塩水のシャワー
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パプアニューギニアでの最初の夜は、日本名赤根崎、カバカダビーチ沿いにあるクウラウロッジビーチリゾートという随分長い名前のホテルで過ごした。日本陸軍の第67兵站病院の跡だという。
南国特有の雰囲気に包まれた静かなホテルだった。
私たちに割り当てられた部屋は、ロッジ風の独立家屋で、床が高く茅葺き屋根であった。壁は、竹で編んだ籠のような板が張られている。
部屋には、ベッドが二つあり、テレビ、冷蔵庫、テーブル、椅子などが備えてあった。別室にトイレ、洗面、シャワーがある。こういう風に説明すると、日本のホテルとの違いは、お風呂が無くて、バスタブの無いシャワーがある位である。
ところが、天井にヤモリが這っている。聞くと、人間には何等の害も及ばさないから、気にする必要はないとのこと。そうは言っても気持ちの良いものではない。しかし、ムカデやゴキブリは見えない。それよりは増しだと思うことにした。
シャワーで汗を流そうとしたら、石鹸の泡が全く立たない。汗を流すだけに留めることにした。
しかし、どうも後がサッパリしない。それもその筈、シャワーの塩分がかなり高いのである。
地下水を汲み上げているが、塩分が含まれているのだという。火山の噴火の影響だとのことだが、珊瑚礁の上に火山灰が積もったような島なのだ。これも致し方ないと諦めることとした。
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