごとに以下に示すところにより計算されているものである
こと。 
  (イ) 車両費 取得価格(未払金を含む)又はリースの場合は1年分の賃借料等 
  (ロ) 土地費 取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料等 
  (ハ) 建物費 取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料等 
  (ニ) 機械器具及び什器備品 取得価格(未払金を含む) 
  (ホ) 運転資金 人件費、燃料油脂費、修繕費等の2か月分 
  (ヘ) 保険料等 保険料及び租税公課(1年分) 
  (ト) その他 創業費等開業に要する費用(全額) 
 A 所要資金の50%以上、かつ、事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金が、申請日以降常時確
保されていること。なお、事業開始当初に要する資金は、次の(イ)〜(ハ)の 合計額とする。 
  (イ) @(イ)に係る頭金及び2か月分の分割支払金、又は、リースの場合は2か月分の賃借料等。ただし、一括払
いによって取得する場合は、@(イ)と同額とする。 
  (ロ) @(ロ)及び(ハ)に係る頭金及び2か月分の分割支払金、又は、2か月分の賃借料及び敷金等。ただし、一括
払いによって取得する場合は、@(ロ)及び(ハ)と同額とする。 
  (ハ) @(ニ)〜(ト)に係る合計額 
(10) 法令遵守 
 @ 申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の役員が、一般乗用旅客自動車運送事業の遂行
に必要な法令の知識を有するものであること。 
 A 申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同
等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)(以下「申請者等」という。)が、次の(イ)〜(ヘ)に該当する
等法令遵守の点で問題のないこと。 
  (イ) 法、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)及びタクシー業務適正化特別措置法(昭和45年法律第
75号)等の違反により申請日前2年間及び申請日以降に輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の
処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となっ
た事項が発生した当時現に当該処分を受けた法人の役員として在任していた者を含む。)ではないこと。 
  (ロ) 法、貨物自動車運送事業法及びタクシー業務適正化特別措置法等の違反により、輸送の安全の確保、公
衆の利便を阻害する行為の禁止、公共の福祉を阻害している事実等に対し改善命令を受けた場合にあっては、申請
日前に当該命令された事項が改善されていること。 
  (ハ) 申請日前1年間及び申請日以降に自らの責に帰する重大事故を発生させていないこと。 
  (ニ) 申請日前1年間及び申請日以降に特に悪質と認められる道路交通法(昭和35年法律第105号)の違反(無
免許、飲酒、過労に起因する事故、ひき逃げ等)がないこと。 
  (ホ) 旅客自動車運送事業等報告規則(昭和39年運輸省令第21号)、貨物自動車運送事業報告規則(平成2
年運輸省令第33号)及び自動車事故報告規則に基づく各種報告書の提出を適切に行っていること。 
  (ヘ) 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成13年法律第57号)の違反により申請日前2年間及び
申請日以降に営業の停止命令又は営業の廃止命令の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合に
おける当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該処分を受けた法人の役員
として在任していた者を含む。)ではないこと。 
(11) 損害賠償能力 
  対人 8,000万円以上、対物 200万円以上の任意保険又は共済に計画車両の全てが加入する計画があること。 
(12) 適用 
 @ リフト付きタクシー等特殊なサービスに限る事業については、事業の特性を踏まえて判断することとし、許可に
際しては、必要に応じ業務の範囲を当該事業に限定する旨の条件を付すこととする。 
 A 道路運送法施行規則第4条第4項第3号に規定するハイヤーのみを配置して行う事業にいては、業務の範囲
を当該事業に限定する旨の条件を付すこととする。 
(13) 申請時期等 
 @ 申請時期 
   許可の申請は、随時受け付けるものとする。 
   ただし、法第8条の緊急調整地域に指定されている地域を営業区域とする申請の受付は行わない。 
 A 処分時期 
   原則として、随時行うこととする。ただし、標準処理期間を考慮した上で一定の処分時期を別途定めることがで
きることとする。 
  
2. 事業計画の変更の認可(法第15条第1項) 
(1) 1.(1)〜(9)・(11)〜(13)の定めるところに準じて審査することとする。 
(2) 事業規模の拡大となる申請については、申請者等が以下のすべてに該当するものであること等法令遵守の点
で問題のないこと。 
 @ 法、貨物自動車運送事業法及びタクシー業務適正化特別措置法等の違反により申請日前2年間及び申請日
以降に輸送施設の使用停止以上の処分(当該申請に係る営業区域外で受けた処分は、申請日前1年間及び申請
日以降のもので、処分基準において20日車以上の自動車等の使用停止処分を行うべきものとされている法令違反
に係るもの(処分日車数が20日車未満に軽減された場合を除き、加重により20日車以上となった場合を含む。)に
限る。)又は使用制限(禁止)の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた
法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該処分を受けた法人の役員として在任していた者を含
む。)ではないこと。 
 A 法、貨物自動車運送事業法及びタクシー業務適正化特別措置法等の違反により、輸送の安全の確保、公衆
の利便を阻害する行為の禁止、公共の福祉を阻害している事実等に対し改善命令を受けた場合にあっては、申請日
前に当該命令された事項が改善されていること。 
 B 申請日前1年間及び申請日以降に自らの責に帰する重大事故を発生させていないこと。
 C 申請日前1年間及び申請日以降に特に悪質と認められる道路交通法の違反(無免許、飲酒、過労に起因する
事故、ひき逃げ等)がないこと。 
 D 旅客自動車運送事業等報告規則、貨物自動車運送事業報告規則及び自動車事故報告規則に基づく各種報
告書の提出を適切に行っていること。 
 E 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の違反により申請日前2年間及び申請日以降に営業の停
止命令又は営業の廃止命令の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた
法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該処分を受けた法人の役員として在任していた者を含
む。)ではないこと。 
  
3.事業の譲渡譲受の認可(法第36条第1項) 
(1) 事業を譲り受けようとする者について、1.(1)〜(13)の定めるところ(譲受人が既存事業者の場合の1.(10)は
2.(2)とする。)に準じて審査することとする。ただし、1.(13)@ただし書きは適用しない。 
(2) 事業の全部を譲渡譲受の対象とするものであること。 
   ただし、「タクシー事業に係る事業の分割譲渡の取扱いについて」(平成10年12月17日付け自旅第198号)に
おいて認められている場合において分割譲渡が行われる場合は、この限りでない。 
  
4.合併、分割又は相続の認可(法第36条第2項又は第37条第1項) 
(1) 合併又は分割後において存続する事業者若しくは相続人について、1.(1)〜(13)の定めるところ(合併又は分
割後に存続する事業者若しくは相続人が既存事業者の場合の1.(10)は 
  2.(2)とする。)に準じて審査することとする。ただし、1.(13)@ただし書きは適用しない。 
(2) 分割の認可については、分割後において存続する事業者が、1.(4)の基準を満たさない申請については、認
可しないこととする。 
(3) 分割の認可については、商法等の一部を改正する法律(平成12年法律第90号)附則第5条及び会社の分割
に伴う労働契約の承継等に関する法律(平成12年法律第103号)に基づき、会社の分割に伴う労働契約の承継等が
行われているものであること。 
(4) 事業の一部の分割の認可については、設立会社等が次のいずれかに該当するものであること。 
 @ 既存のタクシー事業者(1人1車制個人タクシー事業者を除く。) 
 A 分割会社の50%を超える出資による子会社 
  
5. 運送約款の認可(法第11条第1項) 
(1) 公衆の正当な利益を害するおそれがないものであること。 
(2) 道路運送法施行規則第12条各号に掲げる事項が明確に定められていること。 
  
6.運賃及び料金の認可(法第9条の3第1項) 
  別に定めるところにより行うものとする。 
  
7.許可又は認可に付した条件の変更等(法第86条第1項) 
(1) 上記1.〜4.の許可又は認可に付した条件又は期限について、変更若しくは解除又は期限の延長を行う場
合には、上記1.〜4.の定めるところにより審査することとする。 
(2) 上記1.(12)に基づき付した業務の範囲を一定の事業に限定する旨の条件の解除は、緊急調整地域に指定さ
れた地域では行わない。 
  
8. 挙証等 
   申請内容について、客観的な挙証があり、かつ、合理的な陳述がなされるものであること。 



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久住事務所