New attempt
第3回 <1999新春 JIJIかく語りき>『バスプロ』って呼ぶ?
田辺哲男氏や今江克隆氏はバスフィッシングをしている誰もが憧れるバスプロである。では村田基氏はどうだろう?チビッコバサーの人気はピカいち、少年たちにとっては「将来○○さんのようなバスプロになりたい」ランキングの堂々1位であることは間違いない。しかし、本格的にバスフィッシングをやっている者のなかで、特にストイックな感覚を持つ人やトーナメントを戦っている人にとって、「村田氏は何者?」という考えが存在するのも事実だ。以前はJBTA(現在のJB)に参戦していた村田氏は確かにここ何年間、プロトーナメント戦に出場したという話を聞かない。たぶん現在はプロ登録をしていないのであろう、だから彼はTV番組などで自分のことをあえて『(スーパー)デモンストレーター』と呼んでいる。皆さんはその事に気付いているだろうか?
つきつめていくと、そもそもバスプロという定義自体が随分あやふやに感じてくる。ゴルフやボクシングのようにプロテスト制度を設けていないせいもあろう、がJBCCやJBにはもちろんプロ登録をしているバサーがたくさんいる。実際、素人に毛のはえたような輩がウジャウジャいるのである、プロとして。しかしこれらの人々をすべてひっくるめて、いついかなる時もバスプロと呼んでいいのだろうか?バスフィッシングをしない人に簡潔に紹介する場合はともかく、ある程度バスフィッシングの経験や知識がある者同志では別の呼び名になるだろう。
私の経験上ではバス釣りをする者は大きく以下のように分類される。
(注)上位に書いてあるほど偉いという訳ではありません、念のため
もうおわかりであろう、実はバスプロという呼びかたは本格的にバス釣りやっている者の間ではごく一部の超有名プロにしか使われていないのである。少なくとも、私はそう考えている。ま、たかだか呼び名と言ってまえばそれまでだし、こんな事を誰に強要するつもりはないのだが、昨今のバスフィッシングブームにあたって自分自身が貫いているスタイルを知って頂きたく書いたということを理解してもらいたい。相手がどれだけの地位に就いているかは、その人がどれだけの才能を持ちどれだけの努力をしたか である。誤解しないでほしい、決して誰かと誰かを差別しようとしているのではない。ただ、その人の実力(才能や頑張りやそれにともなう結果)を軽んじる事だけはしたくないのである。
話は少しそれるが、バス釣りの世界でも会社でも学校でも、ほとんど『運』だけで現在の地位に就いている人がいる。どうしようもなく最悪な奴が自分より上にいる事実なんてのも、確かにある。しかし断言しよう、運も実力のうち だ。数年前、近藤真彦(マッチさん)が10ポンドバスを釣ったのも、いしいその嬢がワールドプロなのも、広末涼子ちゃんが早稲田に合格したのも、嫌味ばかり言うヒゲオヤジが課長なのも、アイツに可愛い彼女がいるのも、スタイルのいい奴も、高級車乗ってる奴も、み〜んな実力である。間違いない、ちょっと考えればわかることだ。『借金も財産のうち』と同じ、今後返済できる収入見込みを信用されているからこそ借りられるのであって、運というチャンスを掴めるポジションに立てたという事実そのものが、当人の実力なのである。
さて、ついに本年度 運良く(^_^;)私JIJIはJBにエントリーして戦うことになった。「やっとバスプロになったね」と先輩プロのかたに嬉しい声もかけて頂いた。ただし、そんなんでイイ気になってるようでは熾烈な戦いで生き残れるはずないのは明らか。だから先に書いたとおり、私は皆さんの前で自分のことを決してバスプロとは呼ばない事にしている。まだまだスタートラインに立ったばかりの一年生、そのほうがかえって好都合。 さぁ、お楽しみはこれからさ!
1999.1.9