支那事変での八郎平


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 昭和13年5月17日、八郎平は、支那事変で中支櫻井部隊附陸軍輸送船杉丸1等機関士として徴傭されている。ここで、櫻井部隊とは、中支碇泊場監櫻井省三少将の部隊を意味していると考えられる。
 日本軍は、昭和13年5月19日に徐州を占領し、6月には漢口攻略の準備をしていた時期であるから、漢口攻略戦に動員されたものであろう。
 昭和13年9月9日には、中支片村部隊附となっているが、これは、第11軍直轄片村四八中将指揮の遡江船舶隊に編入されたことを意味しているのだろう。

 杉丸は、宇和島運輸(株)所有の社有船で、その要目は次の通りである。
・船舶番号40423
・信号符号JIWH
・船級構造二級鋼船
・総トン数443.06
・純トン数252.71
・排水トン数982.0 
・載貨重量トン数652.0 
・長さ(m)45.42
・幅 (m)8.08
・深さ(m)4.27
・速  力(全速)12.0 
     (普通)10.5 
・機  関ディーゼル
・公称馬力290
・造船年月昭和10年9月
・造船場所大阪/大原

 杉丸は、太平洋戦争敗戦後、連合軍に接収されている。

 その後、八郎平は、昭和14年10月31日、中支片村部隊を離隊し、
 昭和14年11月7日から昭和15年5月10日まで 南支飯島部隊陸軍輸送船第二高島丸機関長
 昭和15年 9月9日から昭和16年6月23日まで 中支田村部隊付
 これで、広島の宇品に帰港、徴用解除になり、支那事変における徴傭が終わっている。

 第二高島丸は、宇和島運輸(株)の社有船で、その要目は次の通りである。
・船舶番号38697
・信号符号JHCF
・船級構造三級鋼船
・総トン数162.08
・純トン数94.70
・排水トン数280.00
・載貨重量トン数150.0 
・長さ(m)32.61
・幅 (m)6.10
・深さ(m)3.12
・速  力(全速)12.0 
     (普通)10.0 
・機  関ディーゼル
・公称馬力150
・造船年月昭和8年8月
・造船場所下関/三菱彦島


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