南の島のソーメン


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ホテル食事棟  ラバウルの戦跡巡りをする内、昼の時間が過ぎてしまった。パプアニューギニアでは、ポートモレスビー以外の地方都市では、レストランが無いという。従って、昼食は、宿泊しているホテルでとるしかないのである。
 午後2時頃になってホテルに帰ってきたのに、昼食の準備に一時間はかかるからそれぞれの部屋で待てと言う。昼食の手配は、どうなっているのか不思議に思ったが、素直に部屋で待つことにした。
 昼食開始の時間には、まだだったが、添乗員さんに用事を思い出し、部屋を訪ねた。同部屋の人の話しでは、食堂に行ったという。食堂に行って訊ねると来ていないという。
 そこら辺りを探してみたけど見当たらない。思い切って厨房の戸を開けてみたら、そこに居るではないか。てっきり昼食が遅くなったので、道義的責任を感じて、手伝っているのだと思った。
 昼食開始時間になって驚いた。昼食のメニューは、ソーメンなのである。ネギもある。ワサビもある。割り箸もある。なんと、材料を日本から運んできて、添乗員さん達が厨房で作ってくれたのである。
 お年寄りが多いこの旅行に、ニューギニアの料理だけでは、気の毒だと思ったからだと言う。
 感謝、感激である。うまい、うまいと言って腹一杯ご馳走になった。ところが、である。添乗員さん達そして厨房を手伝った旅行者の近藤さんまで、厨房の片づけをしている間に食べるソーメンが無くなってしまったのである。
 ゴメンナサイ…

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