ケビエンでの個別慰霊(2)
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ケビエンの港を海岸沿いに、北から南に向けて走った。その大部分は、市場であり、大勢の人が集まっていた。
市場を通り過ぎると急激に人が減り、静かな草地に出くわした。車を止めて貰い、降りてみた。草むらの中になにやら構造物がある。どうやら昔の係船柱のようである。現在は、係船柱として使ったような形跡はない。そのような環境ではないのだ。
妻は、直ちにここを個別慰霊の場所と決め、供物などの準備を始めた。ところが、である。大粒の雨が降り出したと思ったら、バケツをひっくり返したような大雨になったのである。準備を中断して車に逃げ込んだ。
ほどなく、小降りになったので、再開した。
合同慰霊祭のように多彩なプログラムはない。妻の般若心経だけである。
卒塔婆は、伊方町の法通寺住職秀宏和尚に作成していただいた経木製のものである。経木を選んだのは、慰霊終了後の焼却が容易と考えたからである。
私たちの供物は、合同慰霊祭と同様であるが、山田さん父子にも供物を戴いた。
ここの地先海浜で、添乗員の千々輪さんが、砂と貝殻を拾ってくれた。慰霊行事に懸命の私たちには、気がつかなかったことだが、大変有り難かった。義母への最高のお土産になった。
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