シンガーの高角砲とプツプツの弾丸箱


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シンガーの高角砲  パナパイから更に南東に走り、シンガーに来た。車を留めて傍にいた女性に案内を請うと、長老を連れてきた。酋長なのかも知れない。長さ五十センチ位の刃物を持っている。
 現地人の男性は、殆どこの刃物を持っている。蛮刀か、山刀と言うものだろう。
 誰もこの刀を威嚇に使ったのを見たことはない。むしろ我々の歩く道の藪や草を刈ってくれるのである。日本の農家が、山林を歩くとき必ず鎌を持って歩くのと同じなのであろう。
 でも、あまり気持ちの良いものではない。緊張する。
 砲台が五基あるという。二基だけを見せて貰った。軍艦に装備してあったものを降ろして陸上に据えたものらしい。こういう大砲は、陸軍は高射砲と言い、海軍は高角砲と言うそうだ。ここでも、陸軍と海軍の違いを耳にする。
プツプツの弾丸箱  次の村落のプツプツで「十二糎砲 十二発入弾丸箱」と書かれた箱を見た。シンガーの高角砲は、十二糎砲なのであろう。

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