宇和島運輸の犠牲


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 八郎平は、宇和島運輸所属の第1若松丸と共に徴傭され、第1若松丸は沈没、八郎平は戦死、共に戦争により命を絶たれ南海で果てた。
 私は、今回の調査の過程で、宇和島運輸所属の多くの船舶が戦争の犠牲になっていることを知った。地方の一海運会社がこれであるから、日本全体の海運界の打撃は想像に余りある。
 ここに、私の調べ得た宇和島運輸所属船舶の戦争犠牲のリストを掲げ、冥福を祈りたい。

・梅 丸 415総トン 昭和17年12月24日沈没 宇和島運輸 小型船舶による隠密輸送作戦に参加したが、昭和17年12月24日、ニューギニア・フインシュハーヘンにおいて空爆を受け炎上沈没。

・第5高島丸 285総トン 昭和18年8月13日沈没 宇和島運輸 昭和18年8月6日、弾薬・ガソリンを満載し、ラングーン出港。隠密行動を重ね、10日アキャブ到着、若干敵機の妨害を受けたが揚陸を完了し、その夜帰航の途についた。13日イラワジデルタ地帯西端ダイヤモンド島東方、イラワジ支流バセイン川ロピュリアン岬南方7.5粁付近で夜明けと共に敵機4機と交戦し撃退、更に7機の襲撃をうけ、前部マスト付近に直撃弾2発を被り、船体が切断、沈没。海上輸送隊7名、船員11名戦死。

・第3若松丸 185総トン 昭和18年10月9日沈没 宇和島運輸 昭和18年10月9日厦門在港中、空爆をうけ沈没。

・第1若松丸 232総トン 昭和18年10月13日沈没 宇和島運輸 昭和18年10月13日ラバウル在港中、空爆により沈没。船員6名戦死。

・桃 丸 443総トン 昭和18年10月31日沈没 宇和島運輸 昭和18年10月25日、ニューギニア・マノクワリ発、バボ経由アンボン向け航行中。31日セラム島北東岸ワル北北東一六粁付近において、空爆をうけ被弾沈没。便乗者3名、船員4名戦死。

・柏 丸 515総トン 昭和18年12月21日沈没 宇和島運輸 湖南丸船団を護衛中、遭難事故発生により救助にあたるうち、昭和18年12月21日午前6時頃、口永良島西端南西15粁付近において、米国潜水艦グレイバックにより被雷沈没。特設捕獲網艇。

・檜 丸 599総トン 昭和19年9月11日沈没 宇和島運輸 昭和19年9月9日正午スラバヤ発、マカッサル向け航行中。11日午前0時48分頃、カンゲアン島東北東140粁付近において、米国潜水艦パーゴの魚雷二本が命中し沈没。乗員74名、船員1名戦死。特設特務艇。

・予州丸 5,711総トン 昭和20年1月12日沈没 宇和島運輸 昭和20年1月9日正午聖雀発、門司向け航行中。12日午前11時30分頃仏印キノン東東北13粁付近において、艦載機16機と交戦。正午頃被弾炎上の後沈没。便乗者5名、船員45名戦死。

・第一虎丸 503総トン 昭和20年5月16日沈没 宇和島運輸 昭和20年5月16日、朝鮮木浦港内において、空爆をうけ被弾沈没。船員3名戦死。

・宇和津丸 882総トン 昭和20年5月29日沈没 宇和島運輸 昭和20年5月29日、六連島東岸において触雷沈没。

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